「求人を出しても応募が集まらない」「採用しても定着しない」。こうした悩みの多くは、採用活動が場当たり的になっていることから生まれます。採用戦略フレームワークを使えば、市場・競合・自社の情報を整理して勝ち筋のある採用方針を組み立てやすくなるでしょう。
この記事では人事・採用担当者と経営者に向けて、採用戦略フレームワーク7選を「現状分析」と「採用設計」に分けて紹介します。あわせてフレームワークを使った立て方の5ステップや選び方、活用時の注意点まで解説するので、自社の採用を見直す材料にしてください。
本記事は株式会社Myoshinが運営するビジョン図鑑の記事です。自社サービス「採用サポ10」の紹介を含みます。
採用戦略フレームワークとは何か
はじめに採用戦略とフレームワークの関係を整理しておきましょう。言葉の意味があいまいなままだと、社内で議論がかみ合わなくなるためです。
そもそもフレームワークが重視されるのは、採用環境が複雑になり経験や勘だけでは成果を出しにくくなったからです。中長期的に労働人口の減少が続くと見込まれており、多くの業界で人材獲得の競争は激しさを増しています。
求職者の価値観も多様になりました。給与や知名度だけでなく、仕事のやりがいや働き方への共感で会社を選ぶ人も増えています。さらに求人広告・スカウト・SNS・リファラルなど採用手法の選択肢も広がりました。手段が多いからこそ、判断の軸となる戦略と型が欠かせません。
採用戦略を立てるための「思考の型」
採用戦略フレームワークとは、採用戦略を立てる際に情報を整理し判断するための「思考の型」です。誰が考えても一定の質で分析と設計ができるように、検討すべき観点があらかじめ決められています。
採用戦略そのものは「どんな人材を・いつまでに・何人・どうやって採用するか」という方針を指します。ただし方針を考える材料は、市場動向や競合の状況、自社の強みなど多岐にわたるでしょう。フレームワークを使えば、こうした情報を抜け漏れなく整理できます。
たとえばマーケティングで使われる3C分析は、採用では「採用市場・競合企業・自社」に置き換えて使えます。ビジネス戦略で培われた型の多くは、採用にもそのまま応用できるのが特徴です。
つまりフレームワークは答えを出す道具ではなく、考える順番と観点をそろえる道具です。型に沿って検討すれば、担当者が変わっても採用方針の質を保ちやすくなります。
採用計画・採用手法との違い
採用戦略は採用計画や採用手法と混同されがちです。結論からいえば、3つは「上位の方針から具体的な実行策へ」という階層関係にあります。
採用戦略が「なぜ・誰を・どう惹きつけるか」の方針であるのに対し、採用計画は人数やスケジュールなどの数値計画を指します。採用手法は求人広告やダイレクトリクルーティングなど、実際に候補者と接点を持つ手段のことです。
| 項目 | 役割 | 具体例 |
|---|---|---|
| 採用戦略 | 採用の方向性と勝ち筋を決める | 成長志向の若手を「裁量の大きさ」で惹きつける |
| 採用計画 | 人数・時期・予算を数値に落とす | 1年で営業職3名・エンジニア2名を採用する |
| 採用手法 | 候補者と接点を持つ手段を選ぶ | スカウト媒体・リファラル・自社採用サイト |
戦略がないまま手法から選ぶと、媒体を変えても成果が出ない状態に陥りがちです。まず戦略を固め、その後に計画と手法を決める順番を守りましょう。
採用戦略フレームワーク3選(現状分析編)
ここからは採用戦略に役立つ7つのフレームワークを「現状分析」と「採用設計」に分けて紹介します。まずは全体像を一覧で確認してください。
| フレームワーク | 分類 | わかること | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 3C分析 | 現状分析 | 市場・競合・自社の関係と自社の勝ち筋 | 採用の方向性を決める初期段階 |
| SWOT分析 | 現状分析 | 採用における強み・弱み・機会・脅威 | 訴求ポイントや打ち手の洗い出し |
| PEST分析 | 現状分析 | 法制度や社会動向など外部環境の変化 | 中長期の採用方針の検討 |
