学生時代に芽生えた「人を育てる」への興味
スタバでの学びが原点
学生時代は、スターバックスでアルバイトをしていました。そのときに育成の仕組みに興味を持ったのが、今の仕事につながる原点になっています。新卒では2018年に、飲食業界向けの人材コンテンツを扱う株式会社ぐるなびに入社して、飲食業界全体について学びました。そのあとに、父がやっている今の会社にジョインしたという経歴です。
想定外だった父の会社への入社
一緒にやる気はなかった
もともと、一緒にやるという感覚を持って社会人になったわけではまったくありませんでした。むしろ、一緒にする可能性は限りなくないというくらいに思っていたんです。
コロナが導いた巡り合わせ
ぐるなびに勤めていた4年間のうち、最初の2年間はコロナとは関係ない世の中で、残りの2年間がちょうどコロナという感じでした。後半の2年間はフルリモートの部署にいて、世の中とほとんど接することがない社会人生活を送っていて。このまま30歳になるのはどうなのかな、と考え始めたタイミングで、たまたま父の会社のサービスがオンラインのサービスだったんです。コロナをきっかけに、飲食店の方々も打ち合わせやミーティングを現場で行うのが当たり前だった業界から、強制的にZoomを使わなければいけない状況に変わって。私たちの会社にとっては風向きが良くなったタイミングで、こちらにジョインしたという、たまたまの巡り合わせでした。
入社してすぐ代表取締役に
社員は私たちだけ
2022年4月から代表取締役を務めています。社員といっても私たちしかいない会社なので、そういう形でやらせていただいています。
責任感はやりながら芽生えた
最初は代表になっているはずなのに、なっている感覚があまりないという感じでした。お客様と接したり、商品についての知識がついていったりするなかで、本当にやりながら少しずつ責任感がついてきたなと思っています。
飲食店向けの教育DXという事業
書籍と連動した動画が始まり
メインの事業は、店舗ビジネスに特化した教育のコンテンツです。もともと父をはじめ、コミュニティに所属しているメンバーの書籍があったので、その目次ごとに動画にするというのがコンテンツの始まりでした。今は所属しているコンサルタントの専門分野に関するコンテンツもあわせて、全部で1,000本くらいの動画があります。最近では、同じコンテンツを調理師の専門学校や飲食に関わる学校向けにも展開を始めていて、これまでの教育DXに加えて学校教育DXというプログラムもスタートしたところです。
飲食店以外にも広がる活用
メインは飲食に関する業界がほとんどですが、飲食店に限らず使われることも多いです。フランチャイズなら本部から加盟店へこのプログラムを使ってねという形で導入されたり、モバイルオーダーやレジなど飲食店をサポートする企業さんが、営業に行く前にお店のことを理解するための勉強として使ったりすることもあります。
他社にはない強み
父の30年の経験が土台
強みとして大きいのは、父の山川博史が飲食業界で30年間働いたあとにつくったコンテンツだということです。業界のことに特化したマニアックな動画が多いのは、他社さんとの違いになっていると思います。
5分から10分の動画にこだわる
飲食業界は、まだまだ勉強するという文化が浸透していません。だからこそ、動画はすべて5分から10分くらいの短い、ミニマムな形にしています。撮影もしやすいですし、短いなかでもマニアックな部分までしっかり網羅できているところが特徴です。
アルバイトから経営者まで学べる研修
接客から法律知識まで網羅
研修の内容は、接客はもちろん、衛生管理や集客、数字のこと、商圏分析や財務、飲食店の法律知識まで幅広く揃えています。初めてアルバイトをする学生さんが接客で困ったときに見られる内容もあれば、経営者の方が見るような内容まで網羅しているので、種類はかなり多いです。会社によって文化観や必要なものが違うので、そのなかからセレクトして使ってもらう形になっています。
飲食業界の未来へのビジョン
日本の食文化を学びで底上げ
飲食業界は、観光と並んで日本の軸になっていく分野だと思っています。たくさん学習をしてもらって、日本のよい文化として浸透していけたらいいなと思っていて。
学びをセットにした文化づくり
楽しく学ぶということもそうですし、会社の文化観をつくっていくうえでは、採用しても学ぶ場所がなければ続かないという面もあります。だから会社の文化観をつくっていくところも、学びとセットで考えてもらえるように、飲食業界ならみんなこれを使っているよと言われるようなサービスになればいいなと思っています。
大学生へのアドバイス
点と点はあとで線になる
今は父と親子で一緒に仕事をしていますが、まさかそうなるとは思わずに、大学生のころから自分のやりたいことを自由にやってきました。今になって振り返ると、それが点と点になって線につながっている部分がたくさんあるなと感じています。大学生のときは何も関係なさそうに見えることでも、あとからつながってくることがたくさんあるので、いろいろな経験をしておくのが、のちのちの糧になると思います。私自身、大学生のときは何も考えずにやりたいことをやっていただけでしたが、振り返るといろいろなところがターニングポイントになっていました。経験する時間がたくさんある大学生のうちに、どんどん経験を増やしてみてほしいです。
編集後記
今回お話を伺っていちばん印象に残ったのは、「一緒にやるとは思わなかった」という言葉でした。学生時代からの計画通りにキャリアを描く人は少なく、目の前のことに向き合った先で道がつながっていくのだと、あらためて感じました。学生起業に取り組むなかで、将来をすべて計算してから動くことの難しさを実感している身としては、心強い言葉でもありました。山川さんのように、いまの経験がいつか線になると信じて、目の前のことに取り組んでいきたいと思います。