独立前は、管理部門をゼロから作る仕事をしていた
仕組みがない組織で起きること
独立する前は、会社の取締役として管理部門の立ち上げに携わっていました。何もない状態から管理部門を作るという状況だったので、採用の体制を整えたり、出張が多い業務だったので申請環境を整えたりしていましたね。人が増えてきたタイミングで評価制度を作ったりもして、その延長で独立して今に至るという流れです。
仕組みがない組織だと、どうしても属人化が起こりやすいんですよね。何をもってそう判断したのかが残りにくいので、それをどう平準化していくか、基準作りが難しい部分でした。基準がないと、新しく入ってきた人がその場面に出くわしたときにどう進めればいいかわからない、という課題がいろいろなところで出てきていたので、まずは基準を作るというところから取り組んでいきました。
ただ、基準は作るだけのものではなく、それを守って運用していくことが重要になってきます。かちかちに固めるのではなく、現場に合ったもので、ある程度の余白を持たせてあげることを意識して作っていきましたね。
転籍を経て取締役に
もともとは今の会社の親にあたる会社に入社していて、その部門が途中から在籍出向という形で子会社に半分入るようになり、最終的には転籍になりました。転籍のタイミングで取締役という形になったんです。
入社した当初、転籍出向のタイミングでは8人くらいの組織でした。そこから採用を始めて、離れるタイミングでは12、13人くらいまでに増えていましたね。独立はしたものの、その会社から採用などの業務は委託でいただいていて、最終的に8名ほどの採用に関わらせていただきました。
いろいろな会社を見てきて、同じ課題に気づいた
いろいろな会社を経験してきたなかで、同じような問題や課題をどこに行っても抱えているな、という印象をずっと持っていました。直近の会社でいろいろなことに携わらせていただいて、経験できたことが他の会社への貢献や、支援・伴走という形でお力添えできるんじゃないかと思いました。会社を一つでも、大きく言うと救いたいという思いがあって、株式会社Enlien(エンリアン)を立ち上げました。
社会人時代から、最終的には独立していきたいという思いはぼんやりとありました。それが直近の会社で経験できたのと、業務委託という形でそのまま仕事もいただけることになったので、このタイミングなら独立してもいいのかなと思い切って起業しました。
「経営基盤構築の支援」で、組織を元気にする
採用・評価・バックオフィスを一気通貫で
経営基盤構築の支援は、企業の中で働く人こそが経営の一番の土台になる部分だという考えをもとにおこなっています。もちろんサービスや商品が優れていることも大事ですが、人がいかに定着して組織のなかで力を発揮できるかが一番大事だと思っているので、そこの基盤の部分を私の経験を活かしながら支援しています。
具体的には、採用の設計支援と評価制度の設計支援、それに紐づくバックオフィス関係の業務標準化支援を一気通貫で対応させていただくのが、経営基盤構築の支援です。組織が元気になる支援をさせていただいています。
横串で対応できるのが強み
採用設計支援や評価制度設計支援、業務標準化(効率化・改善)など、それぞれの分野で得意とされている他社は多くいらっしゃると思っています。弊社の強みは、そこを横串で対応できるところですね。スペシャリストが他社であれば、ゼネラリストが弊社、という印象で強みを持ってやらせていただいています。
弊社ならではというところでいうと、現場目線をより強く出していきたいと思っています。会社ごとにお悩みや課題は千差万別なので、現場に合わないものを提供しても立ち行かなくなってしまいます。その会社にフィットする形でご支援させていただくことを、一番のモットーとして掲げています。
今は一人で、5、6社を回せる状態を目指す
現在の従業員は私一人です。経営基盤構築の支援というところを強く打ち出して活動を始めて3、4か月ほどですが、正直まだ結果が出ていません。以前から採用支援などの打ち出しはしていたものの、なかなかお客様を獲得できていなくて。業務委託の仕事がひと段落したので、今は本格的に自社の活動をしているという状況です。最終的には5社、6社くらいの規模感を一人で回せる状態にはしていきたいと考えています。
未経験の領域を、相談相手なしで乗り越えてきた
委託から始まって今2期目になりますが、委託の時期は業務や社員のことを知っている状態から入っていたので、やりやすい部分は多くありました。ただ、自分が経験したことのない範囲の業務に対応するとなると、いろいろなことを調べなければいけなくて、どうやったらいいかを知っている人が周りにいないのが一番大変でしたね。
壁打ちする相手や知見を持っている人に相談することがなかなかできなかったので、そこは自分で乗り越えてきたからこそ力になった部分もありつつ、こういう壁打ち相手というのは世の中に気軽に相談できる先がなかなかないなと感じています。だからこそ、そこで苦労した分は、しっかりお客様に還元できたらと思っています。
今、直近で一番大変なのは、営業という職種をやったことがないので、営業活動に苦労していて結果がなかなかついていかないところです。私の得意とするところは守りの部分で、攻めの部分が欠けているんですよね。いい盾を持っていても、いい刀を持っていないので、営業って難しいと感じているところです。
これも一つの大きな挑戦・経験になるので、楽しみながら活動しています。
一社でも多く、元気になる組織を増やしたい
一人で抱えられる範囲には限度がありますが、一社でも多くの企業に自社が提供できるサービスをご利用いただいて、元気になる組織を一つでも多く作っていきたいというのが、まずは大きな目標です。攻めに強い社長様・経営者様は、弊社サービスが一番貢献できる守りを強みにしておりますので、良い補完関係を築けるかと考えています。
売上についても、年間で何千万というところを、一人でやっていく限界はありながらも、できる限り獲得していきたいと思っています。3年か5年か先の将来に新しい従業員を獲得できる機会があれば、自分が経験してきたことを活かして、「社員はやりがいを持って仕事ができています」とアピールできるような会社にしていきたいですね。
まずはやってみることを、大事にしてほしい
私自身、就職活動自体は失敗した人間で、最初は内定がなくて、卒業してから1年ほどアルバイトをしていました。そのなかでまずやってみようと思った仕事が、コンビニの店長だったんです。そこからシステムのカスタマーサポートや人事職という経歴を踏んで、いろいろなことを経験してきたのが今につながっています。
当時、何をやりたいかはやっぱり見つかりませんでした。それはどうにもならないことだと思っていて、結局、経験したことのないことへの不安はどこに行ってもついてまわるんですよね。やってみて、自分にできるかできないか、合うか合わないかがわかると思うので、まずはやってみるということを大事にすればいいのかなと思います。
合うなと思えば、そこで長くやっていけばいいと思いますし、今の時代は転職も当たり前によくあることなので、そういう道もあるんだという感覚があれば、少しでも不安は解消されるのかなと個人的には思っています。自分のやりたいことを、仕事を通して見つけていけばいい。そこで長く働くのか、いろいろ経験して見つけていくのか、会社を立ち上げるのか、いろいろな道があると思うので、まずはやってみることを大事にしてほしいですね。
細かい相談については、個人事業でキャリアコーチングのようなこともあわせて始めているので、そういった相談もお気軽にお受けできます。学生の皆さんの力になれたらと思っています。
編集後記
今回お話を伺って、印象に残ったのは「まずやってみる」という言葉でした。就職活動がうまくいかず、コンビニの店長からキャリアを積み上げてきたという経験には、就職や将来に悩む私自身も勇気づけられました。管理部門をゼロから作る、営業未経験で挑戦するなど、経験のない領域にとにかく飛び込んでいく姿勢が印象的でした。学生起業を考える身として、大変参考になるインタビューでした。