勉強した大学生、ボクシング部の機械系学生
浪人してわかった「もったいない」
同志社大学の機械システム工学科に入学したのは、車が好きだったからです。でも調べていくうちに気づいてしまって。自動車メーカーに入っても、車全体を作る人なんていないんですよ。部品の一部を担当するだけで。だったら2年早く社会に出た方が経験を積めるかな、と思って大学院には行かずに学部で就職することにしました。
大学ではボクシング部に所属していました。ずっとサッカーをやっていたんですが、個人競技がやりたくて。それと、高校まであまり勉強しなかった分、浪人を経て入学したので「勉強しなかったらもったいない」と思って、結構ちゃんと勉強するタイプでしたね。就活で「学生時代に何をしていましたか?」と聞かれると「勉強です」って答えていました。普通でしょ、って(笑)。
文房具メーカーの設計で内定、でも行き先は事業開発
新卒で入ったのは株式会社コクヨです。キャンパスノートを作っている会社ですね。理系採用で文房具の設計として内定をいただいたんですが、新卒研修で少しはしゃぎすぎてベラベラしゃべっていたら「設計向きじゃないな」と思われたのか、事業開発部門にアサインされました(笑)。
そこで取り組んでいたのが、金融機関向けのペーパーレス支援です。金融機関って紙の書類がものすごく多いんですよ。その整理を簡単にするシステムや、紙を減らすためのサービスを営業していました。設計とは真逆の仕事でしたが、4年間そこにいて「営業って面白いな」と思い始めていました。
Indeed、求人ボックス——人材業界を駆け上がった20代
成長できる環境に飛び込む
「自分がどこまで通用するか試したい」という気持ちが出てきて転職を考えたとき、当時お世話になっていた人材紹介会社の方に「営業で一番成長できる会社はどこですか?」と聞いたんです。そうしたら当時まだあまり名前が知られていなかった Indeed を紹介されて。条件も何も見ずに入社しました。
最初の半年は正直しんどくて、「転職ミスったかな」と思っていたくらいです。代理店向けの営業だったんですが、当時は商材の知名度もなかったので取り合ってもらえないことも多くて。夜遅くまで働きながら、負けたくない一心で続けていました。あの環境に身を置いたことが、今の自分の土台になっていると思います。
200人の営業組織をまとめるまで
その後も転職を重ねながら高みを目指していって、前職がカカクコム(食べログの会社)が運営する「求人ボックス」でした。マネージャーとして入社して、最終的には営業本部長として約 200 人の営業組織を見ていました。充実していましたね。ただ、もともと創業したいという気持ちはずっと持っていて。会社の統合など外部的な変化もあり、「今が抜けるタイミングだ」と感じて独立を決意しました。
「仕事の悪口」を言い続ける社会を変えたい
飲み会で気づいた、日本の課題
創業のきっかけは、社会への違和感です。飲み会に行くと仕事の悪口をずっと言っている人がいたり、仕事に対してネガティブな感情を持っている人が世の中にとても多いと感じていました。
仕事とプライベートを切り離して「ワークライフバランス」と言う人が増えていますが、私はワークもライフの一部だと思っているんです。わざわざ毛嫌いする必要はない。みんなが仕事に誇りを持って、しんどいこともあるけど面白い、熱中できると思える世界を作っていくことが未来につながるんじゃないか。そういう思いで株式会社 BLAZE を創業しました。
採用支援から個人の可能性まで
今やっているのは採用支援です。成果報酬型の仕組みを軸にしていて、例えば「応募がこなくてもお金だけかかる」という状況を解消することに取り組んでいます。応募が発生した時点で費用をいただく形にすることで、企業も納得して投資できる。みんなが幸せな状況を作りたいんですよね。
もうひとつ、これからリリースするのが個人(C 向け)のサービスです。転職を考えるとき、「自分には無理だろう」という無意識のバイアスを持っている人がとても多い。「年収 アップなんて自分には無理」「今と違う職種に転職できるわけない」という思い込みです。そのバイアスが本当に正しいのかどうかを診断できるサービスを作ろうとしています。可能性をちゃんと判定して、チャレンジできる人を増やしていきたい。
さらに、セカンドキャリアの支援にも取り組みたいと考えています。例えば美容師を 10 年やってきた方が別の職種に転職しようとしても、なかなか難しいのが現状です。そういう方々にリスキリングの機会を提供して、AI スキルや PC スキルなど社会人として必要なスキルを習得してもらい、ちゃんと次のキャリアへつなげられる仕組みを作りたい。手に職をつけて社会に貢献してきた人たちが次のステップに進める世界を作ることが、「一人ひとりが人生に誇りを持てる社会へ」というビジョンの実現だと思っています。
学生へ——20代の全力が、30代を変える
「頑張ってる」は気持ちじゃなく、結果で示す
あくまで私の主観ですし、結果論でもあるんですが、20 代は誰よりも頑張ることが大事だと思っています。頭を使うことも、言われた以上のことをすることも、時間をかけることも含めて。
ポイントは「気持ちだけ頑張っている」ではダメだということです。「私は頑張っているのに」という人は実はたくさんいて。でも誰がどう見ても頑張っているとわかる状態、売上の成果でも何でもいいんですが、そういう目で見てわかる状態を作り続けることが大切です。20 代にそれをやり続けると、30 代がとてつもなく面白くなります。逆にやらないと、30 代はつまらなくてしんどい。私が見る限りほとんどの人がそうなっているので。
考えることが、成果への最短距離
成果を出すためには「考える」ことが何よりも大事です。上司から「この資料を作っておいて」と言われたとき、ただ作るのではなく「これは何のための資料か」「誰向けに何を伝えるのか」を深く理解した上で作り始めると、必ず「この方がいいじゃん」というアイデアが出てくる。そうなったら「こう考えてこういうふうに作ってみましたが、どうですか?」という会話になるんですよ。相手の期待値を超えたり、すごいと言ってもらったりすることはすべて、一つひとつの物事を誰よりも深く考えることから来ています。
そして深く考えるためには、インプットが不可欠です。いろんな会社の資料を見たり、ニュースを読んだり、勉強し続けることが成果につながってくる。大学生のうちから、考えてインプットしてアウトプットする習慣をつけておくことが、社会に出てからの大きな武器になると思います。
編集後記
中塚さんのお話を聞いて、「仕事を頑張ることは当たり前だ」という言葉の重みを改めて感じました。コクヨでの事業開発、Indeed での激務、求人ボックスでの営業本部長と、段階を踏んで高みを目指し続けてきたキャリアは、20 代に愚直に積み上げてきたものの集大成だと思います。「気持ちだけ頑張っているではダメ、目で見てわかる状態を作り続けること」というメッセージは、就活を前に何となく不安を感じている私にとって、とても具体的な指針になりました。BLAZEのビジョン「一人ひとりが、人生に誇りを持てる社会へ」は、中塚さん自身が歩んできた道そのものから生まれた言葉だと感じます。私もまず、今日から考えることを習慣にしていこうと思います。