プロバスケットボール界での挫折から、映像業界へ飛び込む
プロを目指して頑張った学生時代
私の学生時代を振り返ると、まさにバスケットボール一色に染まった学生時代でした。朝から晩まで練習し「絶対にプロのバスケットボール選手になるんだ」という強い信念のもと、プロのコートに立つ自分の姿だけを夢見て、日々の過酷な練習にも本気で打ち込んでおりました。しかし、プロへの道を志し、全てを懸け情熱を注いでいた最中、私は予期せぬ怪我に見舞われてプロの道を断念しました。その後は、アルバイトや現場作業など、全く異なる様々な仕事を経験する日々が続きました。
そんな自分に、人生の大きな転機をもたらしたのが、東日本大震災でした。あの未曾有の事態を目の当たりにし、「いつ何が起きても後悔しないように、だからこそ『今』というこの瞬間を最高に楽しんで生きよう」という、確固たる人生観へと変わっていったのです。
自分が心から「やりたい」と思えることは何か。そう自問自答した時に、ふと思い浮かんだのが「映像」の世界でした。当時、映像制作の経験など全くありませんでしたが、「とにかくやってみよう」と思い立ち、独学で映像の勉強を開始しました。そして、映像クリエイターという全く新しい未知の世界へ飛び込みました。
未経験から挑む映像の世界
しかしながら、映像の世界は未経験から始めてすぐに通用するほど甘いものではありませんでした。実績やポートフォリオが何一つない未経験の自分に対して、すぐにお仕事を任せてくれる会社などほとんどないというのが、当時の厳しい現状でした。プロとしての実力を証明し、ポートフォリオに載せるための確固たる実績を、まさに1から作り上げる必要があったのです。
そこでアパレル企業様に対して片っ端からご連絡を取り、「ファッションウィークの動画を、どうか無償で制作させてください」と自ら泥臭い営業をかけるという行動に出ました。ありがたいことに「無料なら」と何社かの企業様からお返事をいただくことができ、ファッションウィークの現場での撮影から映像制作までを無償で任せていただけるようになったのです。 この華やかな現場での経験を積んでいくと、その確かな実績と作品を他の企業様からも徐々に認めていただけるようになりました。次第にお声をかけていただくことが増え、プロとしてお仕事を任される機会が着実に増えていきました。
「伝わる」を「届く」へ昇華させる、クリエイティブ
フリーランスから会社の設立まで
映像クリエイターとしてのキャリアの初めは、フリーランスとして活動していました。主にブライダル映像やSNS向けの動画制作の分野で、一つ一つのお仕事に全力で向き合い、確かな実績を築き上げてきました。 中でもブライダルの映像制作は、私にとって「ストーリーを伝えていくこと」の重要性を深く学ぶ、非常に貴重な場となりました。この時の経験や映像に対する思いは、現在の会社の企業理念にも強く根付いています。
フリーランスとして十分な経験を積んだ後、現在の「4thclue株式会社」を設立いたしました。会社設立当時は、ちょうど世の中でショート動画が出始めた走り出しの時期でした。そんな中、いち早く台頭していた「C Channel」様からショート動画制作のご依頼をお受けするなど、定期的にお仕事をいただけるようになりました。 ちなみに、今回このような取材をお受けすることになったのも、C Channelの森川社長が過去に『ビジョン図鑑』様の取材を受けていらっしゃったご縁がきっかけです。こうした最前線の現場での経験を通じて、ショート動画やSNS向けの動画制作のノウハウをいち早く学ぶことができました。
4thclueが軸にしていること
現在、弊社が力強く掲げているのは、「想いを形にする制作会社」というビジョンです。私たちは、単に視覚的に美しいだけの映像を納品する制作会社ではなく、お客様のメッセージが「伝わる」ということを何よりも大切にし、ユーザーの皆様の心の奥底へしっかりと「届く」ものにすることを常に意識して動画制作を行っています。 「記憶に残るストーリー」を意識の根底に置き、企業様のブランドストーリー構築やマーケティング戦略と深く連動した、課題解決のための映像を生み出すことに注力しています。特に、現代のデジタルコミュニケーションにおいて不可欠となっているTikTokやInstagramなどの縦型・短尺動画、そして抽象的な概念を直感的に可視化するモーショングラフィックスなどの技術を駆使しております。これにより、採用活動やプロモーションなど、企業様が抱える多様な課題を映像を通して解決に導いています。
