インタビュー

営業がやりたかったわけじゃない。それでも見極めれば、天職になる

営業がやりたかったわけじゃない。それでも見極めれば、天職になる
PROFILE
マーシーズ株式会社 代表者
澤井 友美

営業畑を歩いてきた

新卒で証券会社に入った

新卒で入ったのは証券会社でした。そこもずっと営業です。その後、外資系の製薬会社へ転職して、MRをやっていました。外資系の製薬会社を2〜3社経験しています。

買収を機に早期退職

転機になったのは、勤めていた会社が日系の会社に統合され、アーリーリタイアメントの募集があったことです。ちょうどアーリーリタイアの制度もありましたし、コロナもあったのでいいタイミングだなと思い、早期退職しました。

女性の選択肢を増やしたくて

制約されるのは働き方

そんな大層な経緯があるわけではないんです。ですが、女性が仕事をしていると、出産や結婚を機に出張がなかなか難しくなりますよね。社会復帰が難しいというより、働き方が制約されてしまう。そこで自分の働き方を見直すタイミングがくると思うんです。

自分のスキルを活かしながら在宅で仕事ができたり、お給料を維持しながら働けたり、そういった選択肢を増やしたいなと思ったのがスタートのひとつのきっかけです。

結局、自分でやることに

早期退職したあとは、自分のスキルを活かしてできることはないかな、出張しないでできることはないかな、と考えていました。あれこれ探した結果、結局は自分でやることにしたという流れですね。

需要は女性営業にあった

やっていくうちに、女性営業ってすごくニーズがあるなと感じてきました。それで今は、女性に特化した営業代行を回している感じです。

弊社がやっていること

業界を絞らないBtoB支援

主軸は営業代行、営業支援です。業界は全然決めていなくて、いろいろな案件をやらせてもらっています。動いているのは同時に30〜40件ぐらいです。扱うのは全部BtoBで、BtoCはやっていません。そういう意味では、営業手法は共通部分もありますが、商材ごとターゲットごと工夫して取り組んでいます。

課題は、まだクリアできていない

改善を回し続ける

日々の課題は3つですね。成果が出ない案件でどう成果を出していくか。女性が多いので、稼働の安定した供給をどうつくるか。そして、案件をどうやって取っていくか。

正直なところ、全然クリアはできていないんです。案件も一社一社、ターゲットと課題が合っているのか、訴求が合っているのか、そこを回してチェックして改善する。それを続けて課題を1つ1つ解決していきます。

人員の調節が大変な時期も

安定稼働のほうは、だんだん時期的な要素があると見えてきました。インフルエンザが流行る時期や、体調不良を起こしやすい時期ですね。そういうタイミングでは少し多めに入ってもらえるよう、みんなに声がけをする。そんな風にやりくりしています。

増やしたいのは、人数ではない

営業しやすい商品を探す

新規案件の安定した獲得、アポが取りやすい案件や営業しやすい商品の獲得は、ずっと課題だろうなと思っています。私が役に立ちそうで、成果も出せそうな案件を安定的に獲得して稼働させてもらう。それが理想ですね。

人を増やすより生産性

人はそこまで増やさなくてもいいかなと思っています。上げていきたいのは一人ひとりの生産性なので、人を増やすことよりも、違う働き方でもっと生産効率を上げられないかな、というところを考えています。

営業は、やりたかった仕事ではない

こだわりはなかった営業職

営業がやりたかったのかと聞かれると、全然そんなことはないんです。ですが、事務作業も向いていないですし、ずっと部屋の中に閉じこもって仕事をするのも嫌です。最初に営業へ入ってしまうと営業しかできなくなるので、気づけばずっと営業畑にいる、という感じですね。今となっては、営業って面白いですが、当初は好き好んでなったわけではなかったんです。

数字はどこでも追われる

営業は数字に追われる、というイメージを持たれることが多いみたいですね。ですが、普通の会社であれば、どこの部署へ行っても何かしらの数字は入ってきます。それが売上なのか違う数字なのかの違いはあっても、数字に追われるのはどこの人も一緒かなとは思っています。

勢いだけでは売れない

私は、勢いと挨拶とガッツとやる気だけで売れます、みたいなタイプではありません。そうじゃない商品もいっぱいあります。本質的に、私はお客様の懐に深く飛び込み、伴走しながら価値を提供していく営業スタイルを得意としています。

大量に売りさばく商品なら、勢いのある営業のほうが向いていると思います。しかし、大きい金額を丁寧に動かしていく商品だと、一緒に相手のことを理解して、どういう考えなのかを手に取るように解いていかないと、売れるものも売れません。

大きい数字のほうが好き

私は、目の前の携帯電話をただ100台売れと言われても、きっと売ることができないでしょう。BtoBかBtoCかでも営業スタイルは全然違いますし、BtoCはあまりやったことがありません。小さい商品を大量に売るよりも、大きい数字を扱うほうが好きです。

証券会社に入社したときも、学生時代には見たことのない桁のゼロが飛び交っていました。学生からすると、100万円をどうやって売るの、という感覚になるのかもしれません。飛び込む市場とやる案件によって、営業スタイルもだいぶ違ってくるということだと思います。

見極めれば天職になる

商材の金額の大きさと営業スタイルさえ間違えなければ、営業はいい仕事です。やりがいもありますし、営業がいないと最後に数字をつくる人がいませんから。売れればすごい自信になりますし、売れないときは確かにつらいけれど、なんで売れないんだろうと追求できる部分もあります。いい商材を選んだら楽しいと思いますよ。どれが自分にマッチしているのかを見極められれば、めちゃくちゃ天職だと思います。

学生のみなさんへ

後悔しないように決める

後悔しないように人生を決めていってもらえたら。伝えたいのは、それに尽きます。

できることを書き出す

何をやっていいかわからない、という話も聞きます。とりあえずやってみようかな、レベルで色々なことに挑戦してみて、そこでまた考えればいいと思うんですよね、やらないとわからないので。ただ、お金を稼ぎたいなら、市場や業種的に稼ぎやすい職種はあるかなと思うので、そこを選ぶのはポイントにはあると思います。

後悔しないように、ちょっとやりきってみる。できることを書き出してやってみたら、どこかにはたどり着くと思います。

編集後記

「営業がやりたかったのかというと、全然そんなことはない」。取材中、いちばん驚いたのはこの一言でした。営業畑一筋と伺っていたので、最初から営業を志した方だと勝手に思い込んでいたからです。それでも澤井さんのお話には、営業という仕事への信頼が一貫して流れていました。勢いで売るのか、相手を深く理解して売るのか。商材の金額と自分のスタイルさえ間違えなければ天職になる、という言葉は、就職先を業界名や知名度で選びがちな私にとって、判断の軸そのものを問い直すものでした。まずやってみる。そして、できることを書き出す。抽象的な問いに具体的に返し続ける姿勢そのものが、いちばんの答えだった気がしています。