人材業界に飛び込んだ理由
「人の人生にきっかけを与えることができる人になる」
就職活動は、みなさんと同じように私もやっていました。いろいろな業界、いろいろな企業を回るなかで、10月ごろに軸を絞ろうと決めていて、最終的には、「人の人生のきっかけになる講演者(後援者)になりたい」、という想いから人材業界とコンサル業界に絞りました。
講演を通して多くの人にきっかけを提供したい、また後方からしっかり支援したい。この2つがあって、最終的に人材業界を選びました。
人材業界を選んだ理由
人材業界に行けば、人に関する説得力と納得感を持てると思ったんです。人材業界は、すべての業界のすべての企業がお客様になる。だからこそ、社会から見た「人」というものをちゃんと理解できるし、納得感を持って講演できる人間になっていける。そう思って、複数の企業より内定をいただくなか最終的にパーソルキャリア(株)(旧(株)インテリジェンス)を選択しました。
2007年に大学を卒業し社会人になってから、ずっと人材畑にいるのが私のキャリアです。営業として、クライアントの採用支援、また人事として、300名を超える新卒採用また中途採用を行う中で、内外から作り上げる採用の仕組みを学び実行する力が身につきました。
大阪・東京から北海道、そして独立まで
Indeedで学んだ泥臭さ
その後、2018年に今ではみなさんもご存じのIndeed(インディード)に転職して、関西支社の立ち上げに参画しました。7人くらいからスタートして、3年半くらいで100人ほどの組織になったところで私は卒業しました。
転職したタイミングは、ちょうどIndeedという組織の認知度がぐんぐん上がっていく時期でした。とはいえ立ち上げ当初はサービス認知度が足りなくて、Indeedという新しい人材サービスをどう浸透させるかが一番大変だったと記憶しています。窓のないレンタルオフィスで10人くらいがひたすらテレアポをする毎日で、一日4商談かつ100コールをやり切るというミッションは本当に苦しくて、Indeedをまったく知らない相手に一つひとつ丁寧に説明していくことも大変でした。
それをみんなで続けたからこそ、現在の拠点である梅田スカイビルにオフィスを構えることができ、一つの達成感がありました。
コロナが後押しした独立そして移住
しかし、この時期ちょうどコロナ禍に突入するタイミングで、梅田スカイビルのオフィスも数ヶ月で完全にフルリモートに切り替わりました。Indeedはグローバルの会社だったため、コロナへの反応は早くて敏感でした。それから2年間、フルリモートが続きました。私は3年半在籍したうち、オフィスに行けたのはおそらく数ヶ月程度だったかと思います。
もともとパーソルキャリア時代に北海道で営業組織の立ち上げを担当していた時期があって、40人規模まで育てた経験がありました。そして西日本の採用責任者として大阪に戻っていたのですが、コロナ禍でリモートワークが定着し、大阪にいる必然性がなくなったタイミングで、北海道への移住を決めて独立しました。
5割の怖さで踏み切った
正直、怖かったですよ。それでも踏み切れたのは、これまで積み上げてきたキャリアや人脈ネットワークに自信があったこと、そしてIndeedという先進的なサービスの知識を、いち早く自分のなかに持てていたことが大きかったです。この「種」をちゃんと育んでいたので、あとは自分が決断しどう動くかだけでした。5割の怖さと5割の確信、そのくらいのバランスで踏み切ったという感じです。
アスノヴァスの事業とこだわり
HRを軸にした4つの事業
弊社は人材の総合サービスを手がけていて、主力事業は大きく4つあります。1つ目はIndeed/各種広告代理店業、2つ目は人材紹介業、3つ目はRPO(採用アウトソーシング)、4つ目は採用ブランディングです。
RPOは、簡単にいえば人事の代行です。説明会や面接の代行、応募者対応をまるごと引き受けることもあります。人材紹介やIndeed・求人広告、RPOを手がけつつ、SNSの運用代行やSNS広告、ホームページやLP制作を別会社でサービス提供しています。すべてをまとめていうと、人=HRに関することをやっている組織だと思ってください。
もう一つ、学生支援を目的にした団体も運営しています。私自身、学生時代から学生団体や就活支援団体に関わってきたタイプなので、学生のきっかけになるイベントづくりや企業との接点づくりをしています。
密着して信頼を積む
