株式会社Canteranoで代表取締役をしている江本光輔です。「訪問販売」を軸に、学生が経営のリアルを学べる環境をつくっています。今回は創業までの道のりや、社名に込めた思いについてお話しします。
教育大学から一転、キーエンスの営業へ
教師を目指して浪人した
私はもともと、教師になることを目指していました。1年間浪人し、京都教育大学に入学しています。見た目のとおり体育教師を目指す学部に進み、教職への道を歩むつもりでいました。
先輩のSNSを見て企業就職に憧れを持った
教育大学は、ほとんどの学生がそのまま教員になります。そんな中、大学2年生のときに、レアなキャリアを歩む先輩の存在を知りました。人数の少ない大学だったので情報が回りやすく、その先輩のsnsがとても格好よくて、キラキラして見えました。この出来事をきっかけに「こういう道もあるのか」と企業就職への憧れを持つようになりました。
キーエンスに入社し営業を学ぶ
営業職で就職活動を行い、営業が有名で平均年収も高いキーエンスへの入社を選びました。広島営業所、滋賀営業所に配属され一流の営業を学びました。キーエンスで学んだことが、今の自分のベースになっています。
独立、そして仲間を求めて
2020年に独立してから、私はずっと1人営業、1人社長のような形で仕事をしてきました。そのなかで「仲間が欲しい」という思いが強くなり、これまで経験してきた営業を教えながら、組織を強く大きくしていく会社をつくろうと決めました。
教育というものに興味を持ちながら学んできた自分と、営業という仕事をしてきた自分。その両方を活かして、学生に対して営業を教え、スキルを磨いてもらいながら稼いでもらう。今の仕事は、2つが重なってできています。
社名「Canterano」に込めた思い
Canterano(カンテラーノ)とは、スペインのプロサッカークラブの育成組織出身、または所属している選手のことを意味します。
営業インターンの会社は世の中にたくさんあります。未経験からでも、ある程度やっていればある程度は身につくと思います。ただ、その「ある程度」がどこを目指すものなのか。私がキーエンス時代に学んできたことを、そのまま今の学生インターンに直接教えることで、他のインターンよりも高いレベル、より上を目指せる組織にしていきたい。そうした思いから、今の社名にしました。
看板を失った日から始まった苦労
創業して最初に苦労したのは、それまでキーエンスという大きく素晴らしい会社に守られ、その看板を背負って仕事をしてきた状態から、一気にただの個人になったことです。会社の看板がない状態になると、社会的信用も一気に失われます。そこから、まずは目の前の仕事をいただき、食べていくための案件獲得に苦労しました。
1度目の挑戦は失敗した
実は、創業当初も今と同じように、営業を教え、案件を持ってきて一緒に売っていくという形をとっていました。ただ、これは1度失敗しています。商材の選び方がよくなかったり、今ほどみんなが売れる仕組みをつくれていなかったりしたことが原因です。1度失敗したからこそ、今回はもう一度、より良い形で挑戦できています。
属人化を抜け出すためのリーダー制度
今の組織課題は、特定のメンバーに依存している部分があることです。主要なメンバーが背中を見せて引っ張ってくれているからこそ、今の状態がありますが、それを再現性のある形にしていくことが必要だと感じています。新しく入ってくる子たちが、最短で成果を出せる状態をつくるために、全員が数値を出せる仕組みにしていくことが今の課題です。
具体的には、主要メンバー4人を、リーダー2人とサブリーダー2人という役割に分けました。14人のインターン生をチームに分け、それぞれのリーダー・サブリーダーが、チームメンバーへのロールプレイングや商材研修、営業同行などを担当し、新人の引き上げに責任を持つ体制で動き始めています。
選手から経営者へ、カンテラシステム
Canteranoには「カンテラシステム」という7段階の成長ステージがあります。サッカーの下部組織になぞらえたもので、まずは選手として現場に立ち、最終的には事業を立ち上げて推進していく経験までできる組織にしたいという思いでつくりました。プレイヤーで終わるのではなく、事業立ち上げから推進まで経験できる、そんな段階を踏んでいける仕組みです。
100人規模、そして関西展開へ
今年12月までに30人まで組織を増やしていく予定です。再来年には100人ほどの規模にしていきたいと考えています。最終的には「営業インターンをするならCanterano」と、まず名前が挙がるくらいの組織にしていきたいです。
エリアは今のところ東京を中心とした1都3県が基本です。私自身、もともと関西の人間なので、関西の学生たちとも今後どんどん関わっていきたいと思っています。
この会社のよくある質問
未経験でも大丈夫ですか。 はい。理由はどうであれ、本気でやりたいという思いがある方であれば歓迎しています。実際に、他のインターンから移籍される学生もいます。
他の営業インターンとの違いは何ですか。 営業だけでなく、採用や育成、KPI(ケーピーアイ)管理、事業立案まで経験できるところです。営業以外のことも学べるので、その後の選択肢を広げることができると思っています。
編集後記
早稲田大学3年生の編集担当です。今回お話を伺い、教育への思いと営業のプロフェッショナリズムという、一見別々に見える2つの軸が、江本さんの中でしっかりつながっていることが印象的でした。1度の失敗を経て、仕組みとして再現性をつくろうとする姿勢からも、経営者としての誠実さを感じます。関西展開や100人規模という今後の広がりにも、注目していきたいです。