比較するための情報が不足している業界だった
弊社は、パーソナルジムに特化したマーケティング支援を行っています。
現在は、自社サービスとして「ジムセレ」というパーソナルジム比較ポータルサイトも運営しています。もともと私は、比較メディアをつくることを得意としていて、この領域に携わってきた経験は約15年になります。
その中で、なぜパーソナルジムという市場に注目したのか。理由はシンプルで、「高額なサービスにもかかわらず、ユーザーが比較するための情報が十分にない」と感じたからです。パーソナルジムは、入会金や月額料金を含めると決して安いサービスではありません。それにもかかわらず、利用者が「自分に合ったジムはどこなのか」を判断するための基準が、まだ十分に整っていないと感じました。
店舗ごとの差が大きいからこそ、選ぶ基準が必要だった
情報の非対称性に、ビジネスチャンスがある
パーソナルジム業界の特徴は、店舗ごとの違いが非常に大きいことです。
大手チェーンと個人経営のジムでは、サービス内容や価格、トレーナーの考え方、提供している価値まで大きく異なります。しかし、利用者から見ると、その違いを正しく理解することは簡単ではありません。
「どこが自分に合っているのか」
「料金に見合った価値があるのか」
判断する材料が少ない状態で選ばなければならない。この情報のギャップにこそ、私たちが解決できる課題があると考えました。だからこそ、「ジムセレ」では単に店舗を掲載するだけではなく、中立的な比較情報を提供し、ユーザー自身が納得して選べる基準をつくることを大切にしています。
特化領域と中立性が、私たちの強み
パーソナルジムに向き合い続ける
マーケティング支援会社は数多くありますが、パーソナルジムに特化して支援している会社は多くありません。もちろん、サロンやエステなど近いヘルスケア領域を扱う会社はあります。ただ、パーソナルジムという一つの領域に深く入り込み、業界構造やユーザー心理を理解しながら支援している点は、弊社の特徴だと思っています。また、比較サイトという領域では、大規模なメディアも存在します。その中で私たちが大切にしているのは、規模で競争することではありません。15年間、比較メディアに向き合ってきた経験を生かし、「ユーザーにとって本当に必要な判断基準を提供する」という部分で価値を出していきたいと考えています。
全国のジムと向き合い、個人オーナーの右腕になる
大手だけではなく、地域のジムにも光を当てる
「ジムセレ」では、全国のパーソナルジムを幅広く掲載しています。多くのポータルサイトでは、大手ブランドを中心に掲載しているケースもあります。一方で弊社では、個人で運営されているジムにもこちらからアプローチし、掲載の機会を提供しています。パーソナルジム業界には、100店舗以上を展開する企業もあれば、トレーナー一人で運営している店舗もあります。規模は違っても、それぞれのジムには「なぜこの仕事をしているのか」という想いや強みがあります。私たちは、そうした個人オーナーの想いにも向き合っていきたいと考えています。
マーケティングの力で、ジム経営者を支える
「ホームページがない」から始まる課題もある
個人経営のジムでは、まだホームページを持っていないケースもあります。
また、マーケティングの知識が不足していたり、必要性は理解していても人手や時間の問題で実行できなかったりすることもあります。もちろん大手企業と仕事をすることにも価値はあります。ただ、私たちが目指しているのは、そうした課題を抱えるジムオーナーにとっての「右腕」のような存在になることです。集客やマーケティングの部分を支援することで、トレーナーの方々が本来向き合いたいサービスづくりに集中できる環境をつくりたい。その積み重ねが、結果としてパーソナルジム業界全体の発展につながると考えています。
AI時代だからこそ、人にしか書けない価値を届ける
情報ではなく、経験や想いを伝える
現在、一般的な情報や知識はAIを活用すれば簡単に得られる時代になっています。
だからこそ、これからのコンテンツで大切になるのは、単なる情報提供ではないと思っています。私たちは、個々のトレーナーがどんな想いで仕事をしているのか、どんな経験を積み重ねてきたのかといった、人だからこそ伝えられる部分にフォーカスしていきたいと考えています。
似た構造を持つ業界へ展開していく
大手と個人が共存する市場に可能性がある
今後の展開については、まだ具体的に決まっているわけではありません。
ただ、近い領域としてはピラティスやヨガなどには可能性を感じています。これらの業界も、大手企業が存在する一方で、個人でサービスを提供している方も多いという特徴があります。パーソナルジムで培った知見を生かしながら、同じような課題を抱える市場にも挑戦していきたいと考えています。
学生のみなさんへ
他人の基準ではなく、自分の基準で選ぶ
今の時代は、本当に多くの情報があふれています。その中で大切にしてほしいのは、周囲の基準だけで進路を決めないことです。
もちろん、給与や会社の知名度は重要な判断材料になります。私自身も、学生時代はそうした基準を意識していました。ただ、最終的に大切なのは「自分は何にやりがいを感じるのか」「どんな人生を送りたいのか」ということだと思います。他人の評価ではなく、自分自身が納得できる基準で選んだ道こそ、長く向き合える選択になるはずです。
編集後記
「高額商品なのに比べる材料がない」という一言に、事業の起点がすべて詰まっていると感じました。15年の比較メディア経験を持つ塩路さんが、あえて大手だけを並べず、ホームページを持たない個人店にまで足を運ぶ理由は、市場の穴を埋めるだけの話ではないのだと思います。
私自身も学生ながら事業に関わるなかで、つい規模やわかりやすい実績に目が向いてしまいます。ただ、塩路さんの「自分は何に満足するかを優先して決めてほしい」という言葉は、進路にも事業にも同じように効く問いかけでした。他人の基準を借りずに判断する練習を、今のうちから重ねていきたいです。