| 採用4P | 採用設計 | 理念・仕事・人・待遇の4軸での自社の魅力 | 求人原稿や説明資料の作成 |
| 採用ペルソナ | 採用設計 | 採用したい人物の具体像 | ターゲットの認識合わせ |
| 候補者ジャーニー | 採用設計 | 候補者が入社に至るまでの心理と行動 | 接点ごとの施策設計 |
| 採用ファネル | 採用設計 | 選考段階ごとの人数と歩留まり | ボトルネックの特定と改善 |
現状分析の3つは「自社がどこで戦うべきか」を見極める型です。最初に方向性を定めることで、後に続く採用設計の精度が上がります。
3C分析で自社の勝ち筋を見つける
3C分析は、採用戦略の方向性を決める最初の一歩に適したフレームワークです。採用市場(Customer)・競合企業(Competitor)・自社(Company)の3つの視点から、自社が選ばれる理由を探ります。
- 採用市場はターゲット層の数・転職動向・重視する条件を見る
- 競合企業は給与水準・働き方・採用メッセージを比べる
- 自社は事業の魅力・社風・成長環境・制度を棚卸しする
たとえば地方の中小企業が都市部の大手と同じ条件で戦っても、勝ち目は薄いでしょう。しかし3C分析で「地元で働きたい層」の存在や「経営者との距離の近さ」という強みに気づけば、訴求すべき方向が見えてきます。
ポイントは競合を同業だけに絞らないことです。株式会社VWCジャパンの髙林凌社長は『学生時代から若いうちに力をつけたいという思いが強く、リクルートや楽天のようなメガベンチャーを見ていました。』と語っています。成長志向の人材は、業界をまたいで「どこで力がつくか」を比べているのです。同じ職種を募集する異業種や大手ベンチャーも、競合として視野に入れておきましょう。株式会社VWCジャパン 社長インタビュー
経営者インタビュー
楽天を飛び出しベトナムへ。フリーペーパーの広告営業から始まった、私のWebマーケ挑戦記
株式会社VWCジャパン / CEO
髙林 凌
SWOT分析で採用上の強みと弱みを整理する
SWOT分析は、自社の採用力を内部と外部の両面から整理するフレームワークです。強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat)の4象限に情報を書き出します。
内部要因には給与水準や社風、成長環境などが入ります。外部要因には採用市場の需給や業界のイメージ、働き方の変化などが当てはまるでしょう。
SWOTの真価は、4象限を掛け合わせて打ち手を導く「クロスSWOT」にあります。たとえば「若手の裁量が大きい(強み)」と「成長志向の求職者が多い(機会)」を掛け合わせれば、成長環境を前面に出す訴求案が生まれます。
| 掛け合わせ | 考え方 | 採用での打ち手例 |
|---|---|---|
| 強み×機会 | 強みで機会を取りにいく | 成長環境を前面に出した求人原稿をつくる |
| 強み×脅威 | 強みで脅威をかわす | 大手と条件で競わず裁量の大きさで勝負する |
| 弱み×機会 | 機会を活かして弱みを補う | 柔軟な働き方を導入して給与差を補う |
| 弱み×脅威 | 最悪の事態を避ける | 離職リスクの高い職種から定着策を整える |
弱みも隠すのではなく、どう補うかまで考えておくことが大切です。選考の場で正直に伝えたうえで改善策を示せば、入社後のギャップを防ぐ材料にもなります。
PEST分析で外部環境の変化を読む
PEST分析は、自社ではコントロールできない外部環境の変化を捉えるフレームワークです。政治(Politics)・経済(Economy)・社会(Society)・技術(Technology)の4視点で整理します。
- 政治は労働関連の法改正や雇用に関する制度の変更
- 経済は景気動向や業界の成長性、賃金水準の推移
- 社会は働き方や仕事観の変化、人口構成の推移
- 技術は採用DXの進展やAIによる業務の変化
PEST分析は、中長期の採用方針を考える際にとくに役立ちます。たとえば「副業や柔軟な働き方を求める人が増えている」という変化を捉えれば、雇用形態の多様化を戦略に組み込めるでしょう。
