インタビュー

GAFAMを超えたい。ライブ配信「ふわっち」で創る新たなサードプレイスと、世界へ挑むtoC事業戦略

更新: 2026年8月26日
GAFAMを超えたい。ライブ配信「ふわっち」で創る新たなサードプレイスと、世界へ挑むtoC事業戦略
PROFILE
株式会社jig.jp 代表取締役社長CEO
川股 将

自ら事業を動かす側へ、上場前のjig.jpを選んだ理由

――もともと経営者を目指していたのですか。

もともと実家が会社を経営していたこともあり、ゆくゆくは自分も経営する側に回りたいという思いをずっと持っていました。
その後5年ほど、さまざまな会社の経営に間接的に携わる仕事をしてきました。その中で、多様な会社の経営を見てきたことで、次は自分自身がより直接的に経営に関わりたいという思いが強くなり、転職を考えるようになりました。

――数ある会社の中で、なぜjig.jpを選んだのですか。

事業の方向性やビジョンに共感できたことが、入社を決めた大きな理由です。また、創業者3人の考え方に共感したことも大きいです。
世の中のトレンドを常にウォッチして、そのど真ん中にあるサービスをスピーディーにどんどん提供していく。そうした考え方に魅力を感じました。
私自身としても、多くの人に対してプラットフォームやツールなど、様々なコンテンツを提供していけるというところがすごく面白そうだなと思いました。

――事業やビジョンへの共感以外に、入社を決める上で重視されたことはありましたか?

もう一つの理由は、会社の成長フェーズです。2020年夏頃に面接を受け、上場を控えた2021年2月に入社しました。
当時は、上場に向けてまだ解決すべき課題やタスクが多く残っている段階で、自分自身が担うべき役割や貢献できる領域が明確だと感じました。その点についても面接で確認した上で、入社を決めました。
入社後は、組織づくりをはじめとする「守り」の部分を中心に会社の基盤を整えながら、事業の強みをさらに伸ばし、次のステージへ進むための土台づくりに取り組んできました。

「作り込まないリアルさ」が居場所になる、現代の孤独に寄り添うプロダクト思想

――御社の事業の強みを教えてください。

当社は、エンドユーザー向けのtoCサービスを展開しており、サービスの開発力と運営に関するノウハウ・知見を強みとしています。
これまで、会社を牽引してきたライブ配信サービス「ふわっち」の成長を継続させることは今後も重要な軸ですが、直近でマッチングアプリ「バチェラーデート」をグループに迎えるなど、toC領域での事業展開も着実に広げています。

――「ふわっち」が目指す世界観について、もう少し詳しく聞かせてください。

ライブ配信サービスは、コミュニティを形成する側面が非常に強いと考えています。
学生であれば、学校というコミュニティの中で、何でも話せる友人がいることも多いと思います。一方で、社会人になると、会社も一つのコミュニティではありますが、何でもさらけ出して話せる相手がいるとは限りません。家族についても、何でも話せる家庭もあれば、そうでない場合もありますし、一人暮らしであれば、家に帰ってから誰かと気軽に話す機会が少ないこともあります。
こうした「孤独」や「孤立」が現代の社会的なテーマになっている中で、人々にとってのサードプレイス(第三の居場所)として、ライブ配信サービスが果たせる役割は大きいと感じています。

――なぜライブ配信は、そうしたコミュニティが育ちやすいのでしょうか。

その役割の一部は既存のSNSが果たしているとは思いますが、SNSにはそれぞれの特徴があります。誰かの華やかな日常や情報を一方的に閲覧するメディアもあれば、多様な意見が飛び交う言論の場もあります。
そうしたなかでライブ配信が持つ最大の魅力は、「作り込まないリアルさ」にあります。その瞬間にしか生まれないコミュニケーションであり、着飾らない等身大の姿だからこそ、確かなコミュニティが成り立つのです。
「ふわっち」の思想は、100人や200人といった大人数の集団を作ることではありません。目指しているのは、お互いが心地よい距離感で分かり合える「10人規模」の小さなコミュニティを、無数に生み出していくアプローチです。 ユーザー層は30代〜40代が中心で、50代の利用者も多くいらっしゃいます。20代は、学生時代からの友人関係など、既存のコミュニティが維持されているケースも多く、日常的に人とつながる機会が比較的多いのかもしれません。一方で、ライフステージが変化するにつれて、人間関係や生活環境にも変化が生まれ、新たなつながりや居場所を求める方も増えていきます。そうした方々に、私たちのサービスが深く届いていると感じています。
現在は月間約120万人の方にご利用いただいていますが、私たちはこれをさらに拡大し、ゆくゆくは国内随一のプラットフォームとして、社会的な課題である「孤独・孤立の解消」に貢献できる場でありたいと考えています。

