創業のきっかけ
監査法人での14年間
私は監査法人と呼ばれるところに、14年間在籍していました。監査法人というのは会計士の集まりで、いわば専門家の集団です。私はそこでIT責任者を担当していて、専門家のみなさんの働き方を支える立場にいました。
会社という組織は、法律にのっとってより効率的に働かなければなりません。そのためにはDXが欠かせないと感じるようになりました。あわせて、企業情報をたくさん預かる仕事でもあるので、セキュリティを大切にしていく必要があると強く思うようになったんです。
デジタルで支援する決意
そうした思いから、株式会社デジパートナーズを創業しました。監査法人での経験があったからこそ、専門家を支える仕事の価値を実感していて、それを自分の会社でもかたちにしたいと考えました。
事業内容とビジョン
セキュリティは経営課題
昨今、サイバー攻撃をはじめとした被害が国内で相次いでいます。ニュースになるのはほんの一部で、実際には多くの中小企業が同じようなリスクを抱えているという印象です。だからこそ、DXとセキュリティの両方を支援できる体制をつくることが、私たちの役割だと考えています。
ITは使えてこそ意味がある
IT業界というと、給料がいいというイメージを持たれることが多いと思います。ただ、知っているだけでは意味がなくて、使えるようにならなければなりません。今は熟練者のノウハウをAIが学んでくれる時代なので、それをいかしながらクライアントを支援していきたいと考えています。
結果として低コストでコンサルティングを提供しながら、そこで働くメンバーの給与は一般の企業より高い水準を目指したいと思っています。セキュリティの分野は、経済産業省が掲げる重要な分野のひとつでもあるので、今後この領域に積極的にかかわる仲間を増やしていきたいです。まだ3期目なので、すぐにとは言えませんが、少しずつ予算を確保しながら、みなさんと一緒にコンサルティング活動をしていけたらうれしいです。
大切にしている3つの姿勢
待つ仕事はしない
私が大事にしているのは「能動性」「既存価値からの脱却」「プロ意識」の3つです。仕事は待っていても始まりません。自分から手を取りに行く人は、私たちの業界だとすぐに即戦力になります。コンサルティングという仕事は、活動した分がそのまま給料につながるわけではなくて、できる人がたくさんもらえるという昔ながらの特色があります。
頑張った先に価値を届ける
決められた仕事をこなすだけの「既存価値」ではなく、お客さまやメンバーに歩調を合わせながら、付加価値をどんどん高めていける人が必要だと感じています。学生時代は頑張ったことが評価されますが、社会に出ると、いかに価値を出したかが問われます。この価値の持ち方をしっかり意識できる人は、確実に伸びていくと思っています。
学生時代に学んだこと
住み込みバイトの日々
私は地元の中部大学という大学を卒業しました。35年も前のことなので細かいことはあまり覚えていませんが、たくさんアルバイトをしていたことは記憶に残っています。夏休みの2ヶ月間、長野県で住み込みをしながら、キャディのアシスタントを60日ほど続けたこともありました。そのほかにも事務作業など、ありとあらゆるアルバイトを経験しました。
いろいろな業種で働いたことで、さまざまな考え方に触れられました。自分の考え方だけでなく、まわりの考え方を吸収しながら、お客さまにはこう対応しよう、上司にはこう対応しよう、と考える力が身についたように思います。これが今の伴走支援、お客さまに合わせた対応につながっている感覚があります。
高齢化社会を論文に
卒業論文では、高齢化社会をテーマに書きました。私たちの世代を支える高齢者の人数が逆三角形になっていく現実があって、社会保険なども含めて大変な状況になると考えたんです。それを解消する方法として、定年制を廃止してもっと長く働いてもらう仕組みを提案した記憶があります。
学生へのメッセージ
年齢は関係ない時代
学生のみなさんに伝えたいのは、能動的であること、自己研磨をすること、そしてプロ意識を持つことです。今は足りない知識をAIで補える時代なので、自分で学ぶ姿勢さえ持てれば、年齢に関係なく活躍できる土台があると感じています。
大手企業も中堅企業も、以前のような年功序列ではなくなってきています。若い人の意見を取り入れる場面も増えていて、実力を発揮しやすい世の中になってきました。社会人になったら、1年目でも30年目でも同じ土俵だという気持ちで、堂々と取り組んでもらえたらと思います。
自分なりの付加価値を
働くことは、お金をもらうためだけのものではありません。自分の価値をどう高めて、その対価を得るのかという考え方を持ってもらえると、この先も生きがいややりがいにつながっていくはずです。そういう意識を、学生のうちから少しずつ育てていってもらえたらうれしいです。
誰にも負けない強み
「伴走支援」というかたち
私たちは、いわゆる「引率型」のコンサルティングをするつもりはありません。企業ごとにできることを、できるようにする支援を積み重ねています。多くのお客様と長期的なお付き合いをいただいています。ひとつできるようになると、次にやりたいことが見えてきて、それをまたできるようにしていく。こうしてつながっていく伴走支援のかたちこそ、私たちの強みだと思っています。
若手にチャンスを、正当な還元を
メンバーには若手もいれば、私のようなベテランもいますが、みな並行して案件に取り組んでいます。案件によっては20代のメンバーが中心となり、そうした若手はどんどん伸ばしていきたいと考えています。メンバーへの正当な還元を大切にしているのも、この考え方のあらわれです。
編集後記
今回、白岡さんのお話をうかがって、印象に残ったのは「使えてこそ意味がある」という言葉です。知識をインプットするだけで満足しがちな自分自身にも、重なる部分がありました。監査法人時代の経験を土台に、伴走支援というかたちで中小企業に向き合う姿勢から、価値を出す難しさとおもしろさを教えていただいたように感じます。学生のうちから能動的に動く大切さを、あらためて考えさせられるインタビューでした。