法制度に関する情報は、厚生労働省など公的機関の発表で確認するのが確実です。採用に影響する変化を年に一度は棚卸しし、戦略に反映させる習慣をつけましょう。
採用戦略フレームワーク4選(採用設計編)
現状分析で方向性が見えたら、次は「誰に・何を・どう伝えるか」を具体化します。ここで紹介する4つのフレームワークは、求人原稿や選考設計に直結する実践的な型です。
採用4Pで自社の魅力を言語化する
採用4Pは、自社の魅力を4つの軸で棚卸しするフレームワークです。理念・仕事・人材・待遇の4観点から、候補者に伝えるべき価値を整理します。
- Philosophy(理念・目的)は、ビジョンや事業の社会的意義
- Profession(仕事)は、仕事内容のやりがいや成長機会
- People(人材・風土)は、一緒に働く人や組織の雰囲気
- Privilege(待遇・特権)は、給与・福利厚生・働き方の制度
中小企業ほど待遇以外の3つのPで差別化する意識が重要です。条件面で大手にかなわなくても、理念への共感や仕事の手触り感は強力な武器になります。
たとえば「社長と直接議論できる」「入社1年目から顧客の課題解決を任される」といった事実は、ProfessionやPeopleの魅力として具体的に書けるでしょう。抽象的な「アットホームな職場」よりも、場面が浮かぶ表現のほうが候補者に伝わります。
言語化した内容は、求人原稿・採用サイト・面接での説明に一貫して反映させましょう。媒体ごとに伝える魅力がばらばらだと、候補者は会社の実像をつかめません。
採用ペルソナで求める人物像を具体化する
採用ペルソナは、採用したい人物を一人の実在する人のように具体化するフレームワークです。年齢や経歴だけでなく、価値観・仕事選びの基準・情報収集の方法まで設定します。
ペルソナを作る理由は、社内の認識をそろえるためです。「コミュニケーション力が高い人」のような抽象的な要件では、経営者と現場で思い描く人物像がずれてしまいます。
- 基本情報(年齢・現職・経験年数)
- スキルと経験
- 価値観と仕事選びの軸
- 転職の動機と不安
- 情報収集の手段(媒体・SNSなど)
注意したいのは、必須要件を盛り込みすぎないことです。eLectio Raiseの木村英朗社長は『その後の再就職活動では10社以上の不採用を経験しました。理由として多かったのが、「資格がないこと」と「経験がないこと」でした。経験はすぐには増やせない。でも、資格なら自分の努力で変えることができる。』と語っています。経験や資格で一律にふるい落とすと、伸びしろのある人材を逃しかねません。入社後に取得を支援できる資格は「歓迎要件」に回し、育成制度とあわせて訴求する設計も検討してください。eLectio Raise 社長インタビュー
経営者インタビュー
中小企業に「社外経営管理部」という選択肢を。
株式会社 eLectio Raise / 代表取締役
木村 英朗
候補者ジャーニーで接点ごとの施策を設計する
候補者ジャーニーは、候補者が企業を知ってから入社するまでの心理と行動を時系列で整理するフレームワークです。「認知→興味→応募→選考→内定→入社」の段階ごとに、候補者の気持ちと企業側の打ち手を書き出します。
| 段階 | 候補者の心理 | 企業の打ち手例 |
|---|---|---|
| 認知 | まだ転職を具体的に考えていない | SNS発信・リファラル・インターンシップ |
| 興味 | どんな会社か詳しく知りたい | 採用サイト・社員インタビュー |
| 応募 | 応募の手間や不安を減らしたい | カジュアル面談・応募フォームの簡素化 |
| 選考 | 自分に合うか見極めたい | 面接での情報開示・服装自由など負担の軽減 |
| 内定 | 本当に入社してよいか迷う | 社員との面談・条件の丁寧な説明 |
| 入社 | 職場になじめるか不安 | オンボーディング・受け入れ体制の整備 |
ジャーニーを描くと、候補者が離脱しやすい場面や不安を感じる場面がわかります。たとえば選考段階では、面接時の服装を自由にしたりオンライン面接を選べたりするだけでも、候補者の負担は軽くなるでしょう。新卒採用ならインターンシップを「認知」の接点に位置づけ、本選考までの体験を一貫させる設計も有効です。
