海外を旅してばかりだった学生時代
アルバイトして海外を回る日々
大阪大学ではテニスサークルに入っていましたが、そこまで真面目に打ち込んでいたわけではありません。むちゃくちゃアルバイトをしては、東南アジアを1〜2か月かけて回ったり、ヨーロッパを同じように旅したりというのを繰り返す学生でした。単純に遊びに行っていただけで、何かを学びたくて旅していたわけではないので、その経験が今に活きているかどうかも正直わからないですね。
映画会社を全滅し、金融機関へ
映画業界を受けまくって落ちた
就職活動では最初、映画業界を志望して映画会社を受けまくったのですが、見事に落ちまくりました。どうしようと思って、とりあえず入ったのが金融機関だったという流れです。応募自体もかなり遅かったようで、内定を出したのは最後だったと言われたくらいです。
独立のきっかけはメンターの一言だった
向いてないよ、社長にでもなれ
独立を意識したのは、1社目でサラリーマンをしていたときのことです。当時、社内でメンターについてもらっていた人に、「サラリーマン向いてない。社長にでもなっとけばいいじゃないか」と、嫌味で言われたんですよね。それを私は真に受けて捉えて、そこからそういうキャリアを築こうと動き始めました。
もう1つの理由は、新卒時代に映画業界で全敗した経験です。自分のお金で映画を撮りたいという思いは、今でも持っています。自分で会社を作って、それを売って、得たお金で人生最後に映画を1本作る。それがどれくらいの規模の映画になるかで、自分の人生の通知簿をつけようと考えているんですよね。映画が好きというより、新卒で落ちたときの腹いせに近いのかもしれません。人間は、案外意地を取り返そうとするものだと思っています。
お金と人を学んで、経営に近づく
大手リース会社で5年ほど営業をしたのち、求人検索サイトを運営する会社へ移りました。その後3社目として、大阪本社のM&A会社に入社しています。M&A会社に入ったのは、そもそも独立したかったからです。
金融機関でお金のことを、2社目で人のことを学んだので、人・物・金という経営資源のうち2つを押さえたことになります。より経営に近いところで仕事をしたい、経営者側に行きたいという思いが強くなっていました。会社を売るという自分の人生設計を考えたときに、M&Aの知見を持つ会社に入っておく必要があったという判断です。
ある出来事をきっかけに独立へ
独立のタイミングは、家族に起きた出来事がきっかけでした。家族に不幸があり、埼玉出身なので実家に戻らなければと考え、会社を辞める話を出資元の会社にしたところ、「そもそもお前、独立したかったって言ってたよね」という話になったんですよね。会社が嫌で辞めるわけではないなら、M&Aアドバイザリーができないのはわかった上で出資してあげる、という形でご縁をいただき、2023年8月にNewMA株式会社を立ち上げました。事業内容についても、当時は出資元の会社と相談しながら決めていきました。
ハイクラス特化と、業務理解の深さが強み
弊社の基本的な強みは、ハイクラス向けの転職支援です。特にM&A業界やコンサルティングファームへの支援に強みがあります。もともとはM&A一本足打法で始めた事業でしたが、M&Aを支援していく中で、たとえばビッグフォーの会社ではM&A以外の求人もあることがわかり、そこから領域を広げてきました。
業務理解の深さが強み
他社と圧倒的に違うのは業務理解の深さだと思っています。大手の求人媒体よりも特化しているぶん、その業界に詳しいという自負があります。求職者の方はみんな頭がいいので、こちら側の理解が浅いとすぐに見透かされてしまうんですよね。いい求人や、より良い発信を心がけることを日々大切にしています。
未経験からのキャリアチェンジにも対応していて、営業を頑張ってきた方がM&A会社に、あるいはエンジニアの方がDXコンサルへ、といった動きも今は増えています。AIの波もあって、手を動かすだけの仕事に不安を感じ、上流を目指す方も多い印象です。
創業初期は人も求人もなかった
創業して大変だったのは、最初は人も来ないし、求人もないという状態だったことです。徐々に両方が集まってきて、今にたどり着いています。
無料インタビューで求人を引き出す
具体的にやっていたのは、ビジョン図鑑と同じような手法です。M&A会社に「M&A会社図鑑のようなものを作るので、無料でインタビューさせてください」と営業をかけて、そこから採用の話を引き出し、求人をもらうという動き方をしていました。
スカウトサイトで人材を集める
人材側の集め方は、最初はスカウトサイトを使い倒すところから始めました。今も使っていますし、広告を回してみたりと、いろいろ試行錯誤を続けています。最近はありがたいことに、サイトからの流入も増えてきました。
緩やかな事業拡大を目指す
今後の会社の方向性については、人をむちゃくちゃ増やして利益を追うというよりも、業界がわかっているプロの人に入社してもらい、緩やかに事業を拡大していきたいと考えています。基本的に、努力している人には報われてほしいというタイプなんですよね。それは求職者の方にも、弊社で働いてくれる人にも当てはまります。そこを裏切らない形でやっていきたいです。
学生へのメッセージ:もっとキャリアに向き合ってほしい
キャリアにもっと向き合うべきだった
大学生の頃を振り返ると、キャリアに対して後ろ向きだったと思います。1社目に大手リース会社を選んだのも、いろいろな業界を知れることに加えて、お給料の割にホワイトだからという理由が正直ありました。大阪大学出身で学歴も悪くはなかったので、もっとキャリアに真剣に向き合うべきだったと今では思っています。1社目自体はとてもいい会社で、辞めたことを後悔している部分もあるくらいです。
文学部のような学部にいると、就職活動を面倒に感じたり、働くことへの疑問を抱いてひねくれてしまったりする人も意外といます。そこは割り切って頑張ったほうがいいというのが、当時の自分への戒めも込めて、伝えたいことです。
好きなことより向いていることを
大学時代に戻れるなら、映画が好きだからという理由だけで映画会社にこだわって全滅する、というやり方は変えたいですね。好きなものだけでなく、自分がどういうことをするのが向いているのか、もっと深掘りしておけばよかったと思っています。とはいえ映画会社に全落ちしたからこそ今独立して頑張れているので、それはそれでいい経過だったとも感じます。業界理解も浅かったですし、インターンシップにももっと参加しておけばよかったですね。
編集後記
学生団体の代表を経験してから、ビジネスの世界に少し足を踏み入れている身として、林さんの「意地を取り返そうとするもの」という言葉が印象的でした。映画への未練を原動力に、金融からM&Aへとキャリアを積み上げていく過程には、遠回りに見えて実は一本筋が通っているように感じます。就職活動をこれから迎える身として、好きなことと向いていることを分けて考える視点は、自分自身も持っておきたいと思いました。