フィットネス業界との出会いが、挑戦のきっかけに
現場に深く入り込む中で見えてきた構造課題
2013年に会社を立ち上げ、当初は企業から依頼を受けてシステムをつくる「受託開発」を中心に、さまざまな開発に携わっていました。そのなかで、とある大手フィットネスクラブの基幹システムをゼロから構築するプロジェクトに携わったんです。
もともと私は、さまざまな店舗の事業や業務に深く入り込みながらクリエイティブやシステム開発に携わってきました。その中で、あるフィットネスクラブのシステムをゼロから構築するプロジェクトに関わる機会がありました。
フィットネス業界のリサーチを通じて目の当たりにしたのは、私たちが普段利用しているITサービスとはかけ離れた、アナログで煩雑な店舗運営の実態でした。手続きのたびに紙へ記入し、押印し、それをスタッフが手入力する。ユーザーとしても「もっとスマートにできるはずだ」という違和感を強く持ったことを覚えています。
日本のウェルネス習慣を底上げしたいという想い
フィットネス業界の課題を目の当たりにするなかで、自分たちのプロダクトで社会にインパクトを与えたいという気持ちが強くなっていきました。日本のフィットネス参加率は、欧米に比べるとまだまだ低いのが現状です。でも、もしITの力で手続きを簡略化したり、体験をより良くしたりできれば、もっと多くの人が健康に投資するようになるのではないか。そんな確信があって、2019年に「hacomono(ハコモノ)」というサービスを立ち上げました。
事務作業をゼロにして「接客の本質」に集中できる環境をつくる
予約・決済から入退館までをシームレスにつなぐ
hacomonoは、フィットネスクラブやスクールなどの店舗運営に必要な機能を網羅したSaaS型の基幹システムです。ユーザーは自分のスマホから入会、予約、決済まですべて完結できます。店舗側も、QRコードを用いた入退館管理やマイページ機能によって、フロントでの事務作業を大幅に削減できるんです。単なる管理ツールではなく、お客様と店舗をデジタルでつなぐプラットフォームを目指しています。
スタッフが「お客様の健康」に向き合える時間を増やす
多くの店舗では、スタッフが事務作業に追われてしまい、本来やるべき「お客様のサポート」に時間が割けていないという課題がありました。私たちのシステムを導入することで、フロントの無人化や省人化が可能になります。そうして浮いた時間を、お客様へのカウンセリングやフォームの指導にあててもらう。テクノロジーで効率化する目的は、冷たい無機質なサービスを作ることではなく、むしろ人間らしい温かい接客の時間を最大化することにあると考えています。
業界特化型のVertical SaaSとしての圧倒的な成長
フィットネス以外の多様な「ウェルネス」領域へ拡大
おかげさまで、現在は総合フィットネスクラブだけでなく、24時間ジム、インドアゴルフ、ピラティス、サッカースクール、ダンススクールなどの運動スクール、さらには公共の運動施設など、幅広いジャンルで導入が進んでいます。最近では、サウナやエステ、スクール運営といった分野でも活用していただいていますね。それぞれの業態に特化した細かいニーズを拾い上げ、プロダクトに反映させていく。この「業界特化型」の深掘りが、私たちの強みだと思っています。
伴走型のサポート体制が信頼を生む
私たちが大切にしているのは、単にシステムを売って終わりではないということです。導入していただく企業様は、DXを推進したいけれど何から手をつければいいかわからないという不安を抱えていることも多いです。そこで、弊社ではサポート担当(カスタマーサクセス)が深く入り込み、運用のオペレーション構築から一緒に考えていきます。お客様の成功がhacomonoの成長に直結するという考え方が、組織全体に浸透していますね。
ウェルネス業界の未来を創る組織とビジョン
「次世代のウェルネス」を支えるインフラを目指す
これからは単なる「店舗管理」の枠を超えていきたいと考えています。例えば、蓄積されたデータをもとに、一人ひとりに最適な運動メニューを提案したり、地域の健康寿命を延ばすための仕組みを作ったり。将来的には「ウェルネス産業のOS」のような存在になり、日本全体の健康意識をアップデートしていくのが私たちの使命です。
変化を楽しみ、自らもウェルネスを体現する組織へ
弊社には、スポーツや健康に対して情熱を持っているメンバーが非常に多く集まっています。採用においても、弊社のミッションに共感し、自律的に動ける方を重視しています。会社としても、メンバーが健康でいきいきと働ける環境を整えることで、より良いサービスを提供できるというサイクルを作っていきたい。まだまだやりたいことはたくさんあります。テクノロジーの力で、より多くの人がウェルネスな体験を享受できる社会を創り上げていきたいですね。
編集後記
今回、蓮田様のお話を伺い、ITの力で「人間の温かさ」を最大化するという視点が非常に印象的でした。私はビジネスの経験はまだありませんが、DXと聞くと効率化や自動化ばかりをイメージしていました。しかし、hacomonoが目指しているのは、事務作業を減らすことでスタッフの方がお客様の健康という本質に向き合う時間を創ることです。テクノロジーは人を置き換えるものではなく、人を自由にするためのものだという学びを得ました。私自身も、将来は誰かの不便を解決し、その先の「体験」を豊かにできるような仕事に挑戦したいと強く感じました。