入社に至るきっかけは、求人媒体だけとは限りません。合同会社HIGH5の長谷川孔明社長は『私はそもそも、就活というものをしたことがないんですよね。大学を卒業してからは完全にニートで、正直に言うとパチプロをやっていました。そんな状態を見かねた親戚が面接の話を持ってきてくれて、一回やってみろということでアルバイトを始めたのが最初のきっかけです。』と語っています。知人の紹介やアルバイトからの登用など、就職活動の外側にも認知の入口はあります。ジャーニーの起点を広く捉えると、これまで接点のなかった層にも出会えるでしょう。合同会社HIGH5 社長インタビュー
経営者インタビュー
就活をしたことがない私が、倒産を経て教育とAIにたどり着くまで
合同会社HIGH5 / 代表取締役
長谷川 孔明
採用ファネルで歩留まりを改善する
採用ファネルは、選考の段階ごとに候補者数がどう減っていくかを可視化するフレームワークです。どこで候補者が離脱しているかを数字で把握し、改善すべきボトルネックを特定します。
- 母集団形成の指標は認知数・応募数・応募単価
- 書類選考の指標は書類通過率
- 面接の指標は面接設定率・面接通過率・辞退率
- 内定の指標は内定承諾率
- 入社後の指標は定着率
たとえば応募は多いのに面接辞退が目立つなら、応募から面接までの連絡スピードや日程調整に課題がある可能性が高いでしょう。反対に応募数そのものが少なければ、求人原稿や媒体選びを見直す必要があります。
ファネルの数値は採用KPIとして毎月追いかけるのがおすすめです。採用ファネルと候補者ジャーニーをセットで使えば、「どこで・なぜ離脱したか」まで踏み込んだ改善ができます。
採用戦略フレームワークでの立て方5ステップ
フレームワークは単体で使うより、順番に組み合わせることで効果を発揮します。ここでは採用戦略を立てる流れを5つのステップで整理しました。
- ステップ1 経営計画から採用目標を決める
- ステップ2 3C・SWOT・PESTで現状を分析する
- ステップ3 採用4Pと採用ペルソナでターゲットと訴求を決める
- ステップ4 候補者ジャーニーで手法と接点を設計する
- ステップ5 採用ファネルで計測しPDCAを回す
採用目標の設定と現状分析(ステップ1〜2)
最初に取り組むべきは、経営計画と採用目標をつなげることです。事業を伸ばすために「いつまでに・どの職種が・何人」必要なのか経営層とすり合わせて決めます。
採用目標は人数だけでなく、どんな役割を担う人材かまで定義しておきましょう。たとえば「営業職3名」ではなく「新規開拓を担える営業職3名」と書けば、後の要件定義がぶれにくくなります。
目標が決まったら、3C分析・SWOT分析・PEST分析で現状を整理します。いきなり全部を使う必要はありません。最初は3C分析で勝ち筋を探り、SWOT分析で打ち手を洗い出す組み合わせから始めるとよいでしょう。
ターゲット設計から改善まで(ステップ3〜5)
現状分析の結果をもとに、採用4Pで訴求ポイントを言語化し採用ペルソナで届ける相手を定めます。訴求と相手がそろって初めて、刺さる求人原稿やスカウト文面が書けるのです。
次に候補者ジャーニーを使い、どの段階でどんな接点を持つか設計しましょう。求人媒体・スカウト・リファラル・採用サイトなど、手法の選択はこの段階でおこなうのが正しい順番です。
最後に採用ファネルで各段階の数値を計測し、目標とのずれを確認します。応募数・面接設定率・内定承諾率などを月次で振り返り、ボトルネックから順に改善してください。戦略は一度立てたら終わりではなく、実行と検証を繰り返して磨き込むものです。
採用戦略フレームワークの選び方
7つすべてを毎回使う必要はありません。自社の採用課題に合わせて、必要なフレームワークを選ぶことが大切です。
採用課題の段階で選ぶ
結論からいえば、いま直面している課題がどの段階にあるかで選ぶのが近道です。課題と型がずれていると、分析に時間をかけても打ち手につながりません。