GAFAMを超えたい。トレンドを捉え攻めの姿勢で挑むグローバルへの道

――今後の事業ビジョンを教えてください。

今後のビジョンとしては、先述したtoC領域での事業展開をさらに広げていくことを目指しています。
まずはライブ配信サービスを着実に成長させ、国内ナンバーワンを目指していきます。一方で、toC領域における価値提供の形はライブ配信だけではありません。現在展開しているマッチングアプリをはじめ、さまざまなアプリやWebサービスにも可能性があると考えています。
今後も事業領域を徐々に広げながら、より多くの人に価値を届けられるサービスを生み出していきたいと思っています。そして最終的には、グローバルで見たときにGAFAM(ガーファム)と呼ばれるような巨大企業に肩を並べ、さらにそれを追い越していくことを目指しています。日本のITサービス企業がグローバルで成功した事例はまだ多くありませんが、だからこそ、当社としてはその目標を、愚直に追い続けていきたいと考えています。

――新規事業は、どのように立ち上げているのですか。

当社では、今いるメンバーで何ができるかを起点に事業を考えるのではなく、「この領域に挑戦したい」という発想から新規事業が始まるケースが多いです。そのうえで、事業を成功させるために必要な人材を考え、社内に熱量を持って取り組めるメンバーがいればアサインし、難しければ中途採用や業務委託、新卒採用など、あらゆる手段を使ってチームをつくっていきます。
こうした環境だからこそ、自分がやりたいと思った事業に挑戦できるチャンスが、他社と比べても多いのではないかと思います。実際に、新規事業の責任者を若手メンバーに任せることも多く、toCサービスではトレンドを捉える若いメンバーの熱量を活かしながら、ベテランが経験面で支えるという形を取っています。
また、一つの事業をゼロから立ち上げ、成長させる経験を積むことで、自ら事業を動かせる人材が社内にどんどん増えていくことも特徴です。誰かの指示を待って動くのではなく、それぞれが自ら気づき、考え、推進していく。そうしたフラットでチャレンジングな組織であることも、当社の大きな強みだと考えています。

――新規事業の展開スピードについて教えてください。

事業の展開スピードは非常に速く、四半期に1本は新規事業が立ち上がるようなスピード感で進めています。トレンドが常に変わっていく世の中で、新しい芽ができたところにはすぐにサービスを提供すべくトライしますし、これから成長する新興市場だけでなく、既に大きな市場にもチャンスがあれば積極的に挑戦しています。
toCを軸にあらゆる可能性を考えながら新規事業を展開する一方で、時間を買うという観点からM&Aも活用し、さまざまな手法で新しい領域への拡大を進めていきたいと考えています。

「やりたい」が事業になる。若手に任せ挑戦を最大化する組織風土

――toCのビジネスに興味がある学生に向けて、メッセージをお願いします。

toCのビジネスは、シンプルに「面白い仕事」だと思っています。
自分の友人や知人をはじめ、身近な人が日常的に自社のサービスや製品を使ってくれることもありますし、より広く、多くの人の生活や日常を豊かにしていくことにもつながります。自分が携わったサービスが実際に誰かに使われ、生活の中に入り込んでいくという手触り感を得られるのは、toCならではの面白さだと思います。もちろん、toBのビジネスにもスケールの大きさややりがいがありますが、そこは好みかなと思います。
当社は、ライブ配信、マッチングアプリ、VTuber、スマート眼鏡(ARグラス)など、さまざまなtoC領域に挑戦しています。事業領域は多岐にわたりますが、それぞれの領域でナンバーワンを目指し、すべての事業に本気で取り組んでいます。だからこそ、toCビジネスに携わりたい人にとって、当社は日本の中でも有力な選択肢の一つになると考えています。

――どんな学生が、御社に向いていると思いますか。

自分で考えて動ける人には、本当に最適な環境だと思います。
大企業では研修などが充実していて、会社から学ぶ機会を得ながら一人前になっていくという環境もあると思います。
一方で、当社の場合は、自ら学び、自ら考え、どんどんチャレンジしながら形にしていくことを大切にしています。与えられた仕事をこなすだけではなく、自分でビジネスを生み出していきたいという方が、特にマッチするのではないかと思います。

編集後記

今回のインタビューを通して、トレンドを起点に新規事業を立ち上げていくスピード感や、若手が新規事業の責任者を任される組織づくりのお話がとても印象的でした。ライブ配信を単なる動画サービスとしてではなく、孤独や孤立への解決策としての「サードプレイス」として捉える視点も新鮮で、事業への向き合い方の深さを感じました。GAFAMを超えるという壮大なビジョンを、愚直にという言葉で語る姿からは、地に足のついた挑戦の姿勢が伝わってきます。自ら学び挑戦したい学生にとって、多くのチャンスがある会社なのではないかと思いました。