リクルート時代に気づいた、住まいの「見えない課題」
スーモ時代の家探し失敗
もともとは新卒でリクルートに入社しました。当時はまだ持ち株会社体制へ移行する前でしたが、配属されたのが「SUUMO」を運営する部署で、そこで5年間しっかり勤めさせてもらいました。当時の自分は、売れば売るほど評価される営業職でした。不動産会社に対してSUUMOへの掲載を提案し、広告費をいただくことで自分の評価が上がるという仕組みです。ただ、今振り返ると、自分自身の住まい探しは結構失敗していたんです。
ワンルーム投資詐欺とまでは言いませんが、節税を意識して早めに物件を買ってしまったことで、その後の住宅ローンが組みにくくなったり、離婚した際にその家が負債になってしまったり。SUUMOにいて、それなりに売れている営業だったはずなのに、自分自身は住まいに関する課題ばかり抱えていたんですよね。
相談できる家探しを目指して
そこから、「SUUMOというメディアは、住まいの課題を本当の意味で解決できていないのではないか」と思うようになりました。
その時の自分を救ってくれたのは、もともと持っていたネットワークの中にいた不動産会社の方々でした。物件探しというのは、自分ひとりで選ぶことではなく、誰かに相談しながら進められる世界があったほうがよいのではないか。そう考え、1回目の起業として不動産のスタートアップを立ち上げました。サイバーエージェントさんに出資していただいたりもしましたね。
けれど、そのスタートアップはあまりうまくいきませんでした。そこで、もう一度起業をし直すことにしたんです。2回目は、プライム市場に上場している企業とのジョイントベンチャーという形で、子会社の代表として会社を運営させてもらいました。
それが終わってから立ち上げたのが、今のLightDoorという会社になります。
学生時代からの起業志向
起業を意識した背景には、学生時代の経験も大きく影響しています。もともと立命館大学に通っていたのですが、アントレプレナー教育の仕組みがあったんです。1つ上の先輩に、今でこそ上場したミライロの垣内さんがいて、その人のもとで勉強させてもらったり、自分でも学生団体のようなものをつくってビジネスに近いことをしたりしていました。
その経験があったからこそリクルートに入社しましたし、いずれは起業しようとずっと思っていましたね。
ポータルサイト依存からの脱却を支える
ポータルサイト依存という課題
LightDoorは、不動産会社さんの集客をお手伝いする会社です。不動産業界には、ポータルサイトにどうしても依存してしまうという大きな構造課題があります。
業者さんの感覚としては、ポータルサイトにお金を払っていないとお客さんが来ないという、いわば「納税している」ような感覚なんですよね。裏を返せば、あまり考えなくても広告費さえ払っておけばお客さんが来てしまう。そのため、学ぶ意欲もマーケティング部署も、ほぼ存在しないのが実情です。
そこに対して、業界知見を持ちながらも比較的若いチームである私たちが、SNSの知見を武器に自社集客の支援をしています。
数字を見せる支援スタイル
コンサル会社の多くは、数字や中身をあえて見せないことで対価をいただくビジネスモデルになりがちです。私たちはそうではなく、SNSのアルゴリズムをクライアント様にきちんと共有するようにしています。
「こうすれば伸びる」「こうすれば問い合わせが来る」「こうすれば狙ったお客さんが来る」。そこまで丁寧にお伝えし、最終的には画像と動画さえ社内で作れれば自走できる状態までサポートすることが、私たちのいちばんの強みです。
副業で培ったSNSの知見
この知見は、一回目のスタートアップがうまくいかなかったタイミングで積み上げたものです。相談として多かったのが自社集客の支援で、ちょうどSNSが出始めた時期だったこともあり、そこから自分自身も勉強を始めました。
2回目の起業で上場企業と一緒に取り組みをしていた時期には、副業としてSNS支援をやらせてもらっていたんです。その契約期間が終わったタイミングで、本格的に会社として立ち上げたという流れになります。
足で稼いだ信頼と、組織づくりの難しさ
飛び込み営業で築いた信頼
大変だったことは大きく二つあります。ひとつは、不動産業界特有の「信頼」や「筋を通すこと」を大事にする文化です。創業したばかりの頃は、1日15件ほど飛び込み営業をしていました。Webや問い合わせフォームで発信しても、不動産会社さんにはなかなか響かないんですよね。とにかく対面で接点をつくっていくしかありませんでした。
同時に、SNSで本当に集客できるのか、ポータルサイトに頼っていればいいのではないか、という考え方に対して、自社集客の大切さを啓蒙していく必要もありました。接点づくりと啓蒙、この両方が特に大変でしたね。
特化した組織づくりの難しさ
もうひとつは、組織づくりです。自分ひとりが一社のクライアントの課題を解決しに行っても、業界全体の課題は変わりません。だからこそ、不動産業界に特化し、さらに「自社集客」という領域に特化した人材を集めていく必要がありました。
自分の考えに周りの人を巻き込み、啓蒙していくプロセスは、今でも大変ではありますが、同時に面白さでもあると感じています。現在は従業員10名の体制です。
営業などの前面に立つ人材については、ある程度の経験を重視しています。一方でSNS運用や広告運用は、どこでも通用する汎用的な技術でもあるので、経験を問わず採用し、社内で教育していく形をとっています。
集客・採用・組織づくりを、横串で支える会社へ
集客・採用・組織を横串で
まずは、日本全国の不動産会社様の、集客・採用・組織課題を解決しに行く存在となることを目指しています。
入り口としては自社集客の支援から始まりましたが、今はRPO(採用代行)という形で人材採用のお手伝いもさせていただいていますし、その先には AI開発やAI活用の支援も広げています。集客も採用も組織づくりも支える会社として、LightDoorを認知していただきたいと思っています。
行動量がすべてだった
自分自身、今でこそ考える時間は増えてきましたが、学生時代にやってよかったのは、とにかく行動することでした。学生団体をつくれたのも、リクルートに入社できたのも、起業できたのも、結局は行動量の違いだったと思っています。
考えるよりも、まずやってみる。その姿勢を学生時代に大切にしていました。LightDoorではインターンの募集も出しているので、この記事を読んで、澤井のようなキャリアを歩んでみたいと少しでも感じてもらえたら、ぜひドアノックしに来てください。
編集後記
今回お話を伺って、いちばん印象に残ったのは「行動量がすべて」という言葉です。私自身、将来のキャリアについて考えることは多いのですが、考えるだけで止まってしまうことも少なくありません。澤井さんが二度の起業を経て今のLightDoorにたどり着いたお話は、「失敗してもまた動き出せばよい」という、シンプルながら力強いメッセージに感じました。不動産業界の構造課題に向き合い続ける姿勢からも、多くの学びをいただきました。貴重なお時間をありがとうございました。