株式会社dazzlyで代表取締役をしております、筒井千晶です。IT・DX組織特化型の企業変革コンサルティングを手がけており、事業変革や組織変革に伴走する仕事をしています。もともと独立するつもりはまったくなかったのですが、気づけば今のような働き方にたどり着いていました。
独立するつもりはなかった
会社も仕事も好きだった
大学を卒業したあと、いわゆるSIerと呼ばれる会社に入り、マネジメントの立場でプロダクト開発やシステム開発にずっと携わっていました。仕事自体もとても好きでしたし、今も好きです。会社のことも本当に好きだったので、独立しようとは考えていませんでした。自由にのびのびとやらせてもらい、やりたいことができているという感覚もありましたし、新しい経験もたくさんさせてもらっていたので、結構長く勤めていました。
些細なずれが独立のきっかけになった
ただ、どこかでふと、このまま行くと自分が本当にやっていきたいことと、会社から求められることのあいだに、今はほんのささいなずれかもしれないけれど、この先大きなずれになっていくのかもしれないという、漠然とした思いが生まれてきたんです。だから独立しようという強い思いというよりは、どうしようかなと悩んでいるうちに、周りからの後押しもあって、一度独立してみようかなというくらいの感覚で決めました。
言語化してみると、会社に勤めている限りは会社の事情や都合、組織的なものがどうしてもクライアントとの向き合い方についてまわります。私は、そういうものを抜きにした第三者的で中立な立場で、クライアント先の事業や組織そのものに向き合いたかったんだと思います。自社のサービスや利益ありきの関わり方ではなく、クライアント先の事業組織にとって何がいいのか、一緒に何を考えていけるのかを、ずっと相手の現場で明確にしていきたいという思いがあったのだと思います。
フリーランスを経て法人化した
独立してからはしばらく個人事業主として活動していました。もともとIT業界はフリーランスや独立をする人が多く、まずはフリーランスとしてやってみようと動き出し、その後法人化しました。
山場は日々ある
独立してから山場を超えたエピソードを聞かれると難しいのですが、正直なところ、山場は日々あるという感覚です。不安に飲み込まれそうになることは常にあります。焦ってもどうにかなる話ではないので、できることをとにかくやるしかないと思いながらやってきました。「このまま行ったらこの先この仕事がなくなるかもしれない」「いつまでにどうにかしなければいけない」という気持ちは常にありますが、できることしかできないと思いながら、日々向き合っています。
クライアントと一緒に考える仕事
変革の伴走者として
現在手がけているのは、人材育成や人材開発、組織開発、DX(ディーエックス)推進といった変革の支援です。事業変革や組織変革といったほうが分かりやすいかもしれません。そうした変化に対して、施策ありきではなく、変わっていかなければいけない、変わっていきたいと考える人や組織の、今の現在地がどこにあり、どこを目指していきたいのかというところから、一緒に関わらせてもらっています。
会社員だったころも伴走という意味ではスタンスは変わっていないかもしれませんが、当時はプロジェクトの現場で動くプロジェクトマネージャーとしての立場が大きかったように思います。今はもっと、人や組織そのものにフォーカスして関わらせてもらっている感覚です。
正解のない問いに向き合い続ける
ずっと現場でやってきた中で感じているのは、これをやればいいという正解のようなものはないということです。組織ごとに正解は違いますし、時代の流れとともに何が最適なのかも変化していきます。だからこそ、答えを出すというよりも、一緒に考えて向き合い続けることを大切にしています。現在は4〜5社ほどを継続して支援していて、ビジネスパートナーと一緒に関わらせてもらっていることもあります。
自分が笑っていられる状態でいること
会社をこうしていきたいという崇高な目標は、正直あまり思い描いていません。それよりも大切にしているのは、自分が笑っていられる状態でいることです。それから、少なくとも自分が関わらせてもらっている周囲の人たちも、笑っていられる状態であることです。ビジネスなので利害はどうしても発生しますが、そのエネルギーがきちんと循環している状態でありたいと思っています。自分自身がいい状態でなければ、いいものはつくれませんし、周りの人たちにとってもそれは同じだと思います。
学生へのアドバイス
自分なりの軸を持つこと
情報化社会と言われ、AI(エーアイ)が今後どうなっていくかも見通せない中で、それが豊かな方向に進むのか、息苦しい方向に進むのかは正直まだ分からないと思っています。生きていれば理不尽なことや不合理なことと向き合っていかなければならない場面がたくさんあります。そうしたときに、自分なりの軸のようなものがあると、支えになるはずです。軸があるからこそ、物事を自分なりに解釈できますし、他人のことも理解しながら、違いを分かったうえで過ごしていけるようになると思います。
AIに主導権を渡しすぎない
AIとの付き合い方についてもよく聞かれるのですが、私は業務効率がどうこうという話より、AIとどう共存していくかという話だと捉えています。使い方次第でいろいろな方向に進んでしまうものだからこそ、AIに主導権を渡しすぎないようにしながら、AIのよさを引き出すにはどうすればいいかを考えることが大事だと思います。そのためには、結局自分は何がしたかったんだっけ、というところに一度立ち戻ることも必要になってきます。ほかのテクノロジーとは違う向き合い方が求められる分野だからこそ、適材適所で使いこなしていけるといいのではないでしょうか。
この会社のよくある質問
どのような企業を支援していますか? BtoB(ビーツービー)の事業を展開する企業を中心に、事業変革や組織変革に取り組みたいと考えている企業を支援しています。まだ顕在化していない課題感に対して、どうアプローチしていくかを一緒に探っていくスタイルです。
仕事をするうえで大切にしていることはなんですか? 答えをこちらから示すというより、クライアントと一緒に考えて向き合い続けることを大切にしています。組織ごとに正解は異なりますし、状況とともに最適な形も変わっていくと考えているからです。
編集後記
筒井さんのお話を伺って、印象に残ったのは「崇高な目標より、自分が笑っていられる状態を大事にしたい」という言葉でした。就職活動をしていると、つい壮大なビジョンばかりに目が向きがちですが、自分自身が心地よくいられることが、結局は周りにもよい影響を与えていくのだと感じました。AIとの付き合い方についてのお話も、これからの時代を生きる私たち学生にとって、とても参考になるお話でした。あわせて、自分なりの軸を持つことの大切さも、これからの就職活動に活かしていきたいと思います。