インタビュー

30歳を超えて勢いで独立、スタートアップと伴走するという生き方

30歳を超えて勢いで独立、スタートアップと伴走するという生き方
PROFILE
株式会社Adaptique 代表取締役
的場 秀

学生時代からの夢が独立につながった

ぼんやりと描いていた起業

学生時代からいつか会社を自分でやりたいという思いが、ぼんやりとあったんですよね。社会人になってからも、頭のどこかでは起業を見据えてキャリアを考えていました。最初に選んだのは証券会社で、その後にいまの事業の土台になるWeb(ウェブ)マーケティングの支援会社に転職しています。このキャリアでかれこれ十年ぐらいやってきました。

前職は特にスタートアップや中小企業に特化したWebマーケティング支援の会社で、数名の規模から40〜50人規模まで拡大する経験をしました。その中で、組織の課題というか「もう少しこういう組織にしたいな」というものがぼんやりと見えてきたんです。あわせて、当時30歳を超えていたので、さすがにそろそろ動かないとまずいなという思いもあり、最終的には「エイヤー」で独立を決めました。

証券会社を選んだ理由

証券会社を選んだのは、しんどそうな環境でメンタルを鍛えられそう、経営者とつながれそう、経済に強くなれそう、と感じたからです。今の自分がもう一度就職先を選ぶとしても、証券会社は候補に入ると思います。ただほかにも、業界のトップにいるような事業会社や、広告だと電通やサイバーエージェントのような会社も選択肢に入れると思いますね。

これから起業を考えている方には、ファーストキャリアは大きい会社をおすすめしたいです。「あの会社出身の人がつくった会社なんだ」という安心材料になるので。よほど尖ったサービスをつくらない限りは、大きな会社でキャリアをスタートするのがよいと考えています。もちろんベンチャーやスタートアップならではの経験値はあるので、とにかく場数を踏みたいという方は、小規模の組織も選択肢に入れてもいいと思います。

事業の柱は三つ

主軸はショート動画広告

いま特に力を入れているのは、SNSのショート動画に特化した広告の運用事業です。FacebookやInstagram、TikTok、YouTubeのショート動画を大量に制作し、多いところでは一社あたり月に200本から300本ほどつくって、広告で回しながら売上を上げていきます。

もう一つはそこから派生した、ショート動画の制作だけを受ける事業です。動画をたくさんつくる体制がすでにあるので、制作のみのご依頼にも対応できています。

プロジェクト型の伴走支援

三つ目の柱は、私自身がこれまで企業のマーケティングに深く入り込んでご支援するケースが多かったこともあり、どこかの企業さんのマーケティング担当として私やほかのメンバーが入らせてもらい、マーケティング全体のプロジェクトを立てて推進していく支援です。この三つが、いまのメインの事業になります。

支援先の実績として、売上や獲得数が大きく伸びたケースもいただいていて、ありがたいことにそうした声から新しいご相談につながることも増えてきました。

譲れない強みはスピード感

弊社ならではの強みを挙げるなら、スピード感だと思います。まだ小さな会社なので、私自身が実務に動くケースもまだまだあります。経験を積んだメンバーがスピード感を持ってお客さまにサービスを提供できる点は、大手とは絶対に違うところで、そこを選んでくださる方も多いです。

スタートアップや中小企業の方の中には、大手の有名な会社にお願いしたいけれど、予算が見合わず受けてくれなかったり、受けてくれても実際にはあまり動いてくれなかったり、本気で向き合ってもらえなかったりという不安をお持ちの方もいます。そうした方が調べて弊社を見つけ、ご依頼くださるケースが多いんです。もちろんこれは事業構造の違いなので仕方のない部分もあり、大手にも大手のよさがあります。それぞれのよいところを見きわめて、いいパートナーと仕事をすればいいだけの話だと思っていて、弊社は中小企業やスタートアップの方にとって、力を発揮できる存在でありたいと考えています。

目指すのは支援企業の拡大と梅干し事業

ショート動画広告の支援先を増やしたい

目先は、ショート動画広告の運用でありがたいことに伸びてきているので、この事業でご支援できる企業をもっと増やしたいと思っています。

描いているのは梅干し事業

もう少し先、来年ぐらいを目安にやりたいと考えているのが、自社でのいわゆる物販ECです。候補として考えているのは梅干しです。まだぼんやりとした構想ですが、家で六年ほど梅干しをつくっていて、周りの人に食べてもらってたりします。塩と紫蘇だけのシンプルなものですが、味には自信があります。

海外の米文化に合いそうな国も少し調べていて、国外でも梅干しを届けられたら面白いなと考えています。海外には米文化そのものがない国も多いので、そこはハードルになりそうだと感じているところです。

課題は若手人材の不足

事業面での課題は、正直なところ人手ですね。特にショート動画の感度が高い、若い世代のメンバーを求めています。若手なら経験は問いません。動画まわりを中心に、一緒に事業をつくってくれる若手にぜひ来てほしいと思っています。

高校まで野球一筋だった学生生活

リーダーを固辞した後悔から

高校までは、正直野球しかしていませんでした。大学に入ってからは野球をやめて、サークルを立ち上げたり、既存の大きなサークルの代表を務めたりしていましたね。あとはアルバイトぐらいでしょうか。

実は高校時代、先輩からキャプテンをやってほしいと言われたことがあったんですが、自信がなくて断ってしまったんです。その後、別の人がキャプテンになり、結果的には「自分がやればよかった」と後悔しました。それもあって、大学ではあらゆる代表やリーダーの役をやってみようと決めて、実際にやってみたんです。結果として、みんなが楽しそうについてきてくれた実感があって、そこから「いつか自分で会社や組織を持ちたいな」という思いが芽生えていきました。

今のうちに本気で遊んでほしい

今の学生さんに伝えたいのは、ありきたりかもしれませんが、いまのうちにいっぱい遊んでおいたほうがいいということです。精いっぱい、多少無茶なことも含めて今のうちにやっておいたほうがいいと思います。社会人になっても遊べますし、別の楽しさもありますが、学生時代のよりピュアな繋がりは大人になっても大事なので、色んな人と交流を持つことも大事だと思います。

社会人になるのは正直、最初は怖さもありました。ただ、本気で仕事に向き合ったら、めちゃくちゃ楽しくなってくるんですよね。将来に漠然とした不安がある方がもしいるなら、本気でやればちゃんと楽しいよ、と伝えたいです。

編集後記

今回、株式会社Adaptique代表取締役の的場秀さんにお話をうかがいました。証券会社からマーケティング業界へ転身し、10年近いキャリアを積んだうえで独立するという決断には、地に足のついた覚悟を感じました。とくに印象に残ったのは、高校時代にキャプテンを固辞した後悔をばねに、大学でリーダーの役割を引き受けるようになったというエピソードです。小さな後悔を次の挑戦につなげる姿勢は、これから社会に出る学生にとっても参考になるのではないでしょうか。梅干しの海外展開という新しい挑戦にも、今後注目していきたいです。