インタビュー

ガソリンスタンド勤務から23歳で起業——自動車・美容・越境ECへと広がった挑戦

ガソリンスタンド勤務から23歳で起業——自動車・美容・越境ECへと広がった挑戦
PROFILE
株式会社Glint Works 代表取締役
宮脇 健吾

福井のガソリンスタンドから東京へ

5年勤めた会社をやめて上京

23歳の時に起業しました。今31歳なので、ちょうど8期目になります。地元が福井でして、高校を卒業してから、地元でガソリンスタンドの社員として5年ほど働いていましたね。そして22歳の時に、会社をやめて東京に出てきました。

右も左もわからないまま、ただ「社長になりたい」と考えて上京したのが、起業のきっかけです。ただ、身内に某上場企業の社長がいたりとか、周りの影響もすごくありましたね。

家族に胸を張れる仕事がしたい

東京に出てからは、美容材やサロンの専売品を扱う会社に1年ほど勤めてから、独立する形で起業しました。初めは個人事業主としてやっていて、法人化したという流れですね。

起業の背景には、誰かの助けになりたいとか、世の中に貢献したいという気持ちも強くあります。「ありがとう」という言葉をどれだけ多くもらえるかというところに、体力的な部分や、時間のリソースを注いできたような気がしますね。

家族に対して、こういった仕事をして世の中に貢献してきたと、胸を張って言えるかどうかが、非常に大事だと思っています。

今も変わらない苦労

会社を経営していく上では、集客・採用・売上・人材・資金など、さまざまな課題に向き合わなければいけません。こうした部分は、どの経営者も苦労しているところではないでしょうか。

私自身、知名度がないノーブランドの状態からスタートしたこともあり、人的資本がないなど、クリアしきれていない課題があります。

株式会社Glint Worksという会社の代表ではありますが、メガブランドのように名前を聞いただけで、「何をしている会社なのか」が伝わるような状態ではありません。社名を聞けば多くの人に、事業内容をイメージしてもらえる会社を目指したいと思っています。

だからこそ、まずは目の前のお客様との関係を、大切にすることを意識してきました。既存のお客様に満足してもらい、信頼関係を築くことで、少しずつ会社の認知を広げていきたいと思っています。

3つの事業を柱に据える

自動車業界に特化したクリエイティブ支援

弊社の柱となる事業は3つあります。1つ目は、自動車業界に特化したクリエイティブの制作やSNSの運用、広告の代理事業です。私自身がガソリンスタンドで働いていた経験に加えて、これまで企業様とのタイアップなどを通じて、自動車業界に関する知見を蓄積してきました。

それを活かして、SNSなどで発信するコンテンツの制作から投稿の代行、さらに広告を活用した認知の拡大まで、一貫して支援しています。

自動車業界に特化しながら、クリエイティブの品質にこだわり、制作から認知拡大まで一貫して対応できるビジネスモデルは、なかなか他にはないと思っています。

美容ディーラーの事業

2つ目は美容事業です。美容師さん向けに、サロンで使うシャンプーやトリートメント、消耗品などの専売品を卸しています。いわゆる美容ディーラー業ですね。そういった商品の小売りを、代理店販売という形で担っています。

東南アジアへの越境EC

3つ目は、2つ目と少し重なる部分もあるのですが、越境ECの事業です。東南アジアのプラットフォームを使って、日本のものを海外に輸出しています。いわゆるアウトバウンドの取り組みですね。

日本国内で売れている商品、特にドラッグストアやディスカウントストアで人気の商品は、基本的に海外でも売れるんですよね。

私の場合は、美容ディーラーさんとの付き合いが多くあるので、そこから何が売れる商材なのか何となく分かります。そういった経験や知見を活かしながら、日本の商品を海外に届けています。

これから目指す景色

高級路線への挑戦

今後は、弊社のクリエイティブをより高級感のある方向へ、積極的に伸ばしていきたいと考えています。例えば、自動車ならフェラーリやランボルギーニ・ポルシェのように、ブランド価値が確立されている企業や商品です。

さらに、高級ホテル・高級温泉といった分野とも連携しながら、ブランドの世界観を活かしたクリエイティブの制作や、イベントにも取り組んでいきたいですね。

海外に目を向けたさらなる挑戦

さらに中長期的には、越境ECの事業をもっと強化していきたいと思っています。あわせて、いつか海外に出て修行のような形で、いろいろ学びたいという気持ちもあります。

海外の方は、自分の思いを伝えるのがとても上手なんですよね。コメントの作り方ひとつ取っても上手です。そういった表現力はすごく大事だなと感じていて、いつか吸収しに行きたいのですが、今は事業が多くて日本をあまり出られないというのが正直なところです。

現状は事業の売上と、喜んでくれるお客様を増やしていくこと。そして自分がつくり上げた利益を、企業様の役に立つ形で広げていきたいと思っています。

学生時代と、いまも大切にしていること

少年サッカーと仲間の存在

学生時代は、少年サッカーをやっていました。クラブチームに所属していて、親からは「レギュラーになれないならやめさせる」と言われていたので、ある意味ではプレッシャーのある環境だったと思います。

当時を振り返ってみると、特に大きかったのは仲間の存在ですね。周囲からは「守りすぎる」「優しすぎる」と言われることもありましたが、それだけ仲間を大切にしていたのだと思います。

学生へのメッセージ

続けることで見えてくるもの

学生さんや、20代前半の方からよく聞かれる質問に、「自分が何をやりたいのか分からない」「何をすればいいのか分からない」というものがあります。私自身の経験から言うと、1つの企業に勤めるにしても、やり続けることが非常に大事だと思っています。

例えば、対面接客の仕事をしていたとして、続けていくうちに自分のことが分かるようになるんですよね。人と話すのが好きだとか、マネジメントの仕組みをつくるのに興味があるとか、ポジティブな部分が見えてきます。

そこを伸ばすには、続ける以外に方法がないんですよね。続けることで経験が積み重なり、自分に向いていることや、強みなども分かると思います。

「やっていてよかった」と思える瞬間がある

会社員として働いていても、7割・8割はつらいとか、つまらないと感じることばかりです。でも、残りの1割・2割の瞬間に、「これをやっていてよかった」と思えることがあるんですよね。

だからこそ、そこにたどり着くまで、やり続けられるかどうかが大事なんじゃないかと思います。やりたいことが分からない学生さんも多いと思いますが、学生のうちからやりたいことを見つけるのは、そもそも難しいと思うんですよね。

だから、今すぐやりたいことが見つからなくても、まずは目の前のことを続けながら、自分に合うものを少しずつ見つけていけばいいと思います。

編集後記

今回のインタビューは、笑いと学びに満ちた時間になりました。宮脇さんは、ガソリンスタンドの勤務から、「社長になりたい」という野心で上京し、自動車・美容・越境ECと複数の事業に取り組んできたバイタリティの持ち主です。

「やりたいことが分からないなら、目の前のことをやり続ける」というメッセージは、情報過多で迷いやすい今の学生にとって、重要な指針になる言葉だと思います。あたたかい人柄が印象的でした。貴重な時間をありがとうございます。