インタビュー

売上0円の1年目から、アプリとAIの波に乗るまで

売上0円の1年目から、アプリとAIの波に乗るまで
PROFILE
株式会社アンドエーアイ 代表取締役社長
西真央

株式会社アンドエーアイで代表取締役社長をしている西真央です。弊社では、Flutter(フラッター:Googleのアプリ開発ツール )を使ったアプリ開発の受託と中小企業向けの勤怠管理システム「カンリル」の自社運営をおこなっています。2018年にアプリ開発の会社として創業し、2023年に社名を変えてからはAIにも力を入れてきました。

創業の経緯

Webからアプリの世界へ

私は大学を中退しています。最初に勤めた会社は、商品企画や美容系商材の販売、Web制作などを手がけていて、私はWeb制作やWebデザインに携わっていました。

弊社を立ち上げたのは2018年です。当時は、「TikTokが流行り始めていた」時期で、LINEもユーザー層を拡大させてきていた時期でした。そのため、「今後はアプリの時代が来る」と感じ、「Webではなくアプリをやってみたい」と思い、会社を立ち上げました。

起業は目的ではなく手段

学生時代は、起業を意識していませんでした。「起業したい理由があった」のではなく、「やりたいことをかなえる手段として起業にたどり着いた」というのが、正直な感想です。

大手向け受託と自社サービス

創業時からアプリ開発を続けてきて、現在は2つの事業を軸にしています。ひとつはアプリ開発の受託で、基本的には大手企業様向けの大規模なアプリ開発が多いです。もうひとつは勤怠管理システムの「カンリル」で、こちらは中小企業様向けに展開しています。6年目くらいに従業員が10人ほどまで増えてきたことが、自社サービスの取り組みのきっかけです。

売上0円からの再出発

1年目の売上はほぼ0円

1年目は、「売上がほぼ0円」でした。当初は受託をせず、「自分たちで開発したアプリを世に出し、それが流行ったり広まったりすればいいな」というくらいで会社を始めたことも大きかったと思います。しかし、「自分たちの作りたいものを作る」では、全く売上が立ちませんでした。その結果、「資金を切り崩しながら事業を続けて」いったこともあり、「一番しんどい時期だった」と思います。

真似から始めた受託開発

お恥ずかしい話にはなりますが、「市場調査をしないまま会社を作ってしまった」結果、「どうやって売上を立てていくか」まで考えられていませんでした。しかし、「1年やった」ことで、「そもそも会社としてのやり方が間違っている」ことに初めて気づけました。そこから、「他のアプリ開発会社がどうやって事業活動をしているのか」を調べ、「受託」という手法を知りました。最初は勝手も分からないため、上手くいっている他社の真似をするところから始めました。すると、2年目から少しずつ売上が立つようになり、今に至ります。

アプリ×AIという強み

2023年、AIを社名に

2023年にChat GPTが一般にも広まってきた頃合いに、「アプリの次はAIの時代が来るな」と感じました。そこで社名を「&AI(アンドエーアイ)」へ変更し、合わせてリブランディングもし、事業にAIを活用していく方向へと舵を切りました。「絶対にこの先大AI時代が来る」という直感が働いたこともあり、「最初のうちに波に乗っておくべきだ」と考えた結果です。弊社としては、かなり大きな方針転換だったと思います。

Flutter×AIの掛け算

かなり早い段階でAI業界に足を踏み入れたこともあり、アプリ開発とAIのシナジー(相乗効果)をうまく生かした事業展開ができていると思います。元々「Flutterでおこなってきたアプリ開発に、早い段階からAIを掛け算で取り入れてきた」ことが、弊社の強みですかね。

新しい技術を試せる環境

言うまでもなく、最新技術を追っています。弊社は元々が「システム開発会社」のため、エンジニア職のメンバーが多いです。エンジニアは、「新しい技術が出てきたら試してみたくなる」という職人のような視点を持ち合わせている人が多いのか、「新しいことにもどんどんチャレンジしたい」というタイプが多いようにも思います。会社としても新しいことへの挑戦ができている分、彼らにとっての「良い働き方にも繋がっている」のかなと思います。

失敗の数だけ続けてきた

アプリ開発もAIも、思っていたよりも「だいぶ早い段階でうまいこと波に乗れて」はいます。ただ、「時代の波が来る前に早めに舵を切ってしまい、失敗したこと」もたくさんありました。「失敗を重ねながらもチャレンジを続けてきた」からこそ、こうして「当てられたものもある」のかなと思っています。「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」ではないですが、私自身、それなりに挑戦は続けてきたと思っています。

