求人データで、労働市場を可視化する
弊社の事業は、ニッチな事業だとよく言われます。ひとことで言うと「求人データ」を提供する仕事です。どの会社がどんな仕事内容で、いくらの賃金で求人を出しているのか、その情報をリクナビやマイナビ、タウンワークといった求人サイトから集めてきて、データとして提供しています。
これらの求人データは、営業リストとしてご活用いただくことが一番多いです。どの企業にアプローチするべきかを調べるためのデータとして、人材業界のお客さまに使っていただいています。もう一つは、物価高に対して賃金がどう動いているのか等の労働市場を調べるためのデータとして、官公庁や研究機関にも提供しています。
弊社が選ばれる理由は、データの量とその蓄積期間にあると思っています。求人データを集めている企業はほかにもありますが、弊社では中小規模の求人サイトはもちろん、地方に特化した求人サイトや職種に特化した求人サイトのデータにもアプローチしているため、データ量が豊富です。また、弊社は10年以上前からデータを集め続けているので、過去にさかのぼって傾向を見ることができる。これは今からでは作れないデータなので、大きな強みになっていると感じています。
「悔しさ」がキャリアを動かした
給与が上がらなかった悔しさ
法人営業ができるようになって、成績も残せるようになった社会人2年目のころ。「これで昇給するだろう」そう思っていたタイミングで、会社の事業状況により給与が上がらないことがあったんです。それがすごく悔しくて。自分だけの話ならまだしも、これから後輩たちも同じ壁にぶつかっていく。頑張っても給与が上がらないかもしれない、この待遇のまま働き続けることになるかもしれない、そう思った時に、自分の中で何かが変わった気がします。
責任の範囲を広げていく
そこから、本当に小さなことから始めました。ゴミ箱のゴミは自分が捨てる、先輩が対応しきれていないメールは自分が拾う等、まずは誰にでもできることを誰よりもやる。そうやって少しずつ自分で自分の責任範囲を広げていく中で、任せてもらえる仕事が増えていきました。チームのマネジメントに関わるようになり、だんだんと見る範囲が広がっていって、気づいたら今のポジションにいた、という感覚です。
代表になって直面した壁
「組織づくり」への想いと、社外からの期待のズレ
代表になってから最初につまずいたのは、自分がやりたいことがなかなか周りに伝わらなかったことです。経営として何を頑張るかを考えた時、私は「この会社をどんな組織にしていくか」をすごく大事にしたいと思いました。ただ、ほかの経営者の方たちに「代表になって何がしたいんですか」と聞かれた時、「新規上場を目指して事業をこう伸ばしたい」とか「新しいプロダクトを作りたい」という答えのほうがキャッチーで伝わりやすいんですよね。組織をこういうかたちにしていきたい、という話は、なかなか理解されませんでした。『上場や新プロダクト』といった分かりやすい成功ストーリーを期待される中、地味な組織の話をすると少しポカンとされる。そのもどかしさは、代表になって最初に感じた孤独だったかもしれません。
外より内を大事にする
そこで大事にしたのは、外部からどう見られるかよりも、目標に向かってメンバーがちゃんとついてきてくれることでした。こんな組織になりたいという思いをメンバーにきちんと伝えて、それを実現するための仕組みを作っていく。まずはそこを優先しようと決めました。
これから目指す組織のかたち
弊社が今、一番活用いただいているのは人材業界のお客さまで、全体の8〜9割ほどを占めています。この安定した基盤があるからこそ、私たちはさらに新しい領域へ挑戦し続けられるのだとも感じています。残りは官公庁、不動産業界、研究機関です。今後は、この業界の幅をさらに広げていきたいと考えていますし、これまで軸にしてきた人材業界に対しても、もっと価値を届けていきたいと思っています。
事業戦略だけでなく、組織としての戦略を我々は重視しています。外部環境の変化を恐れるのではなく、むしろその変化を楽しみ、乗りこなしていける組織を作ることこそが、今の時代における『最強の戦略』ではないかと思っています。私自身、代表になってから『組織づくり』という一見遠回りに見える道を大切にしてきましたが、それは結局、こうして変化の激しい時代をサバイブし、かつ楽しむための唯一の近道だと確信しているからです。
学生に伝えたい「選ぶ力」を身につけてほしいということ
正解は後からしかわからない
新卒採用の面談で学生さんと話していると、正解を選びたい、間違えたくないと思っている方が多いように感じます。ただ、その選択が正解かどうかなんて、かなり後になってからしかわからないです。大事なのは自分の選択に納得感をもち、あとは「自分の選択を正解にしていくぞ」という選択後の行動です。だからこそ学生時代のうちに身につけてほしいのは、正解を当てる力ではなく、自分の中で「選ぶ力」だと思っています。
心が動いた理由を振り返る
選ぶ力を育てるために意識してほしいのは、自分の選択に目を向けることです。自分が違和感を感じるのはどんな時か、どんな時にワクワクしたり行動したくなったりするのか。その理由を積み重ねていくことが、自分の価値観をかたちづくっていくのだと思います。まずは心が動くままに行動してみる。そして、なぜ自分はその行動を取ったのかを振り返ってみる。そんな経験を積み重ねたうえで会社選びをしてもらえると、より納得感のあるファーストキャリアを選べるのではないかと思います。
私たちの採用コンセプト「#すっぴん採用」では、過去の出来事だけを評価基準にはしません。「リーダー経験があるから高評価」や「空白期間があるから不合格」という判断をするのではなく、その経験から「何を感じ、どう自分自身をアップデートしてきたか」という思考のプロセスをぜひ聞きたいと思っています。その姿勢と私たちのバリューが共通する方であれば、フロッグという場所で、一緒に素晴らしい成長を遂げられると信じています。
編集後記
「選ぶ力」という言葉が、とても印象に残る取材でした。正解のない時代だからこそ、誰かの正解をなぞるのではなく、自分の心が動いた理由に目を向けて選び取っていく力が必要なのだと感じました。阪野さんご自身が「責任の範囲を広げる」ことで少しずつキャリアを切り拓いてきたお話は、就職活動を控える身として、選択に迷った時にこそ思い出したいエピソードです。貴重なお話をありがとうございました。