インタビュー

警察官から太陽光業界へ。「悪徳業者撲滅」を掲げる双子社長の挑戦

PROFILE
株式会社トラーチ 代表取締役
稲場 基泰

公務員の道から、起業家の道へ

警察官として最年少で警部補に

学生時代はずっと柔道をやっていまして、もう学生のころから警察官になるって決めていたんですよね。京都で一人暮らしをしながら、家庭教師のアルバイトをして、学校にも通いながら、そんな日々を送っていました。

警察官になってからは、ありがたいことに最年少で警部補まで昇進させていただいたんです。ただ、公務員ってどうしても年功序列の組織なので、どれだけ頑張っても正直、お給料含めて納得のいく評価かと言われるとそうではなかった。一度の人生ですから、自分で会社をやれば言い訳ができないと思ったんですよね。

双子の弟からの一本の電話

実は私、双子なんですよ。一卵性の弟が先に会社を作っていまして、京都で外国人観光客向けの観光事業をやっていたんです。それがコロナの影響でなかなか集客が難しい状況でした 。私から「太陽光をやってみないか」って勧めたんですけど、そのタイミングで彼から「お前のほうが詳しいねんから、一緒にやろう」って声をかけられて。

太陽光業界って、もちろんいい会社もあるんですけれど、悪徳業者と呼ばれる企業も少なくありません。逆にそこがチャンスかなと思いまして、「太陽光業界の警察官」になろうという気持ちで起業したという流れになります。

業界の課題と、私たちが届けたい価値

悪徳業者撲滅という旗印

太陽光業界って、入り口で大手の名前を出して入ってきて、嘘なのにもかかわらず「そこで工事やってます」とか言って契約を取る、そういう疑問符のつく行為がすごく多いんですよ。実は私の母も、そうした営業被害に遭ったことがありまして、ちょっと正直、業界全体のイメージが良くないんですよね。

ただ、私自身は東日本大震災のときに、災害現場で太陽光発電と蓄電池の必要性を肌で感じてきた人間でして。本当にいいものなのに、そういう悪さをする企業が多いからイメージが悪くなっちゃっている。逆に言うと、私たちが成長すれば悪い会社は減っていくんじゃないかなと思っているんです。

太陽光と蓄電池がもたらす安心

東京都では、新築住宅への太陽光発電設備の設置を促進する制度も始まっており、太陽光発電への関心は高まっています。太陽光発電と蓄電池は環境にやさしいんですよね。火力発電や原発に頼らず、自分の家の電気は自分で作って自給自足できる。なおかつ災害が起きたときも、避難所に行かずに生活できるという安心感のある商品かなと思っています。

電気代はこれからますます上がっていくと思うんですけれど、そういうのを気にせずに済む。補助金もしっかり活用できて、東京都では条件によって高額な補助金を活用できるケースもあり、導入時の負担を抑えられる可能性があります。

日本の電源構成では、現在も火力発電が大きな割合を占めています。何かを燃やせばどうしてもCO2が排出されて環境破壊につながる。ソーラーを導入していただければ、未来の子どもたちが安心できる社会を作れるのかなと思っています。

売って終わりではなく、売ってからが本領発揮

お客様にとっては、太陽光って「わからない」「面倒くさい」っていう方がほとんどだと思うんですよ。逆にそこをやってあげれば安心していただけるのかなと。補助金の代行申請もうちでさせていただいていますし、売電に関する手続きも事務スタッフがサポートしています。

公式LINEでお客様と常につながっていて、定期的に連絡を取り合いながら、アプリで発電量を確認し、故障していないかの確認もする。万が一エラーや故障があれば、こちらからお客様に連絡して対応するというところまでやっています。

ここまでやっている太陽光事業者って、なかなかないんじゃないかと思うんですよね。売ってからこそが、私たちの本領発揮かなと思っています。

学生時代に何かを成し遂げた人と働きたい

年功序列はゼロ。出る杭になってほしい

私自身、父親や親族が公務員という家庭に生まれて、どうしても公務員の道しか選択肢がなかったんですよ。だからこそ、誰かのレールに乗った人生ではなく、自分で選んだ人生で最後を終えていただきたいなと思っているんですよね。

