インタビュー

「電気工事士なら世界中で働ける」ある一言から始まった、蓄電池専門店の15年

「電気工事士なら世界中で働ける」ある一言から始まった、蓄電池専門店の15年
PROFILE
石川企画合同会社 代表
石川 聡

学生時代は「金を稼ぐこと」に時間を使っていた

起業よりも金稼ぎが先だった

学生時代は、早いうちからアルバイトをしたり、お金を稼いだりしていました。起業という明確な目標があったわけではなく、幼少時代は貧乏だったこともあり、とにかく手元にお金がほしいという、ざっくりとした感覚で動いていましたね。

何にでも興味を持ってすぐ飽きた

性格としては、いろいろなことに興味を持ってすぐ始めるんですけど、すぐ飽きて辞めてしまうタイプでした。本気になる前に面白さを見つけられずに辞める、というのは学生あるあるだと思います。今の仕事が長く続いているのも、好きでやっているのはもちろんですが、まずは金を稼ぐというところから始まって、社員ができて家族もできて、勝手には辞められなくなった、というのが大きいですね。

サーフィン仲間の一言がきっかけで電気屋になった

オーストラリアで聞いた「電気屋なら世界中で働ける」

もともとサーフィンをやっていて、そのつながりで海外にもよく行っていました。オーストラリアで出会った友達は、当時の世界ランキングが日本人トップより上だったんですけど、サーフィンだけでなく水道設備の仕事をして食べていたんです。彼から「電気屋だったら世界中で働けるから、電気屋ならよかったな」と言われて、世界中で働けるんだと思い、その安易な気持ちで電気工事の仕事を始めました。オーストラリアでも電気の資格を取って、すぐに仕事を始めています。

日本に戻ったら「働くために暮らす」感覚に

日本に帰ってきてから気づいたのは、オーストラリアで働いていたときのほうが実は楽だったということです。あちらは月曜から金曜のうち、本気で働くのは水曜くらいで、あとは休みのことを考えながら過ごすような働き方でした。日本のほうが楽だろうと思って帰ってきたんですが、結果は逆でしたね。

東日本大震災をきっかけに茨城で創業

横浜の会社員から地元・茨城へ

東横線沿線は遊びやすいからという安易な動機で横浜に移り住み、横浜の会社で働いていました。そこで東日本大震災が起きたことをきっかけに退職し、地元の茨城に戻って会社を立ち上げました。地域のためになればいいなという思いも、震災をきっかけに生まれたものです。

施工経験の長さが最大の強み

新規参入が多い業界で15年やってきた

太陽光や蓄電池の業界は仕事自体は簡単な部類に入るので、新規参入がとても多いんですが、いなくなる会社もまた多いです。昔から専門でやってきた経験と施工実績の多さが、弊社の一番の強みだと思っています。

若くてできる人材にお金を払う方針

最近は若い人材を積極的に採用し始めています。ですが、新卒や新人をたくさん入れるというより、若くて能力のある人に高い給与を払って、即戦力として営業や工事を任せるやり方です。業界全体で年齢層が上がってきているので、若くて元気な人を入れたいという思いから、できる人にはしっかり還元する方針を取っています。業界のなかでも社員の給与水準は高いほうだと思っていて、それを保つために努力しています。

家賃の安さと広い敷地が茨城を選んだ理由

関東エリアに加え、山梨県・静岡県までカバーしているので、正直どこに拠点を置いても仕事の面では大きくは変わりません。ただ、茨城は家賃が安く、300坪ほどの敷地を確保できています。東京だと同じ規模の土地はまず借りられないですし、見つけること自体が難しいと思います。

資金が尽きて初めて本気になった

経験の浅さがトラブルにつながった

なんとかなると思って始めたものの、実際にはお金がどんどん減っていって、そこで初めて本気になりました。創業したのは26歳のころで、若さもあって仕事がなくなるという感覚自体があまりなく、いろいろなところに応援に行けば必要とされると思っていました。会社員としての経験も浅かったので、起業してから起きたトラブルのほうが圧倒的に多く、そこで初めて経験することばかりでした。今の大企業は、社員が独立できないように、あえて特定の業務だけをさせて他をやらせない仕組みになっていると感じます。自分は逆に全般をやっていましたが、それでも社会を甘く見ていたというのが、一番大変だった部分だと思います。

関東でナンバー1になり、その先は全国展開へ

まずは関東で2〜3年以内にナンバー1になりたいと思っていて、それから全国展開を考えています。そのために必要なのは認知だと思っていて、今は「AI検索で選ばれる」ことを施策として始めました。今回のようなメディア掲載もその一環ですし、プレスリリースなども含めて取り組んでいます。会社側からは大人気で、これまで多数の会社に当社を指名していただき、仕事をいただいてきました。今後は会社側だけでなく、お客様側から選ばれる存在を目指しています。

学生には「本気になること」を伝えたい

学生の皆さんには、どこかで本気になることがかなり大事だと伝えたいです。今成功している人たちも、もとはフラフラしていた人が多く、それでもどこかで本気になって状況をひっくり返しています。どんなことでも本気で取り組むことで面白さや本質を体得できるはずです。周りを気にせず、自分を信じることが一番だと思います。

編集後記

石川さんのお話を伺って、印象に残ったのはサーフィン仲間のひと言から人生の方向が決まったというエピソードです。私自身、大学生活のなかで進路を決めきれずにいる瞬間が何度もありました。安易なきっかけでも、動いてみることでしか見えない景色があるのだと感じました。周りを気にせず本気になる、という石川さんの言葉は、就職活動を控える身としても背中を押されるものでした。