インタビュー

成長し続けたい。その思いから、世界水準の企業創りへ挑む

成長し続けたい。その思いから、世界水準の企業創りへ挑む
PROFILE
株式会社クウゼン 代表取締役CEO
太田匠吾

創業の経緯と事業内容

起業を志した大学時代

起業に興味を持った一番のきっかけは、大学時代にまで遡ります。当時「アントレプレナー道場」というプログラムがあり、そちらへ参加したことで、起業というものに強く関心を持つようになりました。ただ、その時点では、これといったビジネスアイデアは持ち合わせていませんでした。そもそも社会人の経験もなかったので、まずはその経験を積もうと考えたのが、キャリアのスタート地点でした。

社会人経験を先に積む

新卒では、証券会社のJPモルガンに入社しました。その後、産業革新機構のファンドに転職し、そこから起業した、という流れです。はじめは将来の起業を見据え、個人の実力と経験値を短時間で高められる環境を選びました。JPモルガンに入社できたのは本当に幸運なご縁のおかげで、今でも感謝しています。

知財事業からのピボット

最初に立ち上げた事業は、今とは違うものでした。父が弁理士で、特許や商標といった知的財産を扱う仕事をしていた影響もあり、その分野に興味がありました。そこで、知的財産の領域で、専門家と企業をマッチングするクラウドソーシングの仕組みを立ち上げました。ただ、半年ほど運用してみて、これはあまりスケールしなさそうだと直感で感じる場面が増えてきました。そこで一度ゼロベースで考え直し、今の事業にたどり着いた、という経緯になります。

LINEをはじめとする多様なチャンネルで対話を自動化

弊社が提供しているのは、LINEやSMS、メール、音声といった手段を使って、お客さまとのコミュニケーションを自動化するクウゼン(KUZEN)というプラットフォームです。自動化によって、お客さまの満足度を高めることと、業務を効率化することの両方を叶えています。私たちは製品を「顧客エンゲージメントプラットフォーム」として打ち出していて、主にBtoCの企業さまにご利用いただいています。

世界水準の企業を目指して

原動力は世の中の変化

私たちは「世界水準の企業を創る」というビジョンを掲げています。その原動力となっているのは、日本から世界へ挑戦する企業が増え、それが当たり前になるような変化を自分たちの手で創り出したい、という強い思いです。BtoCの企業さまのコミュニケーションを支えている会社として、ファーストリテイリング社(ユニクロ)のように世界的なインパクトを与える企業を目指したいと考えています。単に売上や社員数といった会社の規模だけでなく、社会に与える影響度や価値の大きさにおいても、高い水準を目指していきたいと考えています。

ユニクロの話から学んだこと

JPモルガン時代に、ファーストリテイリング社(ユニクロ)と仕事をしていた方から聞いた話があります。私が直接その場にいたわけではないのですが、ファーストリテイリング社代表の柳井さんが。あるカンファレンスで「GAPを超えて世界一になる」とおっしゃったそうです。当時はまだユニクロを知らない方のほうが多かったかもしれません。会場の反応は失笑に近いものだったと聞いています。しかし、一見すると実現が難しそうに思える大きなビジョンでも、本気で語り切り、それを現実にしていく姿勢に、私は強く心を動かされました。

上場は通過点

現在、将来的な株式上場に向けて準備を進めています。ただ、上場そのものがゴールだとは考えていません。そこから先のほうが、道のりはずっと長いはずだからです。そのため、上場そのものよりも、上場後にどう成長していくかが大切だと思っています。

学生へのメッセージ

「成長」という言葉に行き着いた

会社を起こすとき、自分は心の底から何がしたいのかを考え抜きました。最終的に落ち着いたのが「成長」という言葉です。私自身、成長することにとても喜びを感じますし、70歳や80歳になっても成長し続けたいと思っています。会社も同じで、いつまでも成長を目指してほしいですし、そこに集う人たちも成長できる環境にしたいのです。自らの成長を楽しめる方にとって、クウゼンはまさに挑戦しがいのある最高の環境だと思います。

できない理由は増えていく

学生の皆さんへ伝えたいのは、できないことができるようになる喜びや、より難しいことに挑戦する経験が、人生を豊かにしてくれるということです。そういう場に身を置くことが、これからの人生をより良くしていくと思っています。人はできない理由を見つけるのが上手なので、年齢を重ねるにつれて、結婚や住まい、家族のことなど、さまざまなライフイベントが重なり、挑戦へのハードルは上がっていきがちです。人はできない理由を見つけるのが上手だからこそ、挑戦するなら早いほうがいいと、今振り返って強く感じています。

一流の方たちと働く環境

JPモルガンで得られた最も大きな資産は、一緒に働く人々に恵まれた環境そのものでした。社内の方々も優秀で尊敬できるプロフェッショナルばかりでしたし、一緒にプロジェクトを進める弁護士事務所や会計事務所も、いずれも日本を代表する一流どころです。そういう方たちと働くとはどういう世界なのか、その仕事のクオリティがどのレベルなのかを肌で知れたこと、本当に良かったと思っています。そして、今でも、その時のご縁は続いています。

編集後記

「成長」という言葉に行き着くまでに、太田さんがご自身の原点と何度も向き合ってこられたことが伝わってきて、胸が熱くなりました。私も学生起業に少し関わっているので、「人はできない理由を見つけるのが上手」という言葉にはどきっとさせられました。ユニクロのエピソードのように、周囲に笑われても大きなビジョンを語り切る姿勢も、私たち学生にとって大きなヒントになりました。まずは小さな挑戦から、環境に身を置くことを意識してみたいと思います。