インタビュー

安定経営を手放し、アメリカ移住→新ビジネスを立ち上げた理由

安定経営を手放し、アメリカ移住→新ビジネスを立ち上げた理由
PROFILE
株式会社マスドライバー 代表取締役
牧野 徹郎

“広告費0で500万ダウンロード”から始まったキャリア

2015年、最初の起業

私が最初に起業したのは、2015年9月のことです。今も続けている会社で、ゲームやアプリ、エンタメを自社で企画・開発しています。2010年頃からmobageやGREEが火付け役になってモバイルゲームが流行ってきました。ただ起業する頃には、日本の市場があまり元気じゃなくなってきていて、いささかですが逆境でのスタートになったのを記憶しています。

ただ、昔から海外が好きだったのと、国外市場が伸びているというニュースを見ていたので「だったら最初から海外で出そう」と、日本語ではなく、英語やフランス語、ドイツ語に翻訳して、ヨーロッパや北米で展開したんです。

広告費をかけず500万ダウンロード

もともとウェブマーケティングが得意だったので、広告費をあまりかけずに、500万ダウンロードほどしてもらえました。流行ったものは日本に逆輸入するような形で配信したりもしていました。制作を担うエンジニアや制作陣が作ったものを、私が海外や日本でマーケティングして売る、という体制でやっていたんです。

コロナで生まれた「マスドライバー」

2019年ごろからコロナが広がって、みんな対面での営業活動ができなくなったんですよね。そこでウェブマーケティングのニーズがぐっと増えて、「詳しいならやってほしい」という声をたくさんいただくようになりました。

ただ、ゲームの会社というブランディングがあるのに、マーケティング事業もやっていると、何屋かわからなくなってしまうんです。そこでマーケティング事業だけを切り出して立ち上げたのが、2021年3月に設立した「マスドライバー」という会社です。

集客と制作、両方やる理由

ウェブマーケティングだけを切り出してやってみて気づいたのは、集客だけをしても、ウェブサイトの中身が魅力的でなければ、人を集めても買ってもらえないということでした。

一般的なウェブマーケティング会社は集客だけをやって制作はしませんし、逆に制作会社は制作はできても集客のノウハウがない、という状態でした。だったら両方やろうと思いました。人も集めるし、集めた人に商品やサービスを魅力的に伝えて申し込みにつなげるクリエイティブも作る。これが、マスドライバーを立ち上げたときのコンセプトです。

大切にしているのは、その両方を自分が立ち上げた事業経験学んだ活きたノウハウということです。favaryでマーケティングをやってきましたし、もう1つ、私自身の家族の経験から生まれた事業もあります。

妻と歩んだ、もう一つの事業

読唇術ができる妻と事業アイデア

弊社の話とは別に、私の妻も事業をしています。妻は耳が聞こえないんですが、幼少期に色々な特訓をしたので話すことはできて、読唇術もできるんですよね。難聴には2種類あって、高齢の方のように聴力そのものが下がるタイプと、話された言葉が正確な音として認識できないタイプがあります。妻は後者なので音を認識しづらいからこそ、その特訓の大変さは想像を絶するものがあったと思います。。ただ、その時に掴んだ言葉の学び方への理解は、とても貴重だなと感じていました。

なお、難聴の方を取り巻く環境でいうと聾学校に通学される方も多いのですが、各地域に沢山あるわけではないので遠方から通う方も多く、通学が非常に大変で勉強の時間がとりづらいといった課題があるのは理解していました。
ただコロナ禍には学校に通学ができず、さらに学習環境が悪化したお子さんもいらっしゃいました。

こうした背景から自宅でも出来ることばの教材を作って、皆に広く届けようという想いが高まり、妻が教材を作り私が宣伝を行うという分担で事業を立ち上げ進めていきました。
具体的にはホームページの検索順位を上げる施策や、YouTubeチャンネルの運用も自分たちで手がけました。結果としてYouTubeの再生回数だけでも1億回を超え、沢山の方に教材を利用していただけたりと、胸を張っていえる結果を生むことができました。

自分たちの経験とマーケティングへの想い

こうしたマーケティングを自分たちの手で試行錯誤しながら積み重ね、結果を生んできたことで、成功する要因のエッセンスが見えてきたんですよね。お客様からご相談をいただいたときに、自分たちが体得した成功確率の高い施策を、お客様のビジネスに合わせて成功確度が高い状態で提供できる。これが今のマスドライバーの強みであり、誇りにしていることです。

 

アメリカ進出支援への想い

家族でテキサスへ

今、マスドライバーで力を入れているのは、日本企業のアメリカ進出支援です。日本は出生数が70万人をきり、将来的な市場規模は減少していく可能性が高いです。ただ日本の商品はいいものばかりですし、海外で拡販できる可能性は大きいと感じています。ただ日本人は言語のハードルを感じやすく、英語が苦手だったり、海外進出への恐れがあったりして、いい商品でも海外に出ていかないケースが多いんですよね。海外に出たとしても、現地の商習慣に合わずうまくいかないこともあります。

それなら自分たちがしっかりサポートしようと考えました。日本が好きですし、日本人も日本の製品も好きなので、それを世界に出して外貨を稼いで、日本がまた元気になってほしいという想いがあります。

加えて、アメリカはマーケティングのルールや新しいサービスがいちばん最初に生まれる国です。検索や広告メニューなども、アメリカで決まったものが半年後くらいに日本に適用されることが多いです。日本企業のアメリカ進出を手伝って、そこで得た成功法則を日本の中でマーケティングしている企業にも還元できれば、最初から勝ちやすい方法を知った上でご提供できます。これは絶対にいいはずだと思って、家族全員でアメリカに引っ越して、不退転の思いで事業に励んでいます。

学生へのメッセージ

根拠のない自信を持て

学生の皆さんに伝えたいのは、根拠のない自信でもいいので、とにかく行動してほしいということです。

日本から見たアメリカって、元気で豊かで”アメリカンドリームを掴める挑戦を受け入れてくれる国#というイメージが強いと思います。ただ実際は物価が上がって、特に若者は辛い環境に直面しています。例えば家を買えなかったり、大学入学時に2500万円ほど借金を背負ったりと、日本より厳しい面もたくさんあります。それでも、多くの若者は「自分ならできる」と自身をもって、色んな行動をしているんですよね。

行動することで誰かが見てくれたり、環境が変わって運がついてきたり、チャンスが生まれたりする。その1歩を踏み出せるからこそ、アメリカの人たちは強いんだと思います。

一方で日本人はIQも世界TOP5に入るぐらい高いですし、生育環境にも恵まれていますし、借金を背負っているわけでもないですし、挑戦したところで命に関わるわけでも、街を歩いていて撃たれるわけでもなく、非常に恵まれた環境だと感じています。

人の性格・特性はありますが、このビジョン図鑑さんを見るような方は、高みを目指したい方が多いんじゃないかなと思います、皆さんは日本という、とってもいい環境にいます。失うものはほとんどなくて、むしろ成功する確率が高い環境にいるので、やりたいことがある人は自信を持って行動したらいいんじゃないかなと思います。

編集後記

代表の牧野さんのお話を伺って、行動することの意味を改めて考えさせられました。ゲーム事業での海外展開、コロナ禍でのマーケティング会社立ち上げ、奥さまと歩んだ教育事業、そして家族でのアメリカ移住。どの選択にも「まずやってみる」という姿勢が一貫していて、印象的でした。日本にいると気づきにくい「恵まれた環境」を、外から見た視点で語っていただけたことが、とても貴重な機会になりました。私自身も、根拠のない自信を持って1歩を踏み出してみようと思います。