「作る」ことより「解決する」ことを大切にしている
単純な制作会社ではない
弊社は札幌を拠点にしていますが、お客さまの多くは関東圏をはじめ全国にいます。実際に手がけているのは、企業のホームページ制作やWebマーケティング、システム開発、SNS運用などです。ただ、自社を単純な制作会社だとは考えていません。
たとえば「ホームページを作りたい」というご相談をいただいても、話を聞いていくと、本当の課題が採用にあったり、問い合わせが少なかったり、会社の強みを整理できていなかったりすることも少なくありません。
なので、まず何かを作るのではなく、何を解決したいのかを整理する。そのうえで会社の強みを言語化し、誰に何を伝えてどう問い合わせや採用につなげるかまで設計する。ここまでが弊社の仕事だと考えています。
建設業をはじめ「現場」に向き合う仕事が多い
現在、特にご相談が多いのは建設業です。 そのほかにも医療や保育・介護、飲食店など、現場で頑張っている人たちの事業をお手伝いすることが多いです。現場を見ると技術が高かったり、社員を大切にする会社さんがたくさんあるのですが、ホームページを見てもその違いがまったくわからないケースが少なくありません。だからこそ、現場の強みをしっかり見つけて、それをWebで正しく伝えたり、マーケティングにつなげたりする。とにかく現場に向き合って課題を解決していくうちに、結果的に事業の幅が広がっていったという感覚です。
12歳のホームページづくりから今につながる道のり
12歳、ゲームのHPづくりが原点
当時、オンラインゲームをやっていて、所属していたチームのホームページを独学で作っていました。それを一緒にゲームをしていた年上の方たちに褒められて、自分が作ったものを誰かに見てもらって喜んでもらえたのが、シンプルにうれしかったんですよね。結果的に、それが今の仕事につながる原点だったと考えています。もちろん当時は、将来Web制作会社を経営しようなんて考えていたわけではなく、学生時代もあくまで趣味のレベルで、お金を稼いでいたわけではありません。
広告代理店で感じた物足りなさ
学校を卒業してからは広告代理店に入社しました。Webだけでなく、チラシやポスター、看板といった紙媒体も含めて、さまざまな企業の販促や集客に関わっていました。その一方で、実際に感じたのは、何かを作ったからといってすべての問題が解決するわけではないということです。広告代理店だと、広く浅くいろいろな事業に関わることにはなるのですが、ひとつの事業を深くやっていく経験がありませんでした。その部分をもっと見てみたいと思い、買取業界のインハウスデザイナーとして転職しました。そこで6年ほど、Webやデザイン、マーケティングを含めて、ひとつの事業を伸ばすための実務にじっくり携わりました。
コロナ禍が後押しした独立
2020年に株式会社JOB SOLUTIONを設立しました。ちょうどオンライン会議やリモートワークが一気に普及した時期です。札幌にいても、東京をはじめ全国の企業と対等に仕事ができる時代になったと感じたことが、起業を決めた大きな理由になっています。
少数精鋭で回している理由
Web経由・紹介を中心にした少数精鋭の体制
現在は自分ひとりの会社に、業務委託の方が5名ほど関わっている体制です。特にWeb制作については、Web経由のお問い合わせや、ご紹介、既存のお客さまからのご相談が中心です。
自分自身は、企業の課題を整理したり、事業の強みを見つけたりする部分にできるだけ時間を使い、制作については得意分野を持つメンバーと連携して進めています。
一番難しいのは「本当の課題」を見つけること
社会人になってから、作る技術以上に、相手の本当の課題を見つけることの難しさを感じてきました。 お客さまから「ホームページを作りたい」と言われても、作れば解決するとは限りません。採用の課題なのか、営業の課題なのか、会社の強みが伝わっていないだけなのか。それによってやるべきことは変わってきます。依頼されたものをただ作るだけならとても簡単なのですが、それでは成果につながらない。だからこそ、制作する前にヒアリングをして事業を理解することを大切にしています。