次の柱となるAI推進

企業とワンチームでAI推進

この先、「次なる大きな事業の軸にしていきたい」のは、「AI推進室」と名付けた「企業様のAI推進を支援するサービス」です。「AIを活用したいけれど担当者がいない」、「何から始めればいいのかわからない」、「具体的に活用したい場所はあっても専門的な知識がない」などの困り事を抱えた企業様に弊社が助太刀に入ることで、ワンチームでAI推進をおこなっていくサービスを展開しています。

少数精鋭で売上1億円へ

従業員規模をどんどん増やしていくというよりも、「品質重視でいきたい」と思っています。だから、この先も「少数精鋭で売上を伸ばしていきたい」ですね。先ほどお話した「AI推進支援事業」は、今年始めたばかりのため、まずは今ある事業で、仮にですが「1億円くらいの売上」を目指していければ、やがてどれもが「しっかりとした事業になっていく」のかなとは考えています。

営業ゼロで選ばれる理由

実績が今後の売上に繋がっていく実感があるため、まずは小さくても構わないので、「実績をどんどん積み上げていきたい」と考えています。実は弊社は、「開発事業の営業を全くしていない」のです。その代わり、「メディアに取り上げていただいたり、講演会などに登壇したりすることでみなさまに認知をしてもらい、ホームページの問い合わせ経由で新規のお客様と出会って」きました。そのため、「今後、新しい事業を始めたとしても、このスタイルを続けていきたいな」とも思っています。

学生へのメッセージ

いろいろな会社を知っておく

学生のみなさんには、卒業してから何十年という長い仕事人生が待っています。会社や業種によって事業の進め方は全く違いますし、起業を目指す方にとっても、「この会社はこういう考えを持って事業をやっているんだ」など発見は、十人十色でしょう。しかし、「いろいろなことを知って、経験も積んでおくこと」は、「学生のうちにやっておくべきこと」かなと思います。

接客業で学んだ人との接し方

個人的に「意外と役に立っている」のが、「接客業をしていた経験」です。弊社はIT企業ですが、「人を大事にしよう」という思いは強いです。どんな会社であっても、最終的には、「人対人のやりとり」が「売上や営業活動に繋がって」いきます。「どう接したら相手に納得していただけるか」などを身につける場として「接客業は向いている」というのが私個人の見解です。「接客の経験をする」だけであれば、飲食業でも販売系でも構いません。実際、私は「人と会う仕事」に関しては、「経験しておいて良かった」と思っています。

エンジニアのインターンも歓迎

採用は強化していて、特にエンジニア職は常時募集しています。社会人の方は中途採用、学生の方にはインターンも受け付けているため、エンジニアとして挑戦してみたい方はぜひご連絡ください。本社は東京にありますが、インターンに関して言えば、完全リモートでも問題ありません。そのため、関東地方以外の学生さんも大歓迎ですよ。

ちなみに、SNSやnoteでのブログ更新も積極的におこなっています。InstagramやYouTubeなどで会社名を調べていただければ、弊社の雰囲気を掴んでいただきやすいかと思います。

この会社のよくある質問

どんな人が向いていますか?

「新しい技術が出てきたら試してみたい」、「どんどんチャレンジしたい」というタイプの方は合うと思います。IT企業ですが「人を大事にする会社」のため、「人との関わりを大切にできる方」であればなお嬉しいですね。

学生でも関われますか?

エンジニアの学生インターンを受け付けています。インターンであれば完全リモートでも問題ないため、お住まいの地域に関係なく関わっていただけます。

これからどんな事業に力を入れていきますか?

「企業様に対するAI推進支援サービス」を次の大きな事業の軸にしていきたいと考えています。アプリ開発で培ってきた技術とAIを掛け合わせ、企業様とワンチームで取り組んでいきます。

編集後記

「1年目の売上はほぼ0円だった」という言葉に、驚きを隠せませんでした。さらに、「思い切った社名変更」や「営業ゼロでも選ばれている」今の姿には、仕事に対する誇りを感じました。

私自身も少しビジネスに関わっていますが、上手く行かない時に、「やり方そのものを疑う前に手を止めて」しまいがちでした。西さんの「それなりに挑戦は続けてきた」というお話からは、「時代の波に乗れるかどうかは挑戦してきた数で決まる」と教えていただきました。「接客業の経験が今に生きている」というお話も含め、目の前の経験を一つひとつ大切にしていきたいと思いました。貴重なお話をありがとうございます。