弊社は本当に年功序列が全く関係なくて、実力主義なんです。入社1年目だから主任になれないとか、一歩下がらないといけないとか、全くありません。むしろ新卒だからこそガンガン言っていただきたいなと思っています。

実は私、今年の2月に大きな病気を経験して、手術で死を覚悟したというのもあって、なおさら自分の人生を自分で選んでほしいという思いが強くなったんですよね。

スポーツで本気で何かをやり切った人

評価しやすいのは、たとえばスポーツで「インターハイに出て優勝した」みたいな、見える成果を出した方ですね。ストイックな方が多いので、私は好きなんです。営業職ってやっぱり負けず嫌いじゃないと続かないと思うので、スポーツだけじゃなくゲームでもいいんですけれど、負けたくない気持ちって非常に大事かなと。

なおかつ、真面目で努力できる方。私もセンスや勉強が得意な側ではなかったんですけれど、警察学校のときも睡眠時間を削りながら頑張ってきました。陰での努力がしっかり結果につながると信じてやり続けられる方が、弊社でも成果を出しているのかなと思います。

解釈を変えれば、人生は変わる

私が大事にしているのはポジティブさですね。大きな病気になったときも「早期発見で良かったな」って、執刀してくれた先生とツーショット写真を撮っているくらいポジティブなんですよ。

事実は一つで曲げられないんですけれど、解釈は変えられる。ネガティブに捉えるかポジティブに捉えるかで、その後の人生が大きく変わってくるんですよね。電車が遅延しても「ゆっくり本を読む時間ができた」と捉えれば、心が豊かになるじゃないですか。

ネガティブな人で成功している人って見たことがないので、やっぱり成功者はポジティブかなと思っています。

トラーチが目指す未来

業界のリーディングカンパニーへ

将来的には、業界のリーディングカンパニーになるというのが大きな目標です。太陽光業界自体に正直まだいいイメージがないという現状なので、私たちがトップになれば、太陽光業界自体を変えられる存在になるのかなと思っているんですよね。

もともと警察官だった私だからこそ、悪徳業者撲滅という思いに本気で掲げられるのだと思っています。まずはこの業界を牽引するリーディングカンパニーになれたらと思っています。

4年で売上約21億、フランチャイズで仲間を増やす

太陽光事業をはじめて2年で売上約10億円、4年で約21億まで成長させていただきました。そのノウハウを活かして、「トラーチ倶楽部」というコンサル事業もやっているんですよ。

「悪徳業者撲滅」を一緒に掲げてくれる、太陽光業界以外の企業様、たとえばリフォームや工務店さんに対して、私たちのノウハウをフランチャイズモデルで提供しているんです。共感してくれている企業様が今17社ほどいまして、口コミでどんどん広がっています。

学生のみなさんへ、ぜひ会いに来てほしい

平均年齢28歳、創業して4年と10カ月、まだまだ若いメンバーが多い会社です。これから急成長させていきたいと思っていますし、そのためには優秀な若いみなさんに入っていただいて、トラーチをもっと大きくしていきたい。

大手企業はもう形ができていると思うんですけれど、私たちはまだ恥ずかしながら組織としては、まだこれから作り上げていく段階です。将来幹部になっていただける方、会社を作っていく側で挑戦したい方、年収1,000万円を20代で絶対に成し遂げたい方、ぜひチャレンジしていただいて、悔いのない人生を歩んでいただけたらと思います。

頑張ったぶんを、しっかり対価として物心両面豊かにさせる自信がありますので、ぜひ応募していただきたいです。私は太陽みたいな人間なので、何かしらエネルギーは与えられるんじゃないかなと思っています。

編集後記

「太陽光業界の警察官」という言葉が、稲場社長を象徴していると感じました。最年少で警部補まで上がった公務員の道を手放し、悪徳業者の多い業界へあえて飛び込まれたお話には、強い使命感がにじんでいました。とくに印象的だったのは「事実は曲げられないが、解釈は変えられる」という言葉です。学生起業で日々小さな壁にぶつかる私にとっても、捉え方ひとつで世界の見え方が変わるというのは大きな学びでした。年功序列ゼロ、頑張ったぶんは必ず還元する、というシンプルで力強い思想は、これから社会に出る私たちが「どの環境で誰と働くか」を考えるうえで、ひとつの確かな指針になるはずです。