田舎の進学校から外資系銀行へ
塾のない田舎でひたすら勉強
高校時代は田舎の進学校だったので、とくに高2の冬ぐらいからは、もうひたすらずっと勉強していましたね。塾がないんですよ。あったのかもしれないですけど、有名な塾はなくて、進研ゼミでずっと勉強していました。
外資系の方が合うと思った
最初に就職したのは、シティバンクというアメリカの銀行です。包み隠さず言うと、内定をいただいた企業の中で、企業規模や当時の自分なりの基準を踏まえて、一番魅力を感じたのがシティバンクでした。他はIBMのコンサル部門とか、あとはヒューレット・パッカードという、これもコンピューターの会社ですけど、そういうところを受けていました。
自分の性格的に、日本企業よりも外資系の方が合うのではないかと漠然と思っていました。年功序列のような環境より、実力で評価される環境の方が自分には合っているだろうという感覚があったんです。今では日本でもスタートアップをはじめ、実力主義の企業は増えていると思いますが、当時は今よりも年功序列のイメージが強かった。20年ほど前のことなのですが、であれば自然と外資系に目が向きました。
電話営業の代行から始まった事業
きっかけは学生ベンチャー
会社を創業した経緯は、学生ベンチャーを始めたのがきっかけといえばきっかけです。大学時代に1回学生ベンチャーをやって、それでうまくいかなくて、就活してシティバンクに入って。シティバンクに入った時の同期と、もう1回やったという感じです。
最初から「この領域で事業をやろう」と明確に決めていたわけではなくて、学生時代に一度ベンチャーを経験して、自分で事業をつくることに面白さを感じたことが大きかったですね。実際に会社員も経験したことで、組織に所属するより、自分で事業をつくる方が人生を楽しめそうだと感じました。
創業事業は電話営業の代行
もともとシティバンクでテレマーケティングをずっとやっていたので、電話営業を代行するというのを創業事業で始めました。そこから「こんなこともできないの?」というお話に一つひとつ対応していった結果、いろいろできるようになっていったという感じです。
現場で編み出した手法が強み
2007年からやってきて、長くやっていることによって、いろんな企業さんとお付き合いして、「こういう壁にぶつかるんだな」というのをたくさん見てきました。それを解決するためのノウハウも、本に書かれている手法をそのまま当てはめるのではなく、現場で試行錯誤しながら自分たちで編み出してきた手法が結構多いんです。要は現場上がりで、ちゃんと効果のあるものをご提案しているところが強みかなと思います。
現場の声はどの会社も聞いているかもしれないですけど、長く事業を続けてきたからこそ、蓄積できたケーススタディの数には強みも説得力もあると思っています。さまざまな企業の課題に向き合ってきた経験が、提案の精度にもつながっています。
継続の要因は新規開拓の力
ここまで続いてきた大きな要因は、新規開拓、新しいお仕事を取ってくるという能力が会社として強いことかもしれません。電話でテレアポしてアポを取って仕事を取る、とかですね。その営業力があるので、事業環境に変化があっても、新しい仕事を獲得することで安定した経営につなげることができる。一番大きな要因かもしれないです。
学生に伝えたい、欲とコミュニケーションの話
まず欲を持つべき
やりたいことがわからないという学生は、まず欲を持つべきですよね。やりたいというか、なりたい。たとえば私なんかは、30歳まで年収1000万を超えるというのをひとつ目標にしていました。別に何でもよくて、モテたいでもいいですし、高級腕時計を買いたいでもいい。そういう欲がまずあって、じゃあその欲を達成するために何をやるべきなのか、という考え方の方がシンプルかな、考えやすいかなと思っています。
目的地がないと乗り物を選べない
いつまでにどこの目的地に行きたいというのがないと、どの交通手段を使うべきかもわからないじゃないですか。要は、飛行機に乗りたいのか、車に乗りたいのか、船に乗りたいのか。目的地を決めないまま悩んでも、それは答えが出なくない?とは思います。
今の学生と話していて、欲がない人が多い気はしますけどね。よくないというか、もったいないよなと思います。周りに欲がないんだったら、逆に欲を持って。飛行機に乗るか船に乗るか車に乗るか電車に乗るかで悩んで、まごまごしている人を横目に、「自分はアメリカに行きたいから飛行機だ」と動き出したら絶対に早いじゃないですか、成長スピードとか。周囲に明確な目標を持っている人が少ないと感じるのであれば、逆に自分が先に目標を掲げて動き出せばいい。自分なりの欲や目標を持って「いつまでにこうする」と掲げてしまえばいいと思うんです。
年収は通知表
私自身は別に高級品とかに興味がある人間じゃないんです。私は年収を、仕事における一つの「通知表」のように捉えてきました。
自分がどれだけ成長し、仕事を通じて価値を提供できるようになったか。人として立派になっていくその結果の一つとして年収があると思っているので、可能な限り高めていきたいという意識はあります。
いろんな人と飲みに行く
