リクルート出身、求人広告の専属代理店として創業
独立支援制度から始まった
弊社の設立は2004年です。前職であるリクルートの独立支援制度を経て起業いたしました。創業当初は求人広告領域に特化した専門代理店として事業を開拓し、そこから現在の基盤となる採用支援事業を広く展開していくこととなりました。
定着しないスタッフたちと向き合い続けた日々
人の問題に悩み苦しんだ経営者人生
苦労してきたことでいうと、人を採用してはすぐやめて、という状態がずっと続いていたことですね。求人広告をメインでやっていた頃は、最大で16名のスタッフがいた時期もありました。けれども、本当に入っては辞めて、入っては辞めての連続で、経営者人生のほとんどは人の問題で悩み、苦しんできた時代だったという感じがあります。
正解はなく、模索し続けるしかない
そこに対しては、毎回工夫をしながら定着化を図ろうとしてきました。ルールをしっかり決めて厳格にやっていこうとしたり、あるいは一転してフレンドリーにやっていこうとあだ名で呼び合ったり、業績のみで見ていって成果報酬でどんどん収入を上げていく形にしました。あらゆる形で、どうすればみなさんが定着して、なおかつ会社の業績が上がっていくのかをずっとチャレンジし続けてきました。
そこで明確に気づいたのは、これをしたら定着するという正解はないということです。試行錯誤しながら、偶然的に当たったらこうなるけれど、当たらなかったらまた模索し続けていくしかない。そこに正解はなくて、100点ではなく60点くらいを、平均よりちょっとだけ良いくらいをどう求めていくかというものなんだろうな、と今は思っています。
コロナ禍を経て外国人材へ大きくシフト
外国人と仕事をするほうが合っていた
コロナ禍を機に従来の採用支援事業が大きな打撃を受け、組織の縮小を余儀なくされましたが、結果として現在の少数精鋭でのベストな体制へと繋がりました。実はそれ以前から、私自身のマネジメントスタイルとして、国籍に縛られない外国人スタッフとの働き方に強い手応えを感じていたのです。彼らは非常に定着率が高く、一過性ではない強固なチームを築けると確信し、舵を切りました。現在は7名中3名が外国人スタッフという構成ですが、社内は非常に円滑に機能しています。組織体制を刷新したことで、この5年間は人材に関する悩みが本当に無くなりました。
YouTubeとTikTokで発信を続けてきた理由
2年間、反応がなくても続けられた理由
去年は書籍を出すこともできて、少しずつ知られるようにもなってきました。現在はチャンネル名「横山ジンの外国人HRチャンネル」で、通常動画を週1本、ショート動画を週2本発信しています。ショートのうち1本は制作会社に委託していますが、通常動画1本ともう1本のショート動画は私で撮影も編集もしています。
2022年から始まって、反応が出だしたのは2024年くらいからです。それまでの2年間はまったく何の反応もない中で、ひたすら動画を上げ続けていました。かなり精神的には大変でしたね。それでも続けられたのは、完全に私のルーチンワークに入れてしまったことが一番の強みだったと思います。朝の空いている時間にシナリオを書いて、土曜日の朝に撮影して、編集して、月曜日に投稿する。ここで収益がどうとか反応がどうとかを考えるのではなく、これが私の仕事だと思ってずっとやってきました。もうひとつ大きかったのは、ちょうど子どもが大きくなって、家族でどこか出かけることも減っていたので、土日の時間が空いていたことです。
チャンネル登録が伸びない今の悩み
現在、悩んでいるのはチャンネル登録者数がなかなか伸びないことです。今8,000人近くまで来ていて、今年中か来年の早いうちには1万人に到達したいと思って頑張っています。しかしながら最近はYouTubeもTikTokも、おすすめでどんどん動画が出てくるので、チャンネル登録をしなくても見逃すことがあまりないんですよね。だから「横山さんの動画、毎回見てますよ」と言われて、それでチャンネル登録していると思ったら実はしていなかった、ということもよくあります。情報を出しているだけではチャンネル登録にはつながらなくて、この人を応援したいと思ってもらえるようなファン化を意識して動画をつくるようにしています。TikTokはYouTubeショートの動画をそのまま活用していて、そちらに強くアプローチをかけているわけではありません。
「外国人雇用のトップランナー」を目指して
名前が最初に挙がる存在になりたい
今後のビジョンとしては、外国人雇用というところでトップランナーになりたいと思っています。誰かが外国人材の仕事の話をしたときに、「その業界なら横山仁という人がいるんじゃなかったっけ」と、まず最初に名前が挙がるような存在になっていきたいんです。そのために、もっとメディアに出ていける可能性がないか、今も模索を続けています。書籍についても、来年また1冊出したいと考えているところです。
学生のみなさんへ。身近な外国人との出会いがマーケットを見る目になる
縮小する日本市場と、身近な外国人という入り口
外国人を受け入れている立場からお伝えしたいのは、これから日本のマーケットだけを対象にした仕事では難しくなっていくということです。円の価値は下がり、日本のマーケット自体もどんどん縮小しています。だからといって、いきなり海外に出ていくのはハードルが高いですよね。そこでおすすめしたいのが、身近にいる外国人と仲良くなることです。
たとえば私は愛知県の人間ですが、愛知県の製造業はベトナムに進出しているケースが多いんです。それは、ベトナム人の技能実習生を受け入れて、その方たちを通してベトナムのマーケットを見られたから。ここは成長していくと感じて進出し、実際にうまくいっているところがたくさんあります。最近は製造業だけでなく、飲食チェーンなどでも同じような流れが出てきています。私の知人が経営するラーメンチェーン店は、3年前にホーチミンで海外1号店を出したのですが、そのとき、現地の1杯の単価を当時愛知県の店舗で出していた価格より150円高い設定にしました。当時のベトナムと日本の平均収入の差を考えれば無謀にも思える値付けですが、実際には大成功しました。現地のマーケットをしっかり捉えて出したからこそ、成功したのだと思います。
外国人の友人を通して、世界を覗いてみてほしい
これは経営者だけの話ではなく、これからのみなさんにも当てはまると思います。たとえばベトナム人やインドネシア人の友人ができれば、そこから2億8,000万人という大きな市場を覗くこともできる。日本でこんな仕事をして、そこにつながる仕事を求めていこう、という発想も生まれてくるはずです。海外のマーケットを見据えるために、今日本にいる外国人と仲良くなっておくことは、これからの若い世代にとって大きなチャンスだと思っています。
海外旅行は正直どこに行ってもかなり費用がかかるので、学生のみなさんが頻繁に行くのは難しいと思います。だからこそ、身近にいる外国人と仲良くなるほうが、手軽に世界とつながる方法だと思いますよ。
編集後記
今回、代表の横山さんにお話をうかがい、人材の定着に悩み続けた時代から、外国人材という新しい可能性に出会い、発信を続けてこられた過程がとても印象に残りました。とくに、身近な外国人との関わりから海外のマーケットを見る視点を持てるというお話は、これから社会に出る私たち学生にとってもすぐに実践できるヒントだと感じました。取材のお時間をいただき、ありがとうございました。
メタディスクリプション:愛知県名古屋市で外国人雇用を支援する株式会社ジェイタウン代表・横山仁さんに、創業の経緯や人材定着への挑戦、YouTube発信、学生へのメッセージをうかがいました。