遊びの延長から始まった、世界を股にかけるキャリア
就活には興味なし。「どの会社でもいい」から始まった社会人生活
私は大学時代、とにかく「遊ぶこと」に全力だったんですよね。勉強や就活にはまったく関心がなくて、夏休みになればバックパッカーとして海外を飛び回っていました。これまで30カ国くらいは訪れたかな。
新卒のときも、「この会社に入りたい!」というこだわりは全然なくて、正直どこでもよかったんです(笑)。たまたま縁があった化粧品会社に入って、1年くらい東京で働いていました。
ニューヨークで見つけた「世界」と、中国ビジネスへの入り口
その後、転職先として選んだのがニューヨークでした。ニューヨークを選んだのは、アメリカ人だけを相手にするんじゃなくて、世界中の人たちと仕事がしたかったからなんです。
ただ、ニューヨークで働いているうちに、だんだんと中国市場の勢いに興味が湧いてきて。当時は毎日、中国の人たちと遊んだり交流したりしていたんですが、その経験が今の事業を始める最大のきっかけになりましたね。その後、フリーランスとして活動を始めて、2021年に法人化したのが株式会社Roams(ロームス)のはじまりです。
スピードこそがすべて。中国市場で勝つための思考法
日本の「慎重さ」と中国の「即断即決」
日本企業の海外展開、特に中国メインのサポートをしていますが、日々感じるのは圧倒的な「スピード感」の違いです。日本のビジネスって、新しいことをするときに「本当にうまくいくの?」というリスク回避の議論が先行しがちじゃないですか。石橋を叩いて叩いて、ようやく渡るような。
でも、中国はアイディアがあれば、リスクを抱えながらもまずは進めてみる。問題が起きたらその都度対処すればいいというスタンスなんです。人口が多い分、先に市場を取ったもん勝ちという側面があるから、完璧さよりも市場への速い参入が優先される。このスピードの差は2倍どころじゃないと感じています。
「トレーナーが太っていたら信用できない」現場感覚へのこだわり
私たちの強みは、SNSの「中身」を誰よりも熟知しているメンバーが揃っていることです。マーケティング会社の中には、自分では発信していないのに、インフルエンサーのデータを並べて説明するだけのところも多い。それって、パーソナルジムのトレーナーが太っているのと同じくらい信用できないと思うんですよね。
私自身、中国のSNSで50万人以上(メインはREDnoteで12.2万人)のフォロワーがいます。 ただ、これは自分を有名にしたいわけではなく、「どうすれば成功できるか」というノウハウを学ぶための実験台として運用しています。
多い月には300件ほど広告案件のご依頼をいただきますが、インフルエンサー業は本業ではないため、実際にお受けするのは月3件までと決めています。
支援する側から「つくる側」へ。これからの展望
メーカー事業への挑戦と、オンリーワンの企業像
これまではクライアント企業のプロモーションを支援してきましたが、直近では自社でメーカー事業を立ち上げようとしています。自分たちのノウハウを使って実際に商品を売って、成功事例を作りたい。そうすることで、クライアントへの提案にもより重みと信憑(しんぴょう)性が出ますから。
将来的には、中国向けサービスにおいて「オンリーワン」の企業になりたいですね。単に実績が多いとか価格が安いということではなく、AIが普及して誰でも同じようなことができる時代だからこそ、「Roamsにお願いしたい」と思われる独特の価値を提供していきたいです。
「やりたいこと」は、今やっていることの中にある
学生さんから「やりたいことがわからない」という相談を受けることがありますが、私は「毎日何気なくやっていること」こそが、その人のやりたいことなんじゃないかと思っています。
今の時代、お金がなくてもできることはいくらでもある。思いついたら、とりあえず行動してみてほしいです。社会人になると環境的に難しくなることもあるので、学生のうちにいろいろなものに触れて、人生観が変わるような経験をたくさんしてほしいですね。私自身も、やりたいと思ったときにすぐ実行できる環境を、これからも作り続けていきたいと思っています。
編集後記
太田社長のお話を聞いて一番心に刺さったのは、「現場感覚」を何よりも大切にされている姿勢です。SNS運用のプロとして、自ら50万人ものフォロワーを抱えるアカウントを運用し、実験を繰り返しているというエピソードには圧倒されました。「太ったトレーナーは信用できない」という例え話も、ビジネスの本質を突いていて、机上の空論ではなく実体験に基づいた言葉の強さを感じました。
また、中国ビジネスのスピード感のお話からは、変化の激しい現代を生き抜くヒントをいただいた気がします。私自身、何かを始める前に悩みすぎて動けなくなることがよくありますが、まずは「やってみる」こと、そして動きながら修正していくことの大切さを学びました。この学びを活かし、大学生活でも失敗を恐れずに新しい環境へ飛び込んでいこうと思います。