学年最下位から東大へ。人生を救ったのは「漫画」だった
――まずは、保手濱さんの意外すぎるバックグラウンドから教えてください。
保手濱: 僕はもともと、勉強が全くできない「社会不適合者」でした。高校3年生の時は学年250人中250位。教科書を読もうとしても文字が頭に入ってこないタイプだったんです。でも、唯一「漫画」だけは読めた。
そこで「漫画のように勉強を捉えたらどうなるか」を試したところ、1年間で成績が爆上がりして東大に合格してしまいました。僕にとって漫画は、単なる娯楽ではなく「人生を救ってくれるバイブル」なんです。
ホリエモンの鞄持ちで見えた「キラキラした世界の裏側」
――東大在学中に、あの堀江貴文さんの鞄持ちをされていたんですよね?
保手濱: はい。ビジネスコンテストで優勝した特典として、逮捕直前の絶頂期だった堀江さんの鞄持ちを経験しました。テレビ東京の会長や大物政治家との会談に同行するような、学生ではあり得ない世界を見せてもらいました。
――その経験が起業のきっかけに?
保手濱: むしろ逆で、「キラキラした世界を見ても、自分のビジネスには関係ない」と気づけたことが大きかった。堀江さんは実は誰よりも泥臭く、コツコツと努力を積み重ねていたんです。ベンチャーなんて最初はクソみたいな環境だけど、そこでいかに継続できるか。その「足のついた考え方」を学びました。
借金3億円からの大逆転。「ルサンチマン」を原動力に変えろ
――その後、起業して順調だったわけではないと伺いました。
保手濱: 20代は失敗の連続でした。流行りに乗ってソーシャルゲーム事業に参入したものの、パズドラなどの台頭で一気に市場が変わり、気づけば 3億円の借金 を抱えていました。共同創業者は離れ、まさに絶望。でも、そこでまた僕を救ってくれたのが漫画『カイジ』や『寄生獣』でした。
「どんな時でも周りを見渡して、決して諦めない」という漫画の教え通り、自分の原点である漫画のビジネス(IPビジネス)に特化したところ、売上が一気に伸びて年商30億まで辿り着きました。
――「落ちこぼれ」だからこそ勝てた、ということでしょうか?
保手濱: そうですね。僕は「早生まれ(3月生まれ)」で、子供の頃からスポーツも勉強も底辺。その時に味わった悔しさ、いわゆる ルサンチマン(復讐心に近い執念) が僕の原動力です。10代で満たされていたイケメンやエリートよりも、コンプレックスを抱えている人間の方が、ビジネスという長期戦では圧倒的に強い。
AI時代の生存戦略。自分の「一点突破」を見極めろ
――最後に、これから独立や成功を目指す若者にアドバイスをお願いします。
保手濱: 自分のレーダーチャートを作った時に、平均を目指しちゃダメです。僕は一般的なことが何もできない代わりに「漫画」という一点だけは誰にも負けなかった。その一点を突き詰めたから今があります。
今の時代、環境を変えるのが一番の近道です。意思の力なんて当てにならない。若いうちに、お金をもらいながら学べる「いい環境」に身を置き、そこで自分の武器を見つける。あとは、当たるまでフルスイングし続けるだけです。ビジネスは継続さえすれば、いつか1万点のホームランが打てますから。
【編集後記】
「借金3億」というパワーワードの裏にあるのは、漫画を哲学として捉え、自らの弱さを武器に変えた圧倒的な執着心でした。保手濱氏の語る「社会不適合者の勝ち方」は、レールから外れることを恐れる現代人にとって、これ以上ない「逃げ切り」のヒントになるはずです。