インタビュー

途上国の現場で選んだ起業の道。人材紹介とAI面接で、世界に働くチャンスを広げたい

途上国の現場で選んだ起業の道。人材紹介とAI面接で、世界に働くチャンスを広げたい
PROFILE
ユナイテッドワールド株式会社 代表取締役
朝日 将

国際協力の志から起業へ

途上国の現場で進路を変えた

大学はミネソタ大学ツインシティー校に通っていて、もともとは国際協力機関などで働こうと思っていたんです。実際に開発学を勉強したり、途上国に足を運んで現場を見たりするなかで、考えが少しずつ変わっていきました。そういった機関で働くよりも、自分で起業したほうがより社会に貢献できるし、世の中にインパクトを残せるんじゃないか。そう感じたことが、起業の道を選んだきっかけです。

卒業後すぐに起業した

起業を決めてからは、大学卒業後すぐに会社を立ち上げました。最初に起業したのは今の会社ではなく、事業内容もまったく違うものです。歯医者さんが持ち運びできる、ポータブルな歯科医療機器を販売していました。今の事業とは関係のない分野からのスタートでしたね。その後、あらためて起業したのが現在のユナイテッドワールド株式会社です。

新卒カードを手放す怖さ

赤字になったわけではないので、金銭的なリスクや負担はそれほど感じていませんでした。ただ、時間は確実に使っています。起業せずに新卒で企業に入っていれば、また違う経験を得られたと思うんです。新卒でしか入れない大手企業にも、おそらく入れなくなる。就職活動をせずに起業すると、みんなが入りたいようないい会社には行けなくなるんだろうなという怖さがあって、当時はすごく悩みました。それもひとつのリスクだと思います。

外国籍人材とAIで広がる事業

高度外国人材に仕事を紹介

現在は人材紹介事業をおこなっていて、基本的には外国籍の方、とくに高度外国人材の方々にお仕事を紹介しています。あわせて今、AI面接プラットフォーム(ZeroInterview/ゼロインタビュー)の提供・販売にもかなり力を入れているところです。人材紹介を選んだ理由は、最初に国際協力機関で働こうと思っていたことにつながっています。大学で開発学を勉強したこともあって、人材系の事業で雇用を生み出せば、賃金の増加にもつながるのではないかと考えたんです。

世界中に求人と求職者を

今は外国人の方を中心に事業を展開しています。さらにアメリカにも会社をつくって、海外でも人材紹介事業をおこなっているところです。今後は途上国でも人材紹介事業を広げていきたいと考えています。求職者と求人数を世界中でどんどん増やしていくことが、今後のビジョンです。日本の人口は明らかに減っていて、外国人の方の活躍は今後さらに必要になってくると思います。

AI面接で可能性を広げる

いろいろな人が自分の可能性を見出して、さまざまな場所で働けるようにしていきたいんです。そのためには人間が見るだけでなく、AIも活用することで、あらゆる人にチャンスを届けられると思っています。今はAI面接を世界中で使えるように、多言語での開発も進めているところです。HR系の事業では、ほかにもチャンスがあれば開発などを通じて、どんどん広げていきたいと考えています。

1回のAI面接で複数応募

弊社の強みは、これまでの人材紹介事業で増えてきた求人や顧客、求職者の方々を、AI面接を使ったマッチングへとつなげている点です。求職者の方はまずAI面接を受けて、その結果をもとにさまざまな企業へ応募できる仕組みをつくっています。1回のAI面接を受ければ一次面接が省けて、いろいろなところに応募できる。既存の事業と交わってシナジーが生まれているので、今後はこのプラットフォームを弊社の強みとして育てていきたいです。

成長を加速させるために

課題は資金と採用力

スピード感を持って成長するには、やはりお金が必要です。今はまだ資金調達をすごく頑張っているわけではありませんが、今後は必要になってくると思います。もうひとつは人材です。スタートアップやベンチャー企業は採用力が弱いので、こうして取り上げていただいたり、いろいろなところで発信したりしながら、優秀な方々に興味を持って入っていただくことが課題であり、必要なことだと感じています。

睡眠3時間で学んだ留学時代

孫正義さんに憧れて海外へ

学生時代は海外にいたので、英語の学習にはとくに力を入れていました。向こうの大学は、卒業するためにもかなりの勉強量が必要なんです。当時は孫正義さんに憧れていて、日本の大学を中退して海外に行ったこともあり、絶対に誰よりも勉強しようと決めていました。平日は3時間以上眠ることはなく、食べながら本を読んだり、歩きながら勉強したりと、常に勉強していましたね。若かったからできたのかなと思います。今は、寝たほうがいいと思いますよ。

勉強だけで終わらせない

ただ、勉強だけで終わらせていたわけではありません。英語を伸ばすという意味でも、パーティーに参加したり、遊んだりもしっかりしていました。課外活動では、東日本大震災が起きたときに大学でたこ焼きを売って募金を集め、寄付したこともあります。ほかにもクラブやサークルを立ち上げて、留学生やアメリカの学生たちとずっと活動していました。

学生へのメッセージ

努力は卒業後の財産になる

すでに目標を持って努力している方も多いと思います。一方で、なんとなく遊ぶことにフォーカスしている学生の方もいらっしゃるかもしれません。そういう方も、何か頑張れることを見つけて、しっかり努力してみてください。その経験は、大人になって卒業したあとも財産になるはずです。目標を持って努力することは、非常に重要なことなんじゃないかと思います。

編集後記

国際協力機関を目指していた朝日さんが、途上国の現場を見て起業を選んだというお話がとても印象的でした。私自身も学生起業に関心があるので、新卒カードを手放す怖さを正直に語ってくださったことに勇気をもらいました。人材紹介とAI面接プラットフォーム(ZeroInterview)を掛け合わせ、1回の面接で複数の企業に応募できる仕組みは、求職者にとっても企業にとっても大きな価値があると感じます。平日の睡眠時間が3時間という学生時代のエピソードには驚きましたが、「寝たほうがいい」と話す姿に人柄を感じました。世界中の人にチャンスを届ける今後の挑戦にも、注目していきたいです。