施工管理からの出発
電気工事士の資格が入り口だった
新卒で入ったのは、現場の施工管理の仕事です。就職のきっかけも、正直そこまで深いものではなくて、高校時代に電気工事士の資格を取っていたので、その流れで電気工事の施工管理会社に入ったというだけなんですよね。「これがやりたい」という明確な理由があったというよりは、資格があるから行ってみようかなくらいの、わりと漠然とした動機でした。
残業200時間が当たり前だった
入社したのは大手のサブコンだったので、仕事のやりがいはそれなりにありました。ただその分、忙しさもかなりのもので、残業200時間という月も珍しくなかったです。社会人3年目くらいになったタイミングで、ふと「この働き方をこの先10年、20年続けていくのか」と考える機会があって。やりがいはあるけれど、この状態を長く続けるのは厳しいなと感じるようになりました。
22歳、フリーランスという選択
転職しても変わらなかった働き方
一度は転職をしたのですが、転職先も同じ設計・建設業界だったこともあって、残業が多い環境自体はあまり変わりませんでした。そこで、社会人としての人脈を広げようと、飲み会などを通じていろいろな方の話を聞かせてもらうようになりました。ちょうど社会人10年目、28歳くらいのタイミングだったと思います。
28歳、法人を設立した
その10年間を振り返って、この先10年、20年をどう歩んでいくかを考えたときに、フリーランスのまま続けても、それなりの人生は送れるだろうという予想はついていました。ただ、それなりの人生を送るためにフリーランスになったわけではなくて、どちらかというと「何かに挑戦してみたい」という思いのほうが強かったことを思い出したんです。自分の仕事の幅を広げていくためには、仕事をもらう側ではなく、自分で仕事を回していく側に立つ必要があると考え、法人を設立しました。
SketchFieldの事業内容
ITと建設の両輪を支える
弊社は大きく分けて3つの主軸事業があります。1つ目はエンジニアリング事業で、SESを中心に展開しています。ITの人材支援に加えて、自分がもともと建設業界にいたこともあり、建設系の人材支援や案件紹介もおこなっています。
小規模企業に伴走する広報支援
2つ目は広報・マーケティング支援です。特にベンチャー企業、社員数が10名から50名くらいの小規模な会社さんを対象にしています。広報やPRに力を入れたいけれど、資金面の課題があったり、そもそも広報の担当者がいなかったりする会社さんが多いので、そうした企業に合わせて完全にカスタマイズした支援をおこなっています。あわせて、クライアント企業内での広報人材の育成も進めていて、これまでに2、3社ほど、広報人材を1から育てて実装できた会社さんが生まれています。育成にあたっては、言葉遣いの改善やSEOを意識したキーワードの入れ込み方など、実際のレビューを重ねながら育てていく形を取っています。
経理から契約書まで支える何でも屋
3つ目はBPO事業です。経理や契約書の作成など、クライアントさんが求めるものを幅広くお手伝いする、何でも屋のような立ち位置になっています。
22歳独立への理解を得るまで
周囲に理解されない時期があった
一番大変だったのは、周囲からの見られ方だったと思います。自分で決めたこととはいえ、22歳からフリーランスとして活動していたので、世間的には大学を卒業したばかりの年齢です。7、8年前は今ほどフリーランスという働き方が一般的ではなかったので、反対されるということはなかったものの、理解されないことは多かったですね。
プレスリリースが転機になった
実績として自覚できたタイミングは、広報の支援をきっかけに、自分が手がけたプレスリリースから海外メディアの取材につながったことです。今回のように外部メディアからインタビューのオファーをいただくこともありました。また、採用に困っているベンチャー企業さんと一緒に広報の戦略を練って、それがきっかけで採用が決まったり、一緒に働くスタッフが増えたりしたことも実績のひとつだと感じています。
今後のビジョンと採用課題
誰かが輝ける支援をしたい
広報・マーケティング支援を通じて、弊社が関わったクライアントさんが、世の中のどこかひとつでも輝ける存在になれるような支援をしていきたいと考えています。もともと弊社のクライアントは、社員数10名から50名くらいの規模で、広報やPRに力を入れたい気持ちはあっても、資金面や人手の面でなかなか手が回らない会社さんが多いんですよね。だからこそ、そうした会社さんの強みや挑戦をきちんと言葉にして、世の中に届けていくことに意味があると思っています。弊社自身も「挑戦が連鎖し、誰もが夢を描ける社会をつくる」ことを掲げて事業をおこなっているので、クライアントさんの挑戦を後押しすることが、そのままエンジニアや企業の可能性を広げていくことにもつながると考えています。1社でも多く、関わった会社さんが自分たちの言葉で自分たちの魅力を発信できるようになるところまで、伴走していきたいです。
採用が中長期の壁になっている
このビジョンの実現に向けて、足元でも中長期でも課題になるのは、やはり採用です。今は自分ひとりで動いている部分が大きいので、正直なところ採用にかけられるリソースがまだ十分ではないというのが実情です。広報やマーケティングの仕事は、クライアントさんごとに求められる内容が変わってくるので、ある程度は自分の目で見てレビューをしながら育てていく必要があります。だからこそ、一緒に働く人を増やすこと自体に時間もエネルギーもかかっていて、そこが今の一番のボトルネックになっていると感じています。
加えて、中長期で関わっていけるクライアントさんを増やしていく必要があるとも感じています。単発のプロジェクトとして関わって終わりではなくて、広報の人材育成のように、時間をかけて伴走しながら成果を積み上げていく関係のほうが、弊社としても、クライアントさんにとっても、得られるものが大きいと思っています。そうした関係を築けるクライアントさんを少しずつ増やしていくことが、採用を進めていくうえでの土台にもなっていくと考えています。
2期目は3〜10名の採用へ
現在はまだ自分ひとりでの体制ですが、2期目には最低でも3名の採用を目指しています。契約形態が正社員か業務委託かはまだ決めていませんが、多くてもmaxで10名くらいまで増やしたいと考えています。営業はスポットで業務委託にお願いする一方、事業の軸である広報・マーケティング系の仕事を担える人材を増やしていきたいです。
学生へのメッセージ
失敗を恐れず次の一歩を
学生のみなさんには、失敗を恐れずに次のステップへ進んでいってほしいなと思っています。振り返ってみると、自分自身も「資格があったから」というくらいの、あまり深く考えていない理由で施工管理の仕事を選びました。そこから残業200時間の日々を経験して、このままでいいのかと悩んだ時期もありましたし、22歳でフリーランスになったときも、周囲に理解されないことのほうが多かったです。それでも、目の前の選択に迷ったときに一歩を踏み出したことが、結果的に今の事業にもつながっています。うまくいくかどうかは、正直やってみないとわからない部分が大きいと思うんですよね。だからこそ、失敗するかもしれないという不安よりも、まずは次のステップに進んでみることを大事にしてほしいなと思っています。
仲間づくりをしておけばよかった
自分自身を振り返ると、学生時代からもう少し、社会人になってからも語り合えるような仲間づくりをしておけばよかったなという思いがあります。忙しさの中でついそこを後回しにしてしまったので、みなさんにはぜひ大事にしてほしいポイントです。
編集後記
大崎さんのお話を伺って、印象に残ったのは「資格があったから」という消極的な理由で始めたキャリアが、残業200時間という現実を経て、自らの意思で舵を切る独立というかたちに変わっていったところです。周囲の理解を得られない時期を経ても、プレスリリースをきっかけにした実績が次の挑戦につながっていく流れは、就職活動を控える身としてもとても励みになりました。仲間づくりを大切にしてほしいというメッセージは、私自身も心に留めておきたいと思います。