| 採用課題 | おすすめのフレームワーク | 理由 |
|---|---|---|
| 自社の強みや方向性がわからない | 3C分析・SWOT分析 | 勝ち筋と訴求の軸が見える |
| 求める人物像が社内でずれる | 採用ペルソナ | 人物像の認識をそろえられる |
| 応募が集まらない | 採用4P・候補者ジャーニー | 魅力の伝え方と接点を見直せる |
| 選考途中の辞退が多い | 採用ファネル・候補者ジャーニー | 離脱の場所と理由を特定できる |
| 中長期の採用方針を決めたい | PEST分析 | 外部環境の変化を織り込める |
たとえば応募が少ない企業が、いきなり採用ファネルの細かな分析に取り組んでも効果は限定的でしょう。まず採用4Pで魅力を言語化し、届け方を見直すほうが成果に直結しやすくなります。
企業規模や採用体制で選ぶ
採用担当者が少ない企業ほど、使うフレームワークを絞り込むことをおすすめします。多くの型を中途半端に使うより、2つか3つを深く使うほうが実務で活きるためです。
専任の人事がいない中小企業なら、3C分析と採用ペルソナ、採用ファネルの3つから始めるとよいでしょう。方向性・人物像・数値管理という採用の土台を最小限の工数で押さえられます。
一方で複数職種を並行して採用する企業は、職種ごとにペルソナとジャーニーを作り分ける必要があります。新卒採用でインターンシップを実施している場合は、参加者の動きも候補者ジャーニーに組み込むと全体像をつかみやすくなるはずです。
採用戦略フレームワーク活用の注意点
フレームワークは便利な一方で、使い方を誤ると「分析しただけ」で終わってしまいます。ここでは活用時に押さえたい注意点を整理しました。
分析で終わらせず実行と検証までつなげる
もっとも多い失敗は、分析シートを埋めることが目的化してしまうケースです。フレームワークはあくまで判断の材料であり、打ち手に落とし込まなければ採用成果は変わりません。
分析の最後には「誰が・いつまでに・何をするか」まで決めておきましょう。たとえばSWOT分析で「選考スピードが遅い」という弱みが見えたなら、「応募から24時間以内に連絡する」といった具体的な行動目標に変換します。
実行した施策は、採用ファネルの数値で効果を確かめてください。数値で振り返る仕組みがあれば、うまくいった施策を残し成果の出ない施策をやめる判断がしやすくなります。
経営層と現場を巻き込み定期的に見直す
採用戦略は人事だけで完結させないことが重要です。経営層は事業の方向性について、現場は活躍している人材の特徴について知見を持っています。
ペルソナや採用4Pを検討する段階で両者を巻き込めば、要件のずれや入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。面接官を務める現場社員が戦略を理解していれば、候補者へのメッセージも一貫するでしょう。
また採用市場や自社の状況は常に変化します。半年から1年に一度を目安に分析を更新し、ペルソナや訴求内容を見直してください。前回の分析と比べることで、自社の採用力がどう変わったかも把握できます。
採用戦略の実務を外部に任せる選択肢
フレームワークで戦略を描いても、実行する人手が足りなければ成果にはつながりません。ここでは採用実務を外部に任せる選択肢を紹介します。
戦略を実行に移すには工数がかかる
採用戦略を成果につなげるには、求人原稿の改善やスカウト配信、応募者対応などの実務を継続する必要があります。とくに人事がほかの業務と兼任している企業では、分析までは進んでも実行が追いつかないことが少なくありません。
こうした場合は、採用代行(RPO・採用BPO)で実務の一部を外部化するのも有効な手段です。依頼できる業務や費用感は採用代行とは?依頼できる業務や費用相場、メリット3つと選び方を解説で詳しくまとめています。ほかの企業の活用イメージをつかみたい場合は、RPO導入事例7選!成功企業に学ぶ効果・費用と失敗しない選び方も参考になるでしょう。
当社サービス「採用サポ10」の特徴と料金
