インタビュー

起業のタイミングは、突然やってくるものではなく自分で決めるもの

起業のタイミングは、突然やってくるものではなく自分で決めるもの
PROFILE
株式会社ゼンシン 代表取締役
岸本雅史

留学から戻った先で出会った、営業の世界

5年で卒業するつもりだった

大学時代は、3年生の後期から4年生の前期まで留学していました。もともと4年ではなく5年かけて卒業しようと決めていたので、日本に帰ってきてからも時間に余裕があったんですよね。ちょうどそのタイミングで、LabBaseという会社にインターンとして参画したのが、今につながる最初の一歩でした。

きっかけは、大学の先輩がLabBaseの所長と仲がよかったことです。LabBaseは東京の会社だったのですが、関西でもインターン生を探しているということで、神戸大学に通っていた私を紹介してもらいました。

就職活動をしようかとも考えたのですが、会社で働いたことがない状態で就活するより、しっかり働いてインターンも経験したうえで仕事の解像度を高めてから動いたほうがいいのではないかと思ったんです。それくらい軽い気持ちで、当時はインターンに入りました。

営業責任者、事業責任者を経験して

LabBaseでは営業責任者、そして事業責任者を経験しました。その後もう一社を挟んで、今の会社の設立に至ります。二社目はLabBaseとは社風がまったく違って、40代なかばくらいの方たちが役員をされているような会社でした。

そのなかで自社のスタートアップとしての創業期から入った経験も踏まえて、「自分でもできるのではないか」と思うことが増えていきました。ちょうど29歳になったころ、次は何をしようかと考えていて、医療や介護の領域で事業をやってみたいという思いもありました。そこで「三十歳までに起業しよう」と決めて、そのタイミングで独立したという流れです。

営業代行から始まった、株式会社ゼンシン

医療・介護領域との出会い

弊社は基本的に、お客さまの営業を代行する事業を行っています。インサイドセールスやテレアポの部分を、お客さまの代わりに担い、アポイントを獲得していく仕事です。

医療・介護業界については、もともと関心があったことに加えて、ある訪問看護ステーションを運営する会社にコンサルティングとして入らせていただいた経験が大きいですね。その事業所が抱える課題を解像度高く見ていくなかで、人材の領域に大きな課題があると感じ、自分ならそこを解決できそうだと思ったことがきっかけでした。

営業経験者だけで組織をつくる

営業代行の会社は数多くありますが、弊社の強みは、営業未経験の主婦やインターン生ではなく、営業経験者のみを採用している点にあります。

私自身、前職で営業の育成やスキルアップ研修を手がける会社に勤めていたこともあり、社内でもスキルマップを作成しています。インサイドセールスに必要なスキルを16項目ほど定義し、項目ごとに点数をつけて評価し、ロールプレイや研修を通じて点数が上がるようにトレーニングしています。

また、私自身がスタートアップで事業の0から1、成長フェーズを営業責任者として見てきた経験があるので、まだ勝ちパターンが定まっていない事業の立ち上げにも強みがあると思っています。ターゲットとなるセグメントを細かく設定し、どんな訴求ならアポイントにつながるのかPDCAを回していくんです。トークの構成を4つのパートに分けて、どのパートでお客さまが離脱したのかを見極め、そこを改善していく。そうやって勝ちパターンを一つひとつつくっていきます。

お客さまの課題解決に、前線で向き合える仕事

営業という仕事の魅力は、お客さまの課題解決に前線で携われるところだと思っています。商品を買っていただいた段階ではまだ成功とは言えませんが、少なくともお客さまはその商品によって課題が解決される、ニーズが満たされると思って発注してくださっています。

弊社の営業支援でも、お客さまによっては「今は営業代行をやらなくてもいい」と判断し、弊社ではなく他社のソリューションをご紹介することもあります。自社の商材にとらわれず、お客さまの課題をどう解決できるかを考えながら取り組めると、仕事は楽しくなりますし、結果として成果にもつながっていくと思っています。

いろいろな事業とビジネスモデルで、会社を大きくしていく

現在は看護師さんの人材紹介、そして今年の四月からは自社で訪問介護の事業も立ち上げています。事業領域を広げながら、一つの事業だけに頼らず、いろいろな領域・いろいろなビジネスモデルで会社を成長させていきたいと考えています。

一つの事業だけで会社を大きくするのは、今の時代なかなか難しいと感じていて、創業初期から複数事業を立ち上げていきたいという思いがあります。それぞれの事業の責任者を巻き込みながら、事業の0から1、1から10という成長の経験を積んでもらうことで、メンバーも組織も強くしていきたいですね。

現在のメンバーは業務委託を含めて約30人。営業代行が20人強、看護師さんの人材紹介が10人弱、訪問介護が2〜3人という体制です。営業代行のお客さまとの出会いは、ご紹介が6〜7割ほど、残りが問い合わせやこちらからのご連絡です。新規事業の立ち上げや、新たにアウトバウンドのチャネルを立ち上げたいというお客さまが多い印象です。

一緒に働きたいのは、成長意欲があったり、主体性を持って自分の人生をつくっていきたいと思っている方です。周りや環境のせいにするのではなく、自分で自分の人生をよくしていきたい、成長していきたいという思考の方だといいなと思っています。

学生のみなさんへ

大学生の時期はある程度時間もありますし、自由にできることも多いと思います。やりたいこと、挑戦したいことがあるなら、いっぱいやってみるのがいいのではないでしょうか。うまくいかなくても、若いうちなら時間が残されているので取り返しがつきます。

私自身も留学していたのですが、実家はそれほど裕福ではありませんでした。それでも探してみると、良い条件の奨学金が見つかったんです。やりたいことがあって環境的に難しいと感じても、解決できる手段は今の時代いろいろあると思います。情報収集しながら、やりたいことをどうすれば実現できるか考えて、調整していくのがいいのではないかと思います。

将来営業職に就きたいと考えている方には、お客さま視点を持つことをおすすめしたいです。「どうしたらこのお客さまはよくなるだろう」「もっと満足してもらえるだろうか」と考えながら仕事をすると、自然と成果はついてくるものだと思います。商品を売りたいという気持ちの手前に、お客さまがどう課題を解決できるか、どうよりよくなるかを考えられると良いのではないでしょうか。

弊社は大学生のインターン生がたくさん働いているわけではありませんが、事業の創業期に携わり、いろいろな事業づくりの中心でいろいろなことに挑戦したい方には、良い成長機会を提供できると思っています。将来起業や独立、事業を自分でつくっていきたいと考えている方は、ぜひ一緒にお仕事ができたらうれしいです。

正社員としては事業責任者的なポジションや訪問介護領域で採用を行っており、インターン生も募集しています。拠点は関東圏が中心ですが、営業をやってみたいという方には、近い業務をお任せできる形もあると思っています。興味を持たれた方は、ぜひご連絡いただけたらと思います。

編集後記

学生時代のインターンという小さな一歩から、複数事業を展開する経営者への道のりを、岸本さんは驚くほど自然体に語ってくださいました。印象的だったのは「30歳までに起業する」という具体的な期限を自分で設定していたことです。また、営業という仕事を自社の売上のためだけでなく、お客さまの課題解決の手段として捉える姿勢にも強く共感しました。挑戦したいことがあるなら早く動いたほうがいい、というメッセージを胸に、私自身の学生生活も見直していきたいと思います。