数字にストイックな組織で見てきたもの
「軍隊組織」に合わない人をたくさん見てきた
創業のきっかけになったのは、前職で経験した組織のあり方でした。数字に対してとてもストイックで、縦に組織を広げて売上を伸ばしていくという意味では、その軍隊的な組織はすごくいいものだったと思います。
その一方でなかなか合わない人もたくさん見てきましたし、実際にたくさん辞めていきました。
従業員が成長できる環境をつくりたかった
そうした経験を活かして、働く従業員が少しでも成長できて、真剣に仕事ができる環境を用意したくて創業しました。世の中にはキラキラした新しいサービスがどんどん生まれて、それが社会をよくしていく。そういう姿を見てきたことも、創業の背景にあります。
「自ら保険選び」を実現するデジタル保険代理店
事業内容としては、保険の代理店業をやっています。自ら保険選びというのをテーマに掲げていて、今はデジタル保険代理店を目指しています。webメディア事業と保険代理店事業、この2つがマッチしていて、メインで取り組んでいる部分です。webやSNSで集客して、保険に興味がある人に保険を提案する、という流れです。
お金と人。創業から向き合ってきた壁
資金繰りと、人が辞めていくこと
創業の経緯や事業内容の中で苦労してきたことはお金ですね。それと、人の退職や離職です。
初めて正社員を辞めたときの理由が、今でも印象に残っています。苦渋の決断ではありましたが、本人の強い意思を尊重し、背中を押すことにいたしました。そのときに、ビジョンをもっと明確にしないといけないと痛感しました。
現状維持で満足している層の離職は割り切る一方で、この人とこの人という優秀な人材と一緒に会社を大きくしていきたいという思いがある中で、その思いが一方通行だときついものがありました
常にモグラたたき、それでも軸はぶらさない
そこから常に、いわばモグラたたきのような状態です。バケツの水が漏れて、塞いでもまた別のところから漏れる。経営というのはそういうものだと思っています。世の中が変化していく以上に、弊社も変化しないと水漏れは防げません。常に完璧を取れるわけではなく、変化がある中で改善は日々しているという感覚です。
理念やビジョン、軸はぶらしません。ただ、そこに向かうプロセスややり方はどんどん変わります。よく言われる「あり方」が大事であって、「やり方」はどんどん変えよう、という考え方です。
今、向き合っている2つの課題
優秀な人材の確保と定着率
現時点の課題は、優秀な人材の確保と、その人たちが定着する定着率です。採用面と、あとは集客面ですね。保険に全く興味がない状態のお客様にアプローチするのは非効率になってしまうので、弊社ではwebやSNSでの保険の集客もしています。今、月間300件ほどの集客を、まずは月間1,000件にすることを目指しています。それによって、優秀な人材が、保険に興味のないお客様へのアプローチに時間を使わず、本来の営業活動に集中できるようになります。
年収1,000万円プレイヤーを社員の3割に
人材面では、管理職を除く社員の3割を年収1,000万円プレイヤーにする。ここは会社として本気でやり切りたいと思っています。ただ、年収1,000万円って、そんな簡単な話じゃないです。営業会社なので、売れない時期もあるし、数字が出なくて悔しい思いもする。実力主義で青天井ということは、裏を返せば結果がそのまま自分に返ってくる世界です。僕自身、20代の頃はとにかく働いて、数字を追って、負けて、またやっての繰り返しでした。だから若い人にも、せっかく営業をやるなら一度くらい本気で稼ぐことに挑戦してほしい。会社も口だけで年収1,000万円と言うつもりはありません。稼げる環境をつくる。教育する。集客にもお金を使う。あとは一緒に数字を追いかける。簡単じゃないからこそ、社員の3割が本当に年収1,000万円を超えたら、めちゃくちゃ面白い会社になると思っています。
このあたりについては、noteでも週1回ほど発信しています。
「なら社長(https://note.com/shuji_nara)」というアカウント名で、ビジョンや採用に関する思いを書いていますので、あわせてチェックしてみてください。
保険を、社会に憧れられる仕事にしたい
保険業界の社会的地位を上げたい
今後のビジョンとしては、保険業界の社会的地位向上を目指しています。ファイナンシャルプランナーや保険の営業という仕事は、もっと社会的な評価が上がってもいいと思っているんです。保険の営業というと怪しいと煙たがられがちですが、実際は社会のインフラになっています。国だけでは支えきれない保障を、民間の保険会社が支えていて、それを私たちがご案内している。そこの社会的地位を上げて、憧れられる職業をつくっていきたいと思っています。
攻めのNISA、守りの保険
保険、特に生命保険は目に見えない商品で、契約したとはいえ実感がほとんどありません。インターネットのように、つながらなくなって初めて便利さに気づくようなものと似ていて、万が一のときにしかありがたみを感じにくい。だからこそ怪しい、面倒くさいと思われがちです。
今、NISAが話題になっていますが、お金を貯める・増やすという意味では投資、つまり攻めとしてNISAはいいと思います。一方で、保険は守りの未来への投資だと考えています。攻めと守りをごちゃまぜにしないでほしい、というのが率直な思いです。生命保険業界の社会的意義を向上させたいと思って活動しています。
保険比較の仕組みで、認知を広げる
そのために、保険の比較システム「エコスマほけん(https://es-g.jp/money/)」を開発して先日リリースしたばかりです。SNSでも保険業界の裏側を発信して、少しずつイメージから変えていく取り組みを続けています。
就職活動をする学生へ
社会人になるということは、学生と180度違います。学校はお金を払って行く場所なので、遅刻してもそこまで怒られません。でも社会人はお金をもらう立場なので、遅刻すれば当然怒られます。この違いを理解しないまま社会人になってほしくないと思っています。
面接では、求職者が企業を評価し、入社する会社を選びます。一方、入社後は企業から評価される立場に変わります。
やりたいことやその会社ならではのやりがい、自分の特性を活かすという軸で選ぶ人も多いと聞きますが、それだとだいたい失敗すると感じています。私が伝えたいのは、自分が一番成長できるかどうかを軸に選んでほしいということです。大変そうだからやらない、楽しそうだからやってみたい、ではなく、自分が成長できる環境に身を置いてほしい。
いきなり事務系の仕事ではなく、営業をやってからその辛さをまず知っておく。そういう選び方の積み重ねが、日本の経済力にもつながっていくと思っています。
編集後記
取材を通して印象に残ったのは、「あり方は変えないが、やり方はどんどん変える」という言葉です。人が辞めるたびに悩み、モグラたたきのように改善を重ねてきたという話には、経営の泥臭さと誠実さの両方を感じました。保険を「守りの未来への投資」と位置づける視点は、これから社会に出る身として、お金との向き合い方を見直すきっかけになりました。