インタビュー

「学歴もキャリアも関係ない」リスタートを後押しする環境で、圧倒的な成果を

PROFILE
株式会社エンシア 小林大介
代表取締役社長

東京で気づいた「時間の切り売り」

宮大工を目指した上京

もともと山形出身なんです。地元の高校を卒業して、1週間後にはもう東京に出てきていました。当時は「宮大工(みやだいく)」になりたかったんですよね。釘を使わない技術で、1000年、2000年と残るものを作りたいという思いがあって。でも、いざ東京に来てみたら、お寺が全然ないことに気づいて(笑)。完全にリサーチ不足でした。

専門学校に通いながらも「これは需要がないな」と在学中に諦めてしまって、卒業後はフリーターになりました。当時はちょうど「フリーター」という言葉ができ始めた頃で、自分らしく働くみたいなポジティブなイメージを持っていたんです。でも、いざやってみると全然自由じゃない。能力ではなく、ただ「時間」を切り売りしているだけなんだと痛感しましたね。

実績ゼロからの逆転

干された1か月が転機になった

その後、ご縁があって不動産賃貸の営業会社に入社したんですけど、最初は本当に大変でした。社会人経験がゼロの状態で入ったので、しばらくは営業にも出してもらえず、事務所で干されているような状態が続いて。

でも「なんとかして成果を上げたい」と思って、自分でお客さんを連れてくることにしたんです。今はスマートフォンで部屋を探しますけど、当時は街中に不動産情報の小さな冊子が置いてあったんですよ。それを手に持っている人に片っ端から声をかけて、自分の事務所まで案内しました。そんなことをしているやつは他にいなかったので、月に 40 〜 50 人くらい連れてきて。その意欲を認められてチャンスをもらい、最終的には年間で売上 1 位の記録を作ることができました。

逆算して動く習慣

欲しい成果があったら、それに直接つながるアクションを考える。「お客さんがいないからどうしよう」ではなく、「これくらい上げたいからこれが必要だ」と逆算して動いていたんですよね。その習慣は今でも生きています。

現場主義で積み上げた、年商 30 億円の事業モデル

ニッチな市場を深掘りする

その後、フットサルで知り合った方のご縁で、今の事業のベースとなる広告代理店に入社し、媒体の立ち上げと拡販に関わりました。ゼロからスタートして、10 年ちょっとで年間 30 億円規模の売上まで成長させたんです。

私たちがメインで支援しているのは、夕方以降に営業を開始する飲食店や店舗です。ここは非常に大きな市場なんですけど、働く時間帯が一般の企業と違い、定時が 12 時〜21 時、残業になると 23 時を超えたりする。実は IT 化が遅れていたり、大手企業がなかなか参入しづらかったりする領域なんですよね。そこに特化して、求人媒体や MEO 対策(Google マップでの集客支援)、さらにはキャッシュレス決済の導入など、店舗運営に必要なものをトータルで提案しています。

業界のハブとして価値を循環させる

弊社は延べ 8000 店舗ほどの取引先があるのですが、そのネットワークが最大の強みですね。たとえば、私たちはお酒の販売免許は持っていませんが、お酒を卸したい業者さんと、お酒を必要としている店舗さんを繋ぐことはできます。

「この業界に何かを売りたい」という企業さんと、現場のニーズを繋ぐハブのような役割を果たす。シンプルですけど、これが一番喜ばれるんですよね。生産性の高い、本質的なビジネスを追求することを大切にしています。

「誰にでもチャンスはある」エンシアが掲げる組織のあり方

新卒より中途・未経験を重視する理由

エンシアの採用でこだわっているのは、学歴や過去のキャリアを一切問わないことです。世の中の多くの企業が新卒採用に力を入れる中、弊社はほぼ 100 % が中途・未経験採用になります。最終面接でも、過去の学歴やキャリアの話はほとんどしません。「今後どうなりたいか」「どんな働き方をしたいか」という未来の話ばかりですね。  

 

世の中には、家庭環境や過去の選択で、なかなかよいきっかけを掴めなかった人たちがたくさんいます。でも、そういう人たちこそ、きっかけさえあればものすごいパワーを発揮する。だからこそ、ノンキャリアであっても「リスタートしたい」という強い気持ちがある子を積極的に採用しています。

アルバイトから役員まで目指せる環境

実際に入社後のキャリアも多様です。中途で入社して一番下から部長になった子、入社 1 年でリーダーになってチームを持った子、逆に 7 年間メンバーだったのにここ 1〜2 年で成果を出してマネージャーになった子もいます。スピードよりも、その人の「今の熱量」を大切にしているんですよね。

また、強制的な転勤はありません。家庭の都合で東京から大阪に移りたいといったメンバーには転勤を認めています。メンバーにとってよい選択を一緒に考えられる会社でありたいと思っています。

夢と仕事を両立させる「デュアルキャリア」

面白い例でいうと、J リーガーを目指している子なんかも弊社にはいます。プロになるまでは生活費を稼がないといけないけれど、トレーニングの時間も確保しなきゃいけない。何よりプロになってもいくら稼げるか、怪我のリスク、選手寿命、その後のセカンドキャリア……一般的なアルバイトだと時給も低いし将来も不安ですよね。

そういった夢を追っている子たちが、弊社の営業職としてしっかり稼ぎながら、自分のトレーニングにも打ち込めるような環境を作っています。夢を諦めずに、ビジネスマンとしても成長できる。そんな「デュアルキャリア」を推進し、やる気のある子を応援していきます。最近もオリンピックの代表選手を目指している子が面接に来てくれましたよ。

地方から文化を創る、これからの展望

全国に支社を広げ、独自のサービスを生む

今後の展望としては、日本の主要な政令指定都市にどんどん支社を作っていきたいと考えています。それぞれのエリアには、独自の気候や食べ物、そして文化がありますよね。東京と同じやり方を押し付けるのではなく、各拠点のメンバーに権限を渡して、その土地に根ざした独自のサービスを生み出してほしいんです。

なるべくその土地の人を採用するようにもしています。大阪でやるときは関西圏の人間をほぼ採用する、その地元に何かがある人たちを中心に。そういうコミュニティから新たなビジネスやサービスが生まれてくる、そんな支社をたくさん作りたいですね。

広い視野で打てる手を増やす

もう一つ、若い皆さんに伝えたいのは、チャンスがあればぜひ海外を見てほしいということです。振り返って「やっておけばよかった」と思うのは英語の勉強なんですよね。日本の市場規模にはどうしても限りがあります。もっと広い視野を持って、打てる手を増やしていく。私たちの世代ができなかったことに、次の世代のメンバーにはどんどん挑戦してほしい。そんな熱量を持った人たちと一緒に、新しい景色を見ていきたいですね。

編集後記

今回の小林社長のお話を聞いて、一番印象的だったのは「リスタートができる環境と会社」という言葉です。私自身、大学で勉強しながらも「将来何ができるんだろう」と漠然とした不安を感じることがありますが、過去の経歴に関わらず、今の熱量だけで道を切り拓いていける世界があることに、とても勇気をもらいました。

とくに、泥臭く街中で声をかけて実績を作ったというエピソードからは、論理的な思考と同じくらい「まずは動くこと」の大切さを学びました。ビジネス未経験の私ですが、まずは目の前のことに全力で取り組むことから始めてみたいと思います。