言語化できないを映像で伝わりやすくする工夫
多くの企業様が抱える「自社の魅力やサービスをうまく言語化できない」というお悩みにこそ、我々は深く寄り添いたいと考えています。企画やシナリオ作成の段階から、撮影、編集に至るまで、一貫した手厚いサポート体制をご提供しています。 中小企業ならではの円滑なコミュニケーションを活かし、大手企業様には真似できない圧倒的なスピード感と機動力を最大の武器としています。ブランドの真の価値をできるだけ引き出し、視聴者の心に刻まれる映像を生み出し続けることで、ありがたいことに現在では年間1000件以上もの制作実績を誇るまでに成長しています。
今後の挑戦
コミュニティ創出の強み
私自身の直近の構想として並々ならぬ熱を注いでいるのが、「Podcast」メディアの立ち上げです。これは今回の『ビジョン図鑑』様の取り組みと似ている部分もありますが、様々な業界の経営者の方々との対談を、音声だけでなく、映像も組み合わせて配信していくPodcastです。音声の魅力だけでなく、私の得意分野である「映像」も存分に活かしたPodcastを作っていきたいと考えています。 これから先の時代は、「コミュニティがある会社」こそが残っていくと私は考えており、そのためPodcastを通じてコミュニティ作りを強化していきたいです。単なるメディアとしての情報発信にとどまらず、そこから新たなビジネスや共感が生まれるような、熱量の高いコミュニティを作り上げることを目指しています。
アジアを見据えたグローバルな展望
さらに今後は、日本国内という枠組みにとどまらず、世界へと映像の可能性を大きく広げていきたいという展望を抱いています。映像には、「言語の壁を越えて直感的に人々の心を動かしていける」という素晴らしい力があります。そのため、アジア圏を中心とした海外展開を本格的に視野に入れております。 具体的に挑戦してみたいこととして、日本国内のアーティストの方々が海外で活躍できるよう映像で支援したり、翻訳なども取り入れて、日本のクリエイティブをグローバルに発信していく活動をしていきたいと考えています。 会社としても、世界でも活躍していける存在になることを目指しており、そのためにまずはアジア圏の中でフィリピンやインドネシア、タイなどの市場を視野に入れ、挑戦を続けていく予定です。
学生へのメッセージ
自分のやりたいことが見つからないなら、無理に見つけなくていいと思っています。僕もバスケットボールで挫折した後、いろんな仕事にトライしたりした後に、未経験で映像を始めようと決めました。最初は報酬なしで仕事を取りに行ったり結構泥臭いこともしていました。でも、振り返るとその遠回りが全部今につながっていると感じます。
なので、考えすぎるより一回やってみる。そしてダメだったら次に行ってみる。
そう試行錯誤しながら人生、意外とそのくらい雑に動いた方が面白くなると思います。
編集後記
長谷川さんのプロのバスケットボール選手を目指していた学生時代や挫折した話、未経験で映像で企業された経緯が聞いていて他の方と異なる経験で大変興味深かったです。未経験でも初めは報酬なしで実績を作れていたこと、泥臭く努力することにより、得られた仕事や経験が今の仕事につながってることもわかりました。映像の可能性を誰よりも信じ、ただ映像を作るのではなく、映像を「伝わる」から「届く」までを大事にし、ストーリーテリングの大事さを常に意識されているのが印象的でした。映像に対しての情熱が誰よりもあり、今後もその情熱でPodcastでのコミュニティ作りや、日本国内だけでなく映像の可能性を世界まで広げていかれることを楽しみにしております。