インタビュー

看護師から、青森発の起業家へ。「感動を届けたい」が原動力に

PROFILE
株式会社Realize 代表取締役
木村 尚斗

看護学校から事業へ

専門学校時代の芽生え

大学生のように華やかなキャンパスライフを送っていたわけじゃないんですよね。もともと看護師の専門学校に通っていたので、女性が多い環境の中で、看護の勉強をしていました。

看護師という仕事はすごく意義深くて、直接人の力になれる仕事だと思っています。でも当時から、起業というものにずっと興味があって。働きながら通う形の学校だったこともあって、在学中から徐々に事業にも関わるようになっていきました。「事業をしながら看護学生をしています」みたいな、ちょっと変わった学生でしたね。

看護師だからわかった「限られた人生」

看護師として現場に立つ中で、人の生死に立ち会う機会がありました。「良い人生だった」と穏やかに旅立たれる方もいれば、「もっとやってみたかったことはあるが、できなかった」と悔やみながら亡くなっていく方もいる。そういう方たちの言葉を間近で聞いてきたんです。

そこで気づいたのが、人生って思っているよりずっと短いんだということ。限られた時間の中で、自分は何をしていきたいのか、すごくリアルに考えるようになりました。それが今の原動力のひとつになっています。

青森から起業するという選択

看護師として患者さんに価値を届けることはできる。でも私個人としては、もっと広い世界へ向けて価値や感動を届けたいという気持ちが強くあって。その手段として、起業という選択肢がリアルに見えてきました。

青森で物販事業を育てる

地方で試行錯誤した出発点

青森で看護学生として学びながら、何か事業を起こそうとしたとき、地方だと手段がかなり限られるんですよね。店舗を持つのは現実的じゃない。そこでオンラインで、店舗なしで完結できるビジネスモデルをいろいろ試行錯誤した結果、物販・買取事業に行き着きました。

メインのプロダクトは中古カメラです。ちょっとニッチなジャンルではあるんですが、個人や法人から仕入れ、清掃・整備を行い、不具合があれば修理したうえで、モールで販売するというシンプルなモデルです。オンラインで完結するので全国のお客様に商品を届けることができます。

「感動を届ける」という仕事の軸

頂く金額以上の価値を届けること。「この会社にお願いしてよかった」と少しでも思ってもらえること。そこは常に意識しています。それが事業を通じて大切にしている軸の一つですね。

青森起業のリアル

青森で起業して感じるのは、若手が地域を盛り上げようとすると、行政や金融機関など多くの方が応援してくださることです。これは地方ならではの大きな魅力だと感じており、とても感謝しています。

その一方で、若手の起業家や新しい挑戦をする人が少ない分、最新の情報や先進的な取り組みに触れる機会はどうしても限られます。

なので、意識的に東京などで先進的な活動や意義深い事業を展開している企業・経営者の方々と積極的につながるようにしています。

そこで得た知見や成功事例を地元の活性化や新たな価値創出につなげていくことが大事だと感じています。

 

挑戦したい人と、一緒に

「内向的な人」にも開かれた事業

今共に活動しているメンバーは、20代前半から50代後半まで幅広い年代の方々がいらっしゃいます。副業の方もいれば独立して活動されている方まで様々です。パソコン1台があればフルリモートで全国どこでもできる仕事なので、自由度は高いですね。

特徴的なのは、いわゆる「体育会系でリーダーシップがある人」より、一人で黙々と取り組むのが好きなタイプや、職人気質の方、少しオタク気質の方やゲーム好きの方にすごく向いていて、そのような方の才能が開花する仕事だと思っています。

起業やフリーランスへの扉として

「選択肢を広げたい」「フリーランスとして稼げるようになりたい」「将来的には自分で事業をしたい」。

実際に、これまでそんな想いや理想を持ったメンバーが成長し、実現していく姿を見てきました。

そして何より、その実現に向けた支えやきっかけになれることが、僕にとって大きな喜びです。

自分の力で売上を作る経験や、事業を回す経験はなかなかできるものではありません。だからこそ、この環境を成長の場として活用してもらい、その挑戦を全力で応援したいと思っています。

お互いに信頼しながら、一緒に成長していける仲間と仕事ができたら嬉しいです。

 

地方の学生へ

地方で挑戦しようとすると、周りから否定されることも多い。私自身もそうでした。でも、自分の感覚は自分にしかないものだから。失敗しても全然いい。もし応援してくれる人が一人もいなかったとしても、私はその人を応援したいと思っています。

人生は一度きりです。ぜひ沢山の挑戦を共にしていきましょう。

日本の技術を、世界へ

ビジョンはグローバルに

現在、海外の販路開拓も複数の国で進めているところです。他の国に様々行って感じるのは、日本のプロダクトの品質や技術力は、非常に高いということ。それをもっと世界に届けていきたいというのが、ビジョンの1つとしてあります。

そして何より、日本を少しでも盛り上げ、貢献していきたいと思います。

編集後記

木村社長のお話を聞いて、一番印象に残ったのは「内向的な人にも才能を発揮してほしい」という言葉でした。起業家というと、積極的でエネルギッシュなイメージを持ちがちですが、木村社長ご自身が地方で試行錯誤しながら道を切り開いてきた経験があるからこそ、語れる言葉だと感じました。看護師時代に人の生死に向き合い「人生は短い」と実感したことが、今の行動力の根っこにあるというエピソードも、強く印象に残りました。青森という地から、世界を見据えて挑戦し続ける姿勢。就活や将来に迷っている学生にとって、大きなヒントになるのではないかと思います。