大学時代、組織づくりの原点
手を挙げなかった後悔
大学時代は、なんかそこまですごくやっていたかっていうと、正直あまりないんですよね。授業も基本は全部出て、テスト勉強も事前に終えて、みんなにテキストをコピーして配るような側にいたので、どちらかというと真面目にやっていたタイプの人間で。成績にこだわっていたわけでもなく、バイトも暇な時にやるくらいの感覚でした。
サークル代表で見えたもの
ただ、サッカーのサークルだけは、ちゃんと組織としてやりたいなという思いがあったんです。高校時代、サッカー部でキャプテンをやるかやらないか、手を挙げるかどうか迷った結果、手を挙げずに終えてしまった経験があって。そこに対する小さな後悔がずっとあったので、大学ではサークルの代表を引き受けて、1年生から4年生まで、OBとのつきあいも含めてやり切りました。良いチーム作りというものをそこで体験できたのは、大学生としては一番良かった時間だったと思います。
船井総合研究所での十六年
コンサルタントとして
大学を卒業したあと、株式会社船井総合研究所に入社しました。基本的にはみんなコンサルタント職なので、私も入社から退職までコンサルタントとしてやっていました。2010年ごろからリーダーになってグループを持つようになり、2017年に部長になったので、残りの5年ぐらいはマネージャーとして働く側の仕事をしていた感じです。
崩壊寸前の組織を任された
その中で、自分はなかなか厳しい部署、人が多く辞めてしまう部署に入ることになって。最後は部長として三年間、その部門を受け持ちました。人がどんどん辞めていく組織にいると、自分自身もしんどかったし、そこで働くみんなもあまり楽しくなさそうで。何のために仕事をしているのか、もっと言うと何のために生きているのかが分からなくなるような状況で、これはあまり綺麗ではないなと感じていました。
起業のきっかけ
会社に、やりたいことがなかった
もともと辞めるつもりだったわけではないんです。ただ、その部署の立て直しをやったあとに会社に目を向けたとき、自分が本当にやりたいと思えるものが、その会社にはなかった。だとしたら自分は何がやりたいのかと考えたときに、会社作りというところに自分の時間を割いていきたいと思ったんですよね。
だから自分でつくった
そうして、まさに会社をつくることだけに時間を使えるような場所として、2020年につむぎ株式会社を立ち上げました。離職率の高い部署の立て直しを経験したからこそ、組織や人に対する自分のやりたいことに、前職の中ではやりきれない部分があると気づけたんだと思います。
つむぎ株式会社の強み
葬儀業界と中小企業に特化
弊社の強みは、業種に特化した人や組織のサポート企業であるというところです。人や組織をサポートする会社は世の中にたくさんありますが、弊社は葬儀業界という業界と、中小企業という規模感である種特化しています。中小企業さんは人や組織の専門家を社内に置いていないことが多いので、そこに貢献できますし、業界に特化しているからこそ、お客様の話を細かく聞かなくても、こちら側でくみ取って提案できる部分があります。採用の話も、会社の規模感を伺えば、その職種に何人ぐらい必要かも大体わかりますし、教育に関しても、どういう仕組みでどんなマニュアルが必要かを、他社の事例も踏まえて提供できます。
上からも下からも組織づくり
それに加えて、人や組織の改善という話をすると同時に、そこで働く一人ひとりの思いや考えも大切にしたいと思っています。上から押しつけるのではなく、働く人の声ややりがいも大切にする。思いの言語化をしながら組織をつくるコンサル的なアプローチもおこなうことで、上からも下からもいい組織づくりに貢献できるところが、弊社の強みだと思っています。
やりがいの源泉を見つける
パーソナルブランドブック
弊社のサービスに、パーソナルブランドブックというものがあります。これは、社員さん一人ひとりにインタビューをして、どんな思いで働いているか、その思いに至った原点は何かを深掘りしていくものです。やりがいの源泉は、基本的にはそういった原体験に紐づいているものだと思うので、そこにどこまで深く入り込めるかが、やりがいを探すうえでとても大事になります。そこまでたどり着いて、それを弊社のほうで言語化してあげることで、本人がやりがいに気づくきっかけを届けられることもあります。
やりがいは自分の中にある
やりがいの源泉は、基本的には自分の中から出てくるものだと思っています。他者から見られることによってのやりがいというのは、いわゆる承認欲求と言われるものであって、やりがい自体は、承認されることのさらに上にある自己実現の世界にあるものです。承認されないとその世界にたどり着きにくいかもしれませんが、大事なのはあくまで外的なものではなく、自分で気づくきっかけを得ることです。それが見つかれば、やりがいにまで膨らんでいくのではないかと思います。
ビジョンとミッション
働くはやりがいに
弊社がVission(Vision×Mission)として掲げている言葉に「働くはやりがいに、そして人生を幸せに」というものがあります。やりがいを持って働く人、やりがいを実践する人を一人でも増やしたいという思いです。一人でも働く時間が楽しい、やりがいがあるな、毎日楽しいなと思える人が増えればいいなと思っていて、そのためには、働く場所自体が素敵な会社であればあるほど、そういう人は増えるはずです。社員にとってやりがいが持てて、社会に貢献できるような素晴らしい会社を、弊社がサポートすることで一緒に増やしていきたいと思っています。
学生へのアドバイス
会社を選ぶ前に、自己理解を
会社を見つける前段階の自己理解を大切にしてもらいたいなと思います。自己分析自体は昔からある手法で、改めてやる話ではないと思うんですが、どうしても条件で会社を見てしまったり、自己分析ができたと言う人に聞くと、実はChatGPTと話しただけだったり、という時代になっています。表面上それっぽいものは作りやすくなっている一方で、それで本当に見つけた会社が果たして幸せなのかは、自分自身が働いてきても思うところです。本当に自分がやりたいこと、何が好きで、何が得意で、逆に何が嫌いかを理解できると、それだけで働く場所を見つけやすくなるはずなので、自分の理解を深める時間をとても大切にしてもらいたいです。
つむぎを通じていい会社を一社でも多く、日本に生み出していけたらと思っています。
編集後記
前田さんのお話を伺って、離職率の高い組織を立て直す中で見えた「やりたいこと」が、そのまま創業の原点になっているのが印象的でした。就職活動をしていると、つい条件や知名度に目が向きがちですが、自己理解を深めることの大切さを改めて考えさせられました。ものごとの表面だけでなく、自分の内側にある「やりがいの源泉」に目を向けてみようと思います。