インタビュー

夢は言葉にした瞬間から近づいていく

夢は言葉にした瞬間から近づいていく
PROFILE
株式会社アシストユウ 代表取締役社長
小幡 祐己

note
https://note.com/assistyou

学校がつまらなくなった学生時代

勉強はまったく好きじゃなかった

学校を辞めた理由は、単純に面白くなくなったからなんですよね。勉強も、正直まったく好きじゃなかったです。今になっていろいろ勉強してみると面白いなと思うことはあるんですけど、当時はほとんど勉強していませんでした。

一度決めたら曲げない性格

中学生のころからずっと変わっていないのが、一度決めたら曲げないというところです。頑固なタイプなので、多分めんどくさいやつだったと思います。部活はバスケットボールをずっとやっていて、東京に出てきてからも社会人チームに入って、ちょっとだけ続けていました。

芸能活動という経験

20代から役者の道へ

21~22歳くらいのころから、少し芸能活動もやっていました。役者として、ドラマやテレビ、CMなどメディアの仕事が中心で、舞台にはあまり出ていません。オファーがあれば、メディア以外の舞台に立つこともありました。

東京で会社を立ち上げた理由

母がつくったAIカメラとの出会

自分は二代目なんです。もともとの社長は母で、母がつくった会社です。宮崎で母が仲間と開発していたAIカメラがあったんですけど、なかなか展開ができていない状態でした。あるとき、東京でプレゼンがあるからおいでと言われて、母がプレゼンする会場に行ったんです。それを見て、これは結構面白くていけるんじゃないかと感じたのが、最初のきっかけでした。

一人で東京に飛び込んだ

そこから、ちょっと東京でもやってみようと決意し、一人で始めました。学生時代から会社を継ごうと決めていたわけではなく、心のどこかにはあったのかもしれませんが、継ぐつもりはなかったと思います。プレゼンを見てから、AIやカメラをつくることが好きだったこともあって、面白そうだと思い、東京で立ち上げました。宮崎は本社のまま移転していないんですけど、そちらも見てほしいと言われて、代表を引き継ぎました。

母から受け継いだもの

人に好かれる、その天性

母はとにかく人に好かれる人でした。言葉にするのは難しいんですけど、「この人は頼りになる」という声を、知り合いやお客さんからよく聞いていました。性格というか、天性的なものだと思います。

二つの事業の強み

宮崎の電気設備業ソフトは専門特化

宮崎でやっている事業と、東京でやっている事業はまったく違います。宮崎では、電気設備業に特化した見積もり積算やCAD、原価管理、労務管理まで一連でこなせるソフトを、電気業者さん向けだけに展開しています。専門職として、宮崎県内だけでユーザーさんが250社ほどいる規模です。

屋外専用のAIカメラ「モニタリングミックス」

東京支店では、母が開発に関わったAIカメラの事業を、今は全国と海外に展開しています。屋外をメインとしたカメラで、お店や建物で見かける一般的な防犯カメラとは仕組みが違います。誰でも外に持っていって、好きな場所に設置して電源を入れるだけで、すぐに使えるカメラです。カメラと通信機器が一体になっていて、通信はLTE、SIMカードが入っているので、電波が届くところであればどこでも使えます。

さらにAIを搭載することで、屋外での解析ができるようになっています。室内は環境があまり変わらないので難しくないんですけど、屋外は雨が降ったり、夏場の直射日光で機体の温度が40度、45度と上がったりするので、そうした炎天下でもAIで解析しながら使えるところが強みです。

東京での挑戦と壁

飛び込み営業が通じない街

東京は田舎とは展開の仕方がまったく違います。田舎はセキュリティがあまりないので、すぐに「こんにちは」と訪ねられます。しかし、東京はビルばかりで、まずフロントで止められて終わってしまいます。そこをどう突破するかが大変でした。

大きな案件での失敗を取り返す

ありがたいことに人脈もいろいろいただいて、口コミだけでどんどん広がっていきました。ただ、さらにレベルアップしようと大きな案件を取りに行ったときに大きな失敗をしてしまって、そこを取り返していくのが大変でした。

一方で、東京は田舎に比べて情報が取りやすい街です。東京に出たからこそAIカメラが広がりましたし、大手さんとのつながりも増えて、開発にも役立ったと感じています。

これからのビジョン

安心して過ごせる屋外インフラへ

犯罪も増えてきているなかで、屋外を安心・安全で過ごせるインフラとして展開していきたいと思っています。ついているから安心する、そんな存在にしていければと考えていて、プライベートを守ることも大切にしています。

湘南の海を守るカメラ

最近では、日本一と言われる江ノ島の湘南ビーチに、カメラを設置しました。盗撮や置き引きといった犯罪の抑止になるよう、安心・安全な海を提供する取り組みです。同じように、普段の街中でも安心して過ごせる世の中になるよう、インフラをつくっていきたいと思っています。

この仕事のやりがい

カメラが命を救うこともある

犯罪が起きたときに、カメラが証拠になって犯人が捕まったり、大きな被害にならずに済んだりしたという声はよく届きます。使ってくださるのはゼネコンさんなど現場の方が多いので、安全管理や、効率よく安全に工事を進められたという声もいただけるのは、やっていてよかったと感じる瞬間です。命に関わることの方が多いので、そこを少しでも救えているのは、自分たちにとって嬉しいことですね。

母が事業を始めたきっかけ

現場の状況が見えなかった時代

母は電気設備業をやっているなかで、現場に行っても状況を確認できない時代を経験していました。3Gも出ていない、みんながPHSを持っていたころの話です。情報や映像を送る手段がほとんどなかったので、現場の様子がその場で見られたらいいよねという発想から、事業が始まりました。まずは現場のお客さんや状況を見られるようにしたい、というところからのスタートだったと聞いています。

学生へ伝えたいこと

夢は言葉にすると近づいていく

自分は、ずっと夢を持ってやってきた人間です。高校で講演をすることがあるんですけど、夢はありますかと聞くと、多くの人が手を挙げません。芸能の仕事をしていたころの縁で、芸能事務所に通う学生さんに話すと、女優になりたい、俳優になりたいという夢がすぐに出てくるんですけど、一般の学生さんに聞くとなかなか出てこないんですよね。

夢はどんなものでもいいと思うので、ぜひ持ってほしいですし、それをどこかで言葉にしてほしいです。言葉にすると、その通りに自分が動いていくというか、夢を引き寄せるような感覚があります。恥ずかしがらずに、X でもインスタでも YouTube でも、著名でも匿名でもいいので、こうなりたいという思いを発信していると、そこに近づいていくんじゃないかなと思います。

編集後記

小幡さんのお話を伺い、印象に残ったのは「夢は言葉にすると近づく」という言葉です。頑固で一度決めたら曲げない性格が、役者としての挑戦や、東京での一人での起業を後押ししてきたのだと感じました。宮崎と東京、異なる二つの事業を専門特化して伸ばしていく姿勢や、屋外の安心・安全を届けたいという思いから、経営者としての軸の強さが伝わってきました。学生の身としても、夢を言葉にすることの大切さを、あらためて考えさせられるインタビューでした。