インタビュー

Google出身の代表が、70兆円市場で戦う理由

更新: 2026年8月24日
Google出身の代表が、70兆円市場で戦う理由
PROFILE
アドア株式会社 代表取締役
田村 正成

「レベルが低いな」という違和感が原点に

コンサルティングもマーケティングも、質の高い支援会社は少ない

起業したいという思いの原点は、実はとてもシンプルです。まず、私自身がサラリーマンという働き方にあまり向いていなかったこと。そしてもうひとつ、ずっとマーケティングを軸にキャリアを積んできた中で、「コンサルティングもマーケティングも、本当の意味でちゃんとできている支援会社は少ない」という違和感をずっと拭えずにいたことです。

私は事業会社出身の人間で、コンサルティングファームや広告代理店から支援を受ける立場にいました。そこで正直に感じたのは、レベルの低さです。日本で1、2を争う広告代理店や、誰もが知る外資系の大手コンサルティングファームであっても、期待したほどの成果を出してこないケースを何度も目にしてきました。だったら、もっと質の高いアウトプットを出せる支援会社を自分でつくったほうがいい。そう思ったのが最初のきっかけです。

新卒で入った会社を辞めるときには、外資系のトップ戦略コンサルティングファームから複数内定をいただいていて、そちらに進む予定でした。でも、それを辞退してGoogle Japanへ。そこも辞めて独立を決めたとき、「もう一度どこかのコンサルティングファームに入ってもしょうがない。それなら、自分でファームをつくってしまおう」と。それが起業の決め手になりました。

コンサルティングとマーケティング、二軸で挑む支援会社

コンサルティングファームと広告代理店の機能を一つに

今手がけている事業は、大きくコンサルティング事業とマーケティング支援事業のふたつです。コンサルティング事業でやっていることは、マッキンゼーやベイン、カーニー、アクセンチュアといった名だたる外資系コンサルティングファームと変わりません。一方のマーケティング支援事業は、電通やサイバーエージェントのような総合広告代理店的な機能に近い立ち位置です。

このふたつの機能が一つの会社の中にセットになっていて、チーム制で動いているのが最大の特徴です。一つのプロジェクトに対して、コンサルティングファームとしての上流の戦略策定支援から、広告代理店としてのマーケティング支援まで支援できる。いわば「戦略と実行を分断しない」支援会社です。

戦闘力の高い組織をつくり続ける

課題は終わらない、向き合うだけ

今手がけている事業の中で難しいことは、質の高いアウトプットを出し続けること、その一点に尽きます。だからこそ、いかに戦闘力の高い組織をつくり上げるかが最も大きなテーマです。これは創業期から今も変わらず、終わりのない課題としてずっと向き合い続けています。

目指すは「日本一、いや世界一」

2027年、アジア・パシフィックの拠点を作る

今後のビジョンはいろいろありますが、突き詰めれば「日本一、いや世界一、戦闘力の高い支援会社をつくりたい」という一言に尽きます。今、国内のコンサルティングファームは何千人という規模で人を採用している会社が多くあります。コンサルタント人口が急増した分、私が社会人になった2013年と比べると、正直、コンサルタント一人ひとりの能力(平均値)はかなり落ちていると感じています。

誰でも大手のコンサルティングファームに入社できるようになり、「外資系コンサルだから優秀」とは限らない状態が当たり前になってしまっています。かつての日本のマッキンゼーはわずか数十人ほどしかおらず、その狭き門を突破した戦闘力の高い人材しか入れない環境でした。今はそうではなくなりつつあるからこそ、あえてその流れに逆らい、圧倒的な戦闘力を持った優秀な人間で、少数精鋭で高品質なアウトプットを提供したいと思っています。

現在の従業員数は約30人程度ですが、来年は海外市場も獲りにいきたいと考えています。コンサルティング事業だけで見ると、日本の市場規模はおよそ2兆円。一方、グローバル全体で見るとそれが70兆円まで広がります。私自身もそうですし、メンバーの中にも英語や多言語ができる人間がいるので、2兆円の市場で戦う理由がないなと、シンプルに考えています。来年の第1四半期から第2四半期あたりには、アジアにグローバル本部を作る予定です。日本のビジネスはこれまで以上に伸ばしつつ、東南アジアやヨーロッパを中心に、日本以外の仕事を受ける拠点を作ろうとしています。

遊び尽くした学生時代から、19歳で起業家の会社へ

小中高で遊び倒したから、大学は勉強に振り切れた

学生時代は、小中高をほとんどやんちゃに過ごしていて、まともな生活はしていませんでした。その反動もあって、大学に入ってからは猛勉強しました。小中高で遊び尽くしていたので、多くの人が大学に入ってから使う「遊びの量」を、私はすでに18歳までに遊び尽くしていました。

そのおかげで、大学1、2年生のうちに卒業要件となる単位を取り終えてしまい、通っていた大学はゼミも卒業論文も選択制だったので、3、4年生はほとんど大学に行っていません。19歳の時に、堀江貴文氏が創業した株式会社ライブドアに飛び込み、そこから卒業するまでずっと働き続けてきました。

今の学生に伝えたいこと

早く始めた人ほど、後が楽になる

時代は変わっても、いつの時代も変わらないと感じることがあります。それは、優秀な人はみんな圧倒的な「量」をこなしているということです。勉強も仕事も、その量を通らなければ質は上がりません。そもそも量をこなしたことがない人には、質が良い、質が悪い、という判断がつくはずがありません。だとすれば、なるべく早く始めた方が、後が楽なんですよね。仮に同じ1万時間を仕事に費やす必要があるとしたら、22歳から始めるのと、大学生のうちから始めるのとでは、22歳の時点での完成度が全く違ってきます。

今の学生さんたちは情報や知識を持ちすぎていて、物事をとにかく効率よく済ませてしまおう、という方がとても多いように感じます。ただ、それは私たちの時代にもあった話です。いつの時代も変わらないからこそ、そういう甘い話をノイズとして受け流し、走り続けられる人が、結局は時代を切り開いているのだと思います。

就活生へのメッセージ

まずは飛び込んでみてほしい

繰り返しになりますが、私たちは圧倒的に質の高い仕事をお客さまに提供しているという自負があります。それを学生の立場に置き換えると、「圧倒的に成長できる環境」を提供できるということです。その分、厳しさもあると思いますが、弊社に1年でも2年でも身を置いてもらえれば、どこに行っても通用するレベルにまで鍛え上げられると思っています。

実際、中途で大手の外資系コンサルティングファームや総合広告代理店から入ってきたメンバーからは、「アドアの仕事はレベルが高い」という声をよく聞きます。私が勝手にそう言っているわけではなく、メンバーから見ても、レベルの高い仕事をしているという実感があるようです。そういう環境に身を置きたい方は、ぜひ問い合わせてみてください。

編集後記

田村さんのお話を伺って、本当に大事なのは、なぜその事業をやっているのかという思いの部分なのだと、あらためて気づかされました。レベルの低さへの違和感を出発点に、圧倒的な戦闘力を持つ組織を作ろうとする姿勢は、就職活動を進める身としても背筋が伸びる思いがしました。早く始めた人が楽になる、という言葉を胸に、私自身も日々の積み重ねを大切にしていきたいです。