拠点は札幌がメインですが、関東、関西、北陸、また沖縄のお客様も多いんです。これはIndeedにいた経験と、Indeedのアルゴリズムやプロダクトをきちんと理解して運用できるという強みが活きていると思っています。加えて、沖縄は地元愛が強い土地柄なので、しっかり採用成功させ、クライアントと密接に関われば、必ず紹介いただくこともとても多いエリアです。実際、商談は基本ウェブなのですが、沖縄のお客様には「次はいつ来てくれるの?」と言われることが多くて、私も3か月に一度くらいは沖縄に足を運んでいます。
新規のお客様の多くはリファラルが中心です。弊社の育成方針として、稼ぎを軸にしすぎるより「お客様に深く関わる=密着しなさい」という言葉を大事にしていて、お客様にちゃんと寄り添って価値を返すことにこだわっています。その結果、成果をお返しすることができ、成果が出るから紹介をいただけるという好循環のループができました。ちゃんと成果を出してきたからこその信頼だと思っています。
これからのビジョン
47都道府県に拠点を
ビジョンは二つあります。一つは定量的な目標で、100億、1000億円規模の組織にしていきたいということ。もう一つは、それを成し遂げた先に描いている、日本全国47都道府県にアスノヴァスの支社を置きたいという想いです。
採用は、市場変化が激しく、非常に難しい分野です。また労働人口の減少など、中小企業の人手不足倒産も増えている状況です。だからこそ、ちゃんとお客様に向き合って地域密着型の採用を実現することで、自分たちがなくてはならない存在、つまり「採用としてのインフラ」になれるのではないか、と考えています。定量的な目標とあわせて、47都道府県で地域密着の採用支援ができる組織体をつくっていきたいというのが、私たちの目指している世界観です。
採用のインフラになる
計画の年数はあえて決めていませんが、おそらく30年くらいかけて実現していくものだと思っています。そのころにはまた形が変わっているかもしれませんが、実現すべきことの本質は変わりません。お客様が採用で困ったときに相談したら解決できる、水やガスや電気のようになくてはならない存在になっていく。それが一番ベースにある思いです。
就活生・起業志望の学生へのメッセージ
視野・視座・キャパを広げる
就活生に向けては、視野・視座・キャパシティをどう育むかという考え方を持ってほしいと思っています。自分はガクチカが弱いから大手に行けないと可能性を諦めるのではなく、視野=これまで知らなかったことを広く知り、視座=もっと高いところから社会や人と関わり、キャパシティ=人間的度量をしっかり養いながら就職活動をしてほしいです。
大事なのは企業を選ぶことそのものではなく、就職活動という時間のなかで多くの企業に触れることだと思っています。理想をいえば、すべての業界の1位から3位の企業に行ってみてください。そうすれば、その企業の文化や可能性、価値や事業がわかってきます。そのうえで、なぜそこを選ぶのか、何のためにそこへ行くのかという目的意識を持った選択をしてほしいと改めて思います。
独立や起業をしたい学生には、どんどんチャレンジしてくださいと伝えたいです。いまの時代、チャレンジには勇気がいりますし、横並びの生き方を教えられてきたかもしれません。それでも、出る杭は打たれません。失敗しても、誰かが必ず助けてくれますし、それだけの気概があれば何度でも立ち上がれます。思い立ったときに、思い立った仲間と思い切ってチャレンジしてみてほしいです。本気でチャレンジする人は、多くの大人や社長が助けてくれるものだと思っています。
20代でつける筋肉
もう一つ加えるなら、20代のうちにコストパフォーマンスやタイムパフォーマンスばかりを気にするのではなく、とにかく筋肉をつけたほうがいいと思っています。何かやりたいと思ったときにできるだけのスキルは、30歳からではなかなか身につきません。家族もできて背負うものが大きくなるぶん、しんどさも増えます。20代でどれだけの筋肉をつけられるかが、残り30年のキャリアを大きく変えます。
営業力でも、コミュニケーション力でも、数字を読む力でも何でもいいので、自分がやり切ったといえる力を20代で身につけておくこと。それが、その後のキャリアを変えていくと思っています。
編集後記
今回、山口さんのお話を伺って、事業の規模拡大以上に「人と人との信頼」を大切にされている姿勢が印象的でした。テレアポ一日100件以上という泥臭い経験の先に、いまの密着したお客様との関係があるのだと知り、成果は一足飛びには生まれないのだと実感しました。20代でつける筋肉というお話も、いま学生である私自身にとって、とても身につまされるメッセージでした。ありがとうございました。