インタビュー

「素人でも何とかなる」―伸びる業界を見据えて踏み出した創業の道

「素人でも何とかなる」―伸びる業界を見据えて踏み出した創業の道
PROFILE
北日本ケアサポート株式会社 代表取締役
鷲尾 和巳

創業の経緯

縮小ではなく拡大の業界へ

現在の弊社の創業は11年前です。介護の事業がどんどん広がっているというところに目をつけました。事業が縮小していく業界に飛び込むよりも、需要が広がっているところの方が可能性は高いだろうと。正直なところ、介護業界そのものに強い思い入れがあったわけではないんですよね。当初はこの業界がどうこうというのはまったく考えていなくて、これから需要が伸びていくだろうという一点に賭けて、自分たちは素人でも努力さえすれば何とかなるだろうと思って始めたというのがきっかけです。

事業内容としては、介護事業所に対してのシステムの販売と、事務の代行がメインになります。

苦労してきたこと

事務代行の現場で人が定着しない

苦労してきたことで言うと、人がどうしても平均2、3年で辞めていってしまうということが続いた時期がありました。事務代行をしている以上、人が辞めてしまうというのはやはり大変でしたね。今も、誰か一人辞めるとなると残ったメンバーが大変な思いをするという状況は正直変わっていません。ただ、人の採用基準は変えてきました。

今後のビジョン

現場に集中できる環境をつくる

今後というより、ずっと目指し続けているのが、介護事業者が現場に集中できる環境を私たちがつくっていくということです。介護に従事する人はどんどん少なくなっていく中で、現場はより大変になっていく。そこを間接的にでも手伝えたらと、ずっと思っていますし、これからも必要とされる部分だと感じています。

事務的な業務で言うと、法律自体はどんどん煩雑になっていく一方で、AIのようなものは今後さらに加速して入ってくるはずです。ただ、そのAIを扱える人材が社内に必要になってくる一方でなかなか育っていないという課題は、この先も引き続き抱えることになると思っています。実際、今のDX化の中でも、システムをうまく使いこなせていない現場は多いんですよね。それがAIに置き換わっていくだけの話だと感じています。どれもこれも完璧にできる人はいないので、そこを補っていけたらと思っていますし、現場の悩みを聞きながら、新しいサービスを常に創造していく必要があると考えています。

学生時代とそこから得たもの

遊んでばかりだった学生時代

学生時代は勉強なんて一切したことがないですね。ずっと遊んでいました。バイトとバイトの合間に遊んで、単位だけ取るために学校に行っていたような感じです。大学は一応通いましたが、部活動もやらず、テストの時にカンニングペーパーをつくった記憶しかないので、そこから得たものは正直何もないです。

アルバイトで学んだ「できることをやる」姿勢

学生の本分は勉強だと言われますが、今の私につながっているなと感じるのは、アルバイトの経験の方です。私はお金を稼いでいる対価として、現場や会社にそれ以上に貢献しなければ、自分の給料は上がらないとずっと思っていました。仕事を始めたばかりの頃って、何もできないじゃないですか。それでも大きな声で挨拶はできますし、お客さまに対して他の人より先に走って対応することもできる。仕事ができなくても、できることはいくらでもあるんですよね。それを一生懸命やるという姿勢は、今、経営者の先輩たちと付き合う中でも、自分から率先してやるようにしていて、変わっていないなと感じています。

就職活動をしている学生へのメッセージ

自分に合う規模を見極める

自分の意見が通ったり、やりたいことが実行できたりするのは、もしかしたら中小企業かもしれません。だから、会社の良し悪しというよりも、自分にマッチするかどうかが重要だと思います。どんな仕事をしたいのか、どんな雰囲気で働きたいのか。それにハマる企業がどれくらいの規模で、どういう会社なのかを見極めるのが、一番のポイントなのかなと、自分の経験を通して思いますね。

実際に会って話してみないとわからない部分は多いですが、今は転職サイトなどで退職した人の意見を拾うこともできます。やめた人の声はネガティブなバイアスがかかっていることも多いですが、それを踏まえたうえでも行きたいと思えるなら、それでよいはずです。実際に情報を集めながら、行けるところは行ってみて、自分に合うところを探っていく。それがものすごく大事だと思います。面接だけではわからないことが、いっぱいあると思うので。

編集後記

今回、鷲尾さんのお話をうかがって、印象的だったのは「業界への思い入れよりも需要の見極め」から始まった創業のかたちです。とくに、「できることから一生懸命やる」という姿勢が、新人時代から経営者になった今まで変わらず続いているというお話には、とても学びがありました。就職活動の軸に迷っている学生の方にも、ぜひ参考にしていただきたいインタビューです。