学生のうちにやっておくべきことは、いろんな人と飲みに行くことですね。いろんな人と飲んでトークすることで、コミュニケーションスキルは結構鍛えられたなと思いますし、結局それが営業力とか、相手を思いやる心とか、リーダーシップとかにいろいろつながっていく。そういう雑多な人たちと一気に絡めるのは、多分大学生までなんですよ。友人同士で飲みに行っても、お互いが別の友人も連れてくることで、自然と初対面の人を交えて話す機会が多かったですね。
自分自身を振り返った時に、営業のコンサル会社をやって、講演とかもして、「お話が得意」と言われるようになった根源的な要因は何かなと思うと、私はそれだったなと思うんです。
絶対に滑らないスキル
AIの進化によって、プログラミングのようにこれまで専門性が高いとされてきたスキルも、その価値や求められ方が変わり始めています。どれだけ時代が変わっても、人が生きていく上で絶対に滑らないスキルは、人の気持ちを理解し、相手と信頼関係を築きながら、うまく想定内で物事を前に進める力だと思うんです。コミュニケーションスキルというか、営業スキルというか、リーダーシップというか。そういうのはやっぱり、いろんな人とコミュニケーションをとっていかないと、自分の中でデータや経験値がたまらないので、育っていかないんです。繰り返しですけど、そういうスキルを鍛えやすいのが大学生かなと。
友達の友達は友達
あとは、友達の友達は友達ぐらいの感覚で、いろんな人付き合いをした方がいいんじゃないかな、という感じですかね。目の前の人と飲んでいて、「じゃあ俺帰るね」じゃなくて、「じゃあ3人で飲もうよ」みたいな。今はSNSなどもあり、以前よりコミュニティごとのつながりが強くなっているようにも感じます。コミュニティ感というか。別のコミュニティの人がパッと現れたとしても、ウェルカムに迎え入れるような感覚が大事なのかなと。
採用・拠点・AI。会社のいま
まずはフィードバックを受け止められる人
弊社で採用する時は、まずはやっぱり素直な子ですね。ここでいう素直さとは、何でも言われた通りにすることではなくて、自分へのフィードバックを「そうは思いません。」とはじくのではなくまず受け止めて、「具体的にどこを改善すればいいですか」と聞けるような姿勢です。人からの指摘をまっすぐ受け止められるというのが、まずは大前提かなと。素直であれば、こちらが指導すればどんどん育っていくので。そのうえで、コミュニケーションスキルがさらにあるとなおいいかなという感じです。
拠点は宮崎、そして福岡
まず、私の出身地である宮崎に拠点を作りたかったのが大きな要因です。宮崎県延岡市というのがその場所なんですけど、東京と延岡の2拠点の時に、この2つだと町の規模としても距離的にも遠かったので、東京と延岡をつなぐ拠点として、立地や都市規模などを考えた結果、福岡に拠点を設けました。
やりたい社員がいればやる
他の地方への展開は、正直に言うと、現時点では、会社として積極的に拠点を増やす必要性は感じていません。ただ、弊社の社員から「自分がこの拠点ができたら働きたいです」と言われれば、別にいいんじゃないという感じです。初期投資がめちゃくちゃかかるビジネスでもないので、弊社は部屋とパソコンとネット環境さえあればできるんです。飲み会の場で「もっと自分が仕事できるようになったら、やりたいです」みたいな話はちらほらあるので、「やればいいじゃん」と言っている感じです。
採用のためのインスタ運用
Instagram(インスタグラム)は、採用を強化する中で、会社の雰囲気や社風を伝えるにはInstagramが適していると考え、運用を始めました。現在は採用を主な目的として活用しています。
AIは可能な限り使う
AIはかなり取り入れていると思います。常に会社では「AIを可能な限り使いなさい」と号令もかけているので、いろんな業務でやっています。意識的にアンテナを張っているわけじゃないですけど、一度使い始めて自分が便利だなと思ったら、「使いな」と言っているという感じです。
エンジニアの話でいうと、AIを使いこなすエンジニアはいるんだと思います。今後はAIの活用によって、ゼロからすべて自分でコードを書く必要は少なくなっていくと思います。その分、AIに適切な指示を出しながら開発を進める力が、エンジニアにはより求められるようになると思います。
これからの展望
事業運営が楽な国にする
会社のミッションとして、「日本を世界で一番事業運営が楽な国にする」と掲げています。要は、弊社に頼めば、事業経営者の悩みがひとつ、ふたつと解決されて、気持ちよく事業できるようになる。そういうサービスを展開していきたいと思っているので、「経営の悩みがあればエッジコネクションに相談しよう」と思っていただける会社として、日本全体に認知を広げていきたいですね。
編集後記
「目的地を決めないまま悩んでも、答えは出ない」という言葉が、取材後もずっと頭に残っています。私自身、学生起業をかじりながら、どこへ向かいたいのかを曖昧にしたまま忙しくしていた気がします。大村さんの語り口は終始穏やかなのに、欲を起点に逆算するという考え方はとても具体的でした。「いろんな人と飲みに行く」「友達の友達は友達」。地味に見えて、営業力やリーダーシップの土台になるという指摘には納得するばかりです。まずは「いつまでに、こうなりたい」を書き出すことから始めてみます。