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マルチ商法で借金地獄。会員4,000人の国内最大級サロンオーナーに這い上がった男の「逃げ切り」戦略

更新: 2026年3月23日
PROFILE
ワンダフルワイフ株式会社 代表取締役
山本 隆玄

エリート街道から転落? 大手SIerを11ヶ月で退職しマルチ商法へ

――まずは、簡単な自己紹介をお願いします。

やまもとりゅうけん(以下、りゅうけん): フリーランス向けのスキルセット教育を軸としたオンラインコミュニティ「人生逃げ切りサロン」を運営しています。今年で9年目になり、現在は約4,000人の参加者がいます。 もともとは僕自身エンジニアだったんですが、そこからブログやYouTubeなどWeb関連のスキルを集めてみんなに提供しようと思って始めました。

――神戸大学経営学部という高学歴から、最初はエンジニアとして就職されたんですね。

りゅうけん: はい。でも文系で、周りには商社や電通に行くような超優秀な人ばかりで「この人たちには勝てない」と思ったんです。そこで、パソコンが好きだったこともあり、競争から外れて勝てるんじゃないかという安易な考えでエンジニアになりました。

新卒で入ったのは「オービック」という大手SIerだったんですが、実は11ヶ月で辞めてしまって。

――1年経たずに退職ですか!? 何かきっかけが?

りゅうけん: 残業代が出ないとか、先輩が鬱で辞めていくのを見て「ここにいて自分のキャリアはどうなるんだろう」と不安になったのが大きいです。 そこから、「マルチ商法」の勧誘を受けてしまって……。「アムウェイ」なんですけど。

――ええっ、そこからマルチ商法に?

りゅうけん: 若気の至りというか、会社を辞めて独立したいけど手段がない時に、大学の先輩に誘われてハマってしまいました。結局、あまり儲かっていないマルチ商法と派遣社員を掛け持ちして、借金を背負うという地獄のような2〜3年を過ごしました。

「人生逃げ切りサロン」誕生秘話と令和の虎・青氏との関係

――そこからどうやって現在の成功へ?

りゅうけん: 借金を返すために、時給の高いフリーランスエンジニアになるしかなかったんです。無理やりなってみたら、意外と時間や場所に縛られない自由が得られて、そこからブログやSNS発信へと横展開していきました。 当時、堀江貴文さんや西野亮廣さんのサロンはありましたが、「スキル教育」に特化したコミュニティはなかった。「Web関連のスキルを集めたコミュニティをやれば面白いんじゃないか」と思って立ち上げたのが今のサロンです。

――「人生逃げ切り」という名前にはどんな意味が?

りゅうけん: 普通に就職して給料をもらい続けるという「既存のレール」からはみ出した生き方があってもいい、という意味での「逃げ切り」です。僕自身がレールから外れて苦労したけど、フリーランスという生き方で救われたので、再現性の高い稼ぎ方を提唱したいという思いがありました。

――ちなみに、「令和の虎」で有名な青(あお)さんは、りゅうけんさんの元教え子だとか。

りゅうけん: そうですね。彼がまだ医学生だった頃にサロンに参加してくれて、動画編集を始めたのがきっかけです。僕がプログラミングで挫折した案件を彼に振ったりもしました(笑)。そこから彼が動画編集キャンプなどの事業を拡大していったんです。

AI時代の生存戦略。「動画編集ができる」だけでは生き残れない

――現在はAIの台頭で市場も変化しています。これからの時代、どういうスキルが必要だとお考えですか?

りゅうけん: デザインやライティング、動画編集といったスキルは、AIによってコモディティ化(一般化)してきています。「動画編集できます」というだけでは、昔でいう「Excelが使えます」レベルになりつつある。

だからこそ、AI以外の部分でプレゼンスを発揮しないと難しいですね。 具体的には、LINEマーケティングや広告運用、SNSの知見など、マーケティング視点を持った人材にならないと厳しくなってくると思います。

――最後に、これから独立を目指す若者にメッセージをお願いします。

りゅうけん: 今の時代、起業に大きなリスクを取る必要はありません。まずは勉強してスキルを身につけ、クライアントワークで稼げば初期費用もかからない。そこで実績を作ってからチーム化したり会社を作ればいい。 「世の中を変えたい」という大きな夢がなくても、「お金を稼ぎたい」「認められたい」という野心があるなら、まずはスキルを学んで市場価値の高い人間になってほしいですね。

編集後記 

「マルチで借金」というドン底から、冷静な市場分析とスキル習得で這い上がったやまもとりゅうけん氏。2026年には事業の売却(M&A)も視野に入れているといいます。 「AIで何でもできる時代だからこそ、人間力やマーケティング力が問われる」という言葉は、多くのクリエイターやビジネスマンにとって重みのある提言ではないでしょうか。