具体例として、当社サービス「採用サポ10」を紹介します。採用サポ10は株式会社Myoshinが提供する定額制の採用BPO/RPOで、採用設計から応募獲得・選考運用までの実務を外部化できます。
専任の採用ディレクターが窓口となり、実行チームが求人運用・スカウト・応募者対応を担当します。全業務を0.25時間(15分)単位で管理し、何にどれだけ時間を使ったかを月次で開示する点が特徴です。
| プラン | 月額(税別) | 稼働目安 | 主な支援内容 |
|---|---|---|---|
| トライアル | 10万円 | 16.0時間 | 求人広告の運用・求人原稿の改善・応募数や応募単価の分析 |
| ライト | 20万円 | 33.25時間 | トライアルの内容に加え、スカウト配信・応募者対応・面接日程調整・候補者管理 |
| スタンダード(推奨) | 30万円 | 51.25時間 | ライトの内容に加え、採用戦略の設計・媒体や予算の最適化・選考プロセス改善・採用KPI分析 |
| プレミアム | 40万円 | 70.5時間 | スタンダードの内容に加え、人事担当者の育成・面接官研修・採用マニュアル作成・内製化支援 |
- 初期費用は15万円(税別)
- 最低契約期間は3か月で、プラン変更は前月20日までの申請で毎月可能
- 初期構築は2週間で戦略設計・求人票・スカウト文面一式・ターゲットリスト・テスト実行まで実施(作成物はすべて発注企業に帰属)
- 60分のヒアリング後、最短10営業日で稼働開始
- 求人媒体の掲載費・スカウト通数課金・広告費は月額費用とは別の実費
なお面接の実施・候補者の評価・採否の判断・雇用条件の確定は発注企業側でおこないます。面接代行と独自判断による書類選考も標準の支援範囲には含まれません。採用の意思決定は自社に残しつつ、作業量の多い実務を任せる形です。
スタンダードプランでは採用戦略の設計から採用KPI分析まで支援範囲に含まれるので、フレームワークで描いた戦略を実務に落とし込みたい企業は一度相談してみてください。採用サポ10の無料相談はこちら
採用戦略フレームワークのまとめ
採用戦略フレームワークは、場当たり的な採用から抜け出し再現性のある採用活動をつくるための「思考の型」です。最後に本記事のポイントを振り返ります。
- 採用戦略は「方針」、採用計画は「数値」、採用手法は「手段」という階層で考える
- 現状分析には3C分析・SWOT分析・PEST分析を使う
- 採用設計には採用4P・採用ペルソナ・候補者ジャーニー・採用ファネルを使う
- 目標設定から改善までの5ステップで組み合わせると効果が高まる
- 自社の課題と体制に合わせて使う型を絞り込む
- 分析で終わらせず実行と検証を繰り返す
大切なのは、フレームワークで描いた戦略を実行し続けることです。まずは3C分析と採用ペルソナから着手し、自社が選ばれる理由と届けたい相手を言語化してみてください。
戦略の設計から求人運用・スカウト・応募者対応までまとめて相談できるので、社内のリソースだけでは実行が追いつかない場合は当社サービス「採用サポ10」の無料相談を活用してください。採用サポ10の無料相談はこちら
採用戦略フレームワークのよくある疑問
最初は3C分析がおすすめです。採用市場・競合・自社の3視点で整理すると、自社が選ばれる理由と戦う場所が見えてきます。その後に採用ペルソナで人物像を具体化すれば、求人原稿やスカウト文面に落とし込みやすくなるでしょう。
必要性はむしろ高いといえます。知名度や待遇で大手と競うのは難しいため、理念や仕事のやりがいなど自社ならではの魅力を整理して届ける必要があるからです。採用4Pで魅力を言語化し、採用ペルソナで届ける相手を絞り込むと効果的でしょう。
半年から1年に一度を目安に見直すのが一般的です。採用ファネルの数値は毎月確認し、歩留まりに大きな変化があれば随時見直してください。事業計画の変更や採用市場の変化があったときも、見直しのタイミングになります。
採用代行(RPO)に依頼できます。戦略設計から求人運用・応募者対応まで任せられるサービスもあります。依頼範囲や費用の考え方は採用代行とは?業務範囲・費用相場と失敗しない選び方3つのポイントで解説しています。