学生時代の原点は家電量販店のアルバイトにあった
スポーツ用品店と電気屋さんが好きだった
小学校からずっと野球をやっていて、大学の最終学年ではキャプテンも務めていました。その野球部の活動と同時に、アルバイトもしていたんですよね。もともとスポーツが好きだったので、スポーツ用品店や電気屋さんに行くと、独特の匂いに癒やされるくらい好きで。いつか自分もそういうお店で働いてみたいなと思うようになりました。
いろいろなアルバイトを経験したんですが、縁があって家電量販店で働けることになり、結果的にそれが一番長く続けたアルバイトになりました。
学校生活よりアルバイトが充実していた
最初はアルバイトなので、商品を運んだり、レジを打ったりという、社員の手伝いが役目だったんです。でも、だんだんお客さまと商品について話したくなってきて。お客さまってアルバイトか社員かあまり見分けがつかずに話しかけてくれる方が多いので、自分なりに商品知識を勉強しながら対応していくうちに、それがすごく楽しくなっていきました。振り返ってみると、大学生活よりもアルバイトのほうが充実していた学生時代でしたね。
営業一筋のキャリアから独立への道
マーケティングを意識していたわけではなかった
大学時代からマーケティングの道に進もうと思っていたわけではまったくなくて。人と話したり、説明して理解してもらったりすることが好きだったので、資格を取って専門職に進むよりも、飛び込んでいく営業のような仕事のほうが自分に合っていると感じていました。新卒で入った会社も営業職からのスタートです。
3つの会社を経て見えてきたWebの世界
新卒で営業職に就いてから1年ほど経ったころ、都内の地理にもっと詳しくなりたいという気持ちが出てきて、ルート営業の仕事に転職しました。そこで人とコミュニケーションを取りながらセールスを続けるうちに、出入りしていたある会社をきっかけに、ITやWeb、インターネットの世界にすごく興味を持ち始めたんです。Webがこれから主流になると言われていた時代だったので、この分野をもっと深く掘り下げたいと思い、3社目として大手のITインフラの法人営業の会社に転職しました。
そこでも法人営業として、都内の土地勘もあり、これで一生やっていくのかなと思いながら何年か続けていたんですが、1つの会社にずっと1つのソリューションを提供し続けるのではなく、いろいろな会社さんと出会って、それぞれの困りごとに応えるような仕事がしたいと思うようになって。そのころから、独立の気持ちが芽生え始めました。30歳手前くらいのころだったと思います。
Webマーケの会社で修行し、独立を決めた
当時Web業界にいたこともあり、マーケティングの知識を身につければ、Webの中で売る力も高まると考えて、Webマーケティングの会社に転職しました。そこでサラリーマンとして勉強しながら、いずれ独立しようと決めていたんです。何年か経験を積み、人脈もしっかりできたタイミングで、家族の了承も得たうえで独立に踏み切りました。最初から独立したかったわけではなく、自分の進みたい道を歩んでいった結果が、独立という形だったんですよね。
入社当初はずっと社員でいようかなと揺らぐこともありました。ただ、やればやるほど自分でやってみたいという気持ちが強くなっていって。同時に家族も持ち始めたタイミングだったので、安定感が非常に大事になり、その両立には苦労もありました。それでも、割と安定した体制を組んだうえで独立できたので、不安よりも創業の準備を楽しんでいた記憶のほうが強いです。会社名を考えたりするのも含めて、個人的にはとても楽しい時間でした。
押し売りではなく、相手目線で引き出す
電気屋さんのアルバイトが原点
ある記事で「売り込むから引き出すに変えた」とお話ししたことがあるんですが、これも振り返ると電気屋さんのアルバイト時代の経験が原点だと思います。売りたいものをこちらから売ろうとしても、なかなか買ってもらえなかったり、押し売りになってしまったりするんですよね。でも、困っていることに対して「こういう方法がありますよ」と相手目線で伝えると、話も聞いてもらえて、結果的に購入につながる。当時から感じていたそのスタンスは、今もずっと変わっていません。
広告運用を軸に幅広いWebマーケティングを支援
15年以上積み重ねてきた広告運用が強み