建設業DXへの挑戦と、これからのビジョン
建設業向け工事写真DX「イレトル」
Web制作を通じて建設会社さんと関わることが多い中で、ホームページ以外にも現場で解決できる課題がたくさん見えてきました。そこで新しく始めたのが、建設業向けの工事写真管理・報告書作成DXサービス「イレトル」です。 これまで、現場で職人さんが撮影した写真を管理者が回収し、整理して報告書を作るという作業に時間がかかっていました。このサービスでは、管理者が必要な撮影項目をあらかじめ設定し、職人さんはスマートフォンで指定された写真を撮影します。撮影した写真は管理側に送られ、工事写真の整理や台帳・報告書の作成を効率化できます。
大切にしているのは、現場の人に新しく難しいシステムを覚えてもらうのではなく、今の仕事のやり方をなるべく変えずに楽にするという考え方です。
あえてAIを使わない理由
このサービスは、実はAIを一切使っていません。何でもAIを入れようという世の中の流れがあると思いますが、AIを使うこと自体が目的になってはいけないと考えています。AIが向いている部分には使いますし、人が判断したほうがよい部分はシンプルな仕組みのまま残す。そのほうが現場としても使いやすいからです。DX(デジタルトランスフォーメーション)とよく言われますが、少なくとも現場のDXでは、テクノロジーを導入しただけで終わるのではなく、実際に仕事のやり方が改善され、現場の負担が減ることが重要だと思っています。
弊社自身は、Web制作や情報整理、開発などでAIを積極的に活用しています。一方で、イレトルには現時点でAIを使っていません。
AIを使うこと自体を目的にするのではなく、業務ごとに本当に必要なのかを考えることが大切だと思っているからです。
建設現場では、管理者が必要な写真を判断して職人さんに指示することも重要な仕事です。そこまでAIに任せるべきなのか、導入・運用コストに見合うのか、現場の方にとって本当に使いやすくなるのか。そういった点を考えた結果、現在のイレトルではシンプルな仕組みを選択しています。
AIを使うべきところには使う。使わない方がいいところには無理に入れない。その判断を大切にしています。
「誰の課題を解決するか」を軸にした会社でありたい
現在、建設業をはじめとして、いい仕事をしているのにその魅力が十分に伝わっていない企業をもっと支援したいと考えています。同時に、企業と深く関わっていくと、Webサイトだけでは解決できない課題があることもわかってきました。将来的には、制作会社という枠を超えて、Webやシステム、マーケティング、そして必要であればAIも使いながら、課題にあわせて最適な方法を提案できる会社にしていきたいと思っています。AIを使う会社やシステムを使う会社になりたいわけではなく、必要なものを正しく選んで、企業の仕事をより良くする会社でありたいと思っています。
学生時代は、好きなことを深くやってみてほしい
「役に立つかどうか」を考えすぎなくていい
12歳の頃、オンラインゲームのホームページを作っていたときは、それが仕事になるとは正直思っていませんでした。だから、学生の方たちも、将来役立つことをやらなければと考えすぎなくていいと思っています。面白いと思ったことや好きなことを、一度深くやってみる。それがめちゃくちゃ大事だと思っていますし、後から仕事につながることもあります。
特にこれからは、AIによってWebサイトやデザイン、文章を作ることそのものが簡単になっていきます。だからこそ大切になるのは、何を作るかよりも、誰の課題を解決するかという視点です。AIが使えることそのものより、いろいろな選択肢のなかから、今何を使うべきかを判断できる人になってもらえたらうれしいです。
編集後記
今回のお話でとくに印象に残ったのは、12歳のホームページづくりというごく個人的な体験が、そのまま今の事業の原点になっているという点です。そして、AIが当たり前になる時代だからこそ、「誰の課題を解決するか」を考え続けるという姿勢は、就職活動でAIに頼りきりになりがちな私自身にも、あらためて考えさせられる言葉でした。