学生時代の経験について
東京経済大学経済学部在学中、基礎スキーサークルに所属し、長野県・白樺高原のスキー場でインストラクターとして指導を行いながら大会にも出場しました。スキーは費用のかかるスポーツのため、夏場はアルバイトに励んで100万円前後を貯め、冬になると道具・リフト券・宿泊・移動費でそのすべてを使い切るという生活を繰り返していました。準指導員の取得には社会人スキークラブへの入会が必要であったため知人のクラブに参加し、社会人と日常的に交わる中でコミュニケーション力の土台も築きました。4年次にSAJ準指導員とテクニカルプライズを取得しましたが、自分が本当に好きなものに打ち込み、やり遂げて結果を出すという経験は、この大学時代に得た最大の財産だと感じています。
就職活動と最初のキャリア選択について
2000年の就職活動当時は、りそな銀行への公的資金注入、北海道拓殖銀行や山一證券の経営破綻など、金融危機が相次いだ時代でした。もともと金融機関への就職を希望していましたが、業界全体が揺らぐ状況の中でやむなく方向を転換しました。ガス業界に特別な思い入れがあったわけではありませんが、あれほど社会情勢が悪化する中で「倒産しない」という安定性を最優先に考え、株式会社ミツウロコへの入社を決断しました。入社後は新規ガス納入の獲得を目指して建築会社や不動産会社への営業活動に従事し、この経験が不動産業界との深い接点を生むことになりました。
不動産業界へ進む決断について
インフラ業界では成果を上げても給与に反映されにくく、そのギャップに次第に悩むようになりました。一方で業務を通じてリフォームなど幅広いビジネスに携わる中で、「ガス業界を離れてもリフォームでも住宅設備機器の販売でも自分なら成功できる」という確信が生まれてきました。ミツウロコは良い会社でしたが、このままでは自己成長が見込めないと痛感していた時期に、営業先であった武蔵コーポレーションと出会いました。厳しい環境でありながら社員の皆さんがとても明るく楽しそうに働いており、その社風に強く惹かれました。取引先として会食を重ねる中でカリスマ性ある代表への信頼も高まり、当時の常務からも熱心にスカウトをいただいたことが背中を押しました。何より自分が最も興味を持っていた不動産業界にチャレンジできるという思いが重なり、転職を決断しました。
起業した背景と創業当初の挑戦について
武蔵コーポレーションでは朝7時に出社し、開発案件の現場確認や管理物件のリフォーム現場確認、業者開拓と外出の毎日で、夜は京浜東北線の終電12時に飛び乗って帰宅するという激しい生活でした。後にも先にもこれより長く働いた経験はありません。
自分の得意な部分が深く身についた貴重な時間でした。もちろん大変辛い時期でもありましたが。そうした中で周囲の同僚が次々と起業していくのを目の当たりにし、「自分でもやれるはずだ」という思いが高まり、独立を決意しました。前職の代表には当初反対されましたが、最終的には顧問として取引してくださるという寛大なご対応をいただき、創業期の売上の柱を支えていただきました。その温かいご支援は今でも深く感謝している出来事です。「人生の安定は自分で作る」「三方良しの商いをする」という信念のもと、お客様・社員・取引先のすべてが豊かになれる事業を目指してスタートを切りました。
現在の事業内容について
ハウスリンクグループでは、将来的な人生設計におけるお金の不安を、不動産を活用して解決する事業を行っています。新築・中古の収益用不動産の開発・販売を外注に出さず、すべて自社で商品開発を行い、その後のアパート賃貸管理やプロパンガス供給をはじめとしたアフターフォローまで、不動産投資の最初から最後まで一気通貫でサービスを提供しています。特に主力商品である「カインドネスシリーズ」は、1都3県の主要駅近くに供給する新築木造3階建てアパートです。お客様の資産形成を川上から川下まで支援できることが、私たちの最大の強みだと考えています。
会社としてのビジョン
現在65名・売上100億円の組織をさらに成長させ、5年後の令和13年末には175名・売上300億円という目標の実現を目指しています。単なる規模の拡大ではなく、建材業者様とのシェア拡大、賃貸管理やガス供給といったストックビジネスの件数増加など、取引先からも「なくてはならない存在」と言っていただける会社を目指しています。不動産・建築・管理・エネルギーという複合的な事業基盤を活かし、お客様の人生と資産に長期にわたって寄り添える会社をつくっていきたいと考えています。
学生へのメッセージ
お金を払って学ぶ学生から、お金をもらいながら学び働くビジネスマンへ。その大きな転換点に立つ皆さんにお伝えしたいのは、「食べるために働くだけで終わらないでほしい」ということです。まずは達成できそうな身近な目標を設定し、その上で毎日少しずつでも自分の目標に向かって努力を続けてください。社会人になると学生時代とは異なり、自由な時間は劇的に減ります。通勤・勤務・睡眠を除くと、1 日に 3〜4 時間しか残らないことも珍しくありません。その限られた時間をどのように使うかが、成長の分かれ道になります。小さな積み重ねが、やがて大きな差となって現れます。
編集後記
就活氷河期という厳しい環境のなかで「安定」を選びながらも、その先で得た営業経験を武器に不動産業界へ飛び込み、独立まで果たした菅谷さんのお話には、ビジネスをかじっている身として刺激を受けました。とくに印象的だったのは「小さな積み重ねが、やがて大きな差となって現れる」という言葉です。学生のうちは自由な時間の使い方を軽視しがちですが、社会人になれば1日3〜4時間しか自分の時間がないという現実は、いま一度自分の時間の使い方を見つめ直すきっかけになりました。