弊社の事業内容は、インターネット広告代理業がメインです。あわせて、広告に出すバナーや動画といったクリエイティブの制作、広告から着地させるページやホームページの制作も手がけています。最近はSNSを見る方が本当に多いので、SNS運用の代行も行うなど、幅広く取り組んでいます。
強みで言えば、やはり広告運用です。Webマーケの会社に入ってから15年、16年ほどずっとこの分野に携わってきているので、そこが一番の強みだと思っています。
課題を一緒に考えるスタイル
先ほどの話とも重なるんですが、「これをやりたい」という押し売りのスタンスではなく、まず先方の課題を聞いたうえで、それであればこういうやり方がありますよ、と提案するようにしています。それは広告を出すことではなく、ページを修正することだったり、SNSを始めることだったり、チラシをまくことだったり、時には人を1人採用することかもしれません。一緒に課題を考えて、たまたまWeb広告で解決できるのであれば運用する、というスタンスで取り組んでいます。
創業後の大変さも、いずれ笑い話になる
バックオフィス業務が一番大変だった
創業してからは一通り自分でやる必要があるので、特にバックオフィス関係は大変でしたね。年度末や決算のタイミングは、もともとやりたかった営業や広告の業務がありつつも、細かいバックオフィスの仕事も重なるので苦労しました。ただ、今はパートナーと一緒に組んでやっているので、大変なことも含めて割と楽しくやれています。
喉元過ぎれば熱さ忘れる
大変なことを楽しむための考え方としては、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という言葉がしっくりきます。つらいことも長くは続かず、一定の時間が経てば過去のものになる。広告業界やWeb業界はトラブルがつきものですが、たくさん経験してきたからこそ、いずれ「あんなこともあったね」と笑って話せる日が必ず来ます。それをモチベーションに頑張っています。
激務と言われる広告業界を乗り切ってこられたのも、やった分だけ自分の数字や評価、売り上げにつながるというスタイルで働いてきたからだと思います。インセンティブがもらえる仕事の仕方だったので、眠い目をこすりながら資料を作ったり、会社に残って作業したりすることも、頑張れました。
今後は今のスタイルを貫くことがビジョン
会社を大きくするより、やりたいことをとことんやる
今後どうしていきたいかと聞かれると、正直あまり先のことは考えていないんです。会社を大きくしたいとか、社員を増やしたいということもあまり考えておらず、自分がやりたいことをとことんやるスタイルをまだまだ続けたいと思っています。まだまだ体は動きますし、動けば動くほど人脈もどんどん広がって、面白い仕事も増えてきているので、今のスタイルを変えずに続けていくことが今後のビジョンかなと思っています。
右腕のような存在がほしいと思ったことも、正直あまりなくて。逆に、生涯現役でいたいと思っています。そのために、自分なりに体力づくりも意識しています。
学生へのメッセージ
仕事であったり、人であったり、ものであったり、いろいろなところに出会いがあると思います。私自身、アルバイトの経験が今にも生きているように、その出会いは今後何かにつながってくるはずなので、ぜひ大切にしてほしいです。
また、自分のできることは積極的にアピールして、やりたいことは方針をぶらさずに貫いてほしいと思います。最後に1つ、仕事は「試事」と書くと言われることもあります。頼まれた仕事を面倒だと思うのではなく、「試されているな、じゃあやってやろう」という気持ちで取り組むことで、自分のキャパシティも広がりますし、依頼した先輩や同僚、上司からの評価も上がっていきます。困っていたら何かしてあげようという、いい循環にもつながっていくはずです。仕事という「試され事」に積極的に取り組んで、自分の血や肉にしてもらえたらと思います。皆さん、頑張ってください。
編集後記
今回は株式会社アズマド代表取締役・茂木達也さんにお話をうかがいました。学生時代のアルバイト経験がキャリアの原点になっているというお話が印象的で、目の前の1つひとつの経験を大切にすることの大切さを改めて感じました。「売り込むから引き出すへ」という営業哲学は、就職活動を控える私たち学生にとっても、人との向き合い方のヒントになると思います。会社の規模を追うのではなく、自分のスタイルを貫く生き方に、力強さを感じるインタビューでした。