岡山から神戸へ、そして「自分で決める」生き方へ
大手志向から一転、自分の道へ
岡山県で生まれ育ち、高校まで岡山で過ごしました。大学は神戸に進学して、当初は大手企業への就職を考えていました。ただ勉強を進めていくうちに、自分で何かをやってみたいという気持ちが強くなっていって。誰かに決められたことをこなすよりも、自分で物事を決めて仲間と一緒に前へ進んでいくほうが楽しいと感じるようになりました。もちろん『稼ぎたい』『大きくなりたい』といった学生らしい欲もありました。そうした気持ちが積み重なり、将来は起業したいと考えるようになって、就職活動でもいわゆる大手ではなく、ベンチャー企業を中心に見るようになりました。
学生時代に始めた「一人ビジネス」の限界
社会人になるまでに1年ほど時間があったこともあり、当時流行っていたTwitter(ツイッター)を使い、就職活動の情報を発信して就活生のフォロワーを集め、企業を紹介するという個人事業主としての活動を始めました。ちょっとしたビジネスではありましたが、SNSやマーケティング、人材業界のビジネスの仕組みなどについて学ぶことができ、活動自体もうまくいっていました。ただ、一人で進める以上、成長にはどうしても限界があると感じるようになりました。社会人としての基礎スキルを身につける必要性も感じ、そのまま起業する選択肢を捨て、企業に就職することを決めました。
新卒2年で見えた「失敗はほぼ100%」という現実
新規事業開発の会社で学んだこと
新卒で入社したのは、さまざまな企業の新規事業の立ち上げやグロース支援をおこなう会社でした。もともと3年は働くと決めていましたが、実際には2年足らずで独立することになります。この2年間でもっとも大きな学びは「やらなければ始まらない」ということでした。支援先の新規事業は、ほとんどが失敗に終わります。事業そのものに無理がある場合もあれば、良い事業でもオーナーのやる気が伴わない場合、マーケットのタイミングが合わない場合など、要因はさまざまです。ただ共通していえるのは、最初からうまくいく事業はほぼ100%と言っていいほど存在せず、必ずどこかでピボットや方向転換が発生するということでした。9回失敗して1回成功する、という世界だと気づいたとき、失敗するなら早いほうがいいし、なんなら失敗こそがもっとも成長につながると考えるようになりました。
同期との出会いが独立を後押しした
一人で挑戦することで学べることがある一方で、そのほうが早く進められることもあると感じていたころ、前職で同期だった仲間が独立を考え始めていることを知りました。そのタイミングが重なったことが、独立を決意する最後のきっかけになりました。もともと自分で決めた道を進むタイプではありましたが、「ちょっと早まったかもしれない」と笑いながら振り返るほど、思い切った決断でした。
LinkedInをいち早く取り入れた、BtoB営業支援という仕事
「見えない仕事」に光をあてる
弊社が手がけているのは、企業の営業を支援する仕事です。世の中の仕事にはBtoC(消費者向け)とBtoB(法人向け)があり、学生にとってなじみがあるのはお菓子やアイスを買うようなBtoCのビジネスですが、世の中にはBtoB、つまり法人向けに事業をおこなっている会社もたくさんあります。弊社では、商談を獲得するためのツールの提供と、実際の営業活動そのものの代行という、両方の形態で企業を支援しています。強みとして挙げられるのが、LinkedIn(リンクトイン)というSNSを比較的早い段階から取り入れ、活用してきたことです。受付や担当者では止まらず、決裁者に直接アプローチできる点が、ほかにはない特徴になっています。現在は3期目を迎えており、事業は着実に広がりを見せています。
目指すはIPO、大きな挑戦を仲間と
新規事業を通じて社員の成長を後押ししたい
ゴールというわけではありませんが、マイルストーンとしてIPOを目指したいと考えています。大きなことに挑戦するほうが楽しくワクワクしますし、大きな目標に向かってみんなで切磋琢磨している時間こそがもっとも充実しているからです。会社が大きくなればなるほど社会へのインパクトも大きくなるため、こじんまりと進めることや早期の売却を狙うのではなく、まずは事業をしっかり伸ばしていく方針です。現在はAIを搭載した営業支援ツールにも注力しており、あわせて新規事業にも積極的に挑んでいきたいと考えています。人が成長するのは、自分に責任が伴っているときや、成果を求められているときだと感じており、新規事業への挑戦はまさにそうした機会になります。弊社での仕事を通じて成長を実感してもらえることが、なによりうれしいことです。
インターンで学べる「科学的な営業力」
営業はすべてのビジネスの基本
現在、インターン生も何人か在籍しており、随時募集をおこなっています。インターンを通じて学べるのは、一言でいえば営業です。ただし、いわゆるテレアポや飛び込み営業のような泥臭いイメージとは少し違い、どちらかというと科学的に、効率的に、スマートに進めていく営業を学べる環境だと思っています。営業がもっとも大事だと考える理由は、自分で何かを始めようとしたときに、必ずお客様や仲間との交渉ごとが発生するからです。ビジネスとは結局のところ、相手が今どんなことを考えていて、何を伝えれば反応が変わるのかを見極める営業そのものだと思います。もう一つ学べることを挙げるとすればAIであり、これからの時代にはあわせて身につけておきたい力です。体育会系のマインドを大切にしながらも、根性論だけに頼らない発想もあり、質の高い営業経験を積める環境だと思っています。
学生へのメッセージ——挑戦と、一度の社会人経験
一度社会人になる意味
学生時代は失うものが少なく、リスクを抱えずに挑戦しやすい時期です。ここまではよく耳にする話だと思いますが、一度は社会人になったほうがいいという考えも持っています。会社がどう動いているかを自分の力だけでキャッチアップするのは、想像以上に難しいことだからです。最初に入った会社や、最初の上司からの影響は非常に大きく、良い会社で「こうだったからこうだよね」という価値基準が生まれることには大きな意味があります。挑戦することはもちろん大切ですが、一度社会人を経験することも、同じくらい価値があるというのが伝えたいメッセージです。
つながりが未来をつくる
現在、社員は10人ほど、業務委託なども含めると50人ほどの組織になっていますが、そのほとんどが自分の知り合いです。知り合いが知り合いを紹介してくれてお客様になることも多く、今のこの考え方や人格も、前職での経験に大きく影響を受けています。人とのつながりは、結局のところとても大切なものです。無理にコミュニティに入ったり、ネットワークづくりを意識したりする必要はありませんが、学生のうちに友達をつくっておくこと、いろいろな知り合いをつくっておくことはおすすめです。社会人になってからは時間がなかなか取れなくなるからこそ、時間のある学生のうちに、たくさんの人とのつながりを大切にしてほしいと思っています。
編集後記
今回のインタビューを通じて、挑戦することへのハードルがぐっと下がったように感じました。9回失敗して1回成功するという考え方は、私自身が学生団体の活動でうまくいかないときに落ち込んでいたことを振り返らせてくれるものでした。また、一度は社会人を経験したほうがいいというアドバイスは、起業に憧れるだけでなく、その先の基礎づくりの大切さに気づかせてくれます。人とのつながりを大切にする姿勢からも、学生のうちにできることの多さを実感しました。ぜひ多くの学生の皆さんに読んでいただきたいインタビューです。