インタビュー

不動産の知識を保育に活かし、10年間の営業経験を子どもたちの環境づくりに繋げた理由

更新: 2026年9月17日
不動産の知識を保育に活かし、10年間の営業経験を子どもたちの環境づくりに繋げた理由
PROFILE
株式会社ライフらび 代表取締役
小澤 純平

自分で野球部を作った学生時代

学生時代は、中学校からずっと野球を続けていました。進学した高校には野球部がなかったので、学校側と交渉して野球部を立ち上げたんです。ゼロから作ってキャプテンとして活動した経験は、今でも一番印象に残っています。誰かが用意してくれた環境に乗るのではなく、自分でなければと思ったら動く、という考え方は、このときに身についたのかもしれません。

不動産から保育へ、母の仕事と掛け合わせた起業

経済学部を卒業してから、不動産仲介会社に新卒で入社し、10年間営業職を務めました。独立を考えるようになったとき、母が児童福祉の仕事に携わっていたこともあって、自分の専門である不動産と保育を掛け合わせられないかと考えるようになったんです。最終的に、前職で同期だった仲間2名と一緒に、不動産と保育の両方を軸とする形で起業しました。

反面教師にした前職の働き方

不動産営業の時代に培った、相手のニーズを的確に汲み取る力や、相手の立場に立って物事を掘り下げる姿勢は、今の職員との関係づくりにもそのまま活きています。一方で、当時の不動産業界は長時間労働で休みも少なく、家庭との両立が難しい環境でした。この経験を反面教師として、弊社では家庭と仕事を両立できる働き方をとくに大切にしています。

保育と不動産は繋がっている

不動産事業と保育事業は、一見すると別々の事業に見えるかもしれません。その一方で、保育園を利用する20代・30代の親世代は、住宅ニーズを持つ層とも重なります。この接点があることが、経営上の強みになっていると感じています。基本的にすべての事業が保育に関連しているので、複数事業を展開していても大きく矛盾することはなく、運営は順調です。

面談で組織を安定させる

現在、全事業の95%を保育事業が占めています。職員は女性が多く、当初は業務外の人間関係が職場に影響し、退職に繋がってしまうこともありました。そこで、年に2回、全職員と面談をおこなうようにしたんです。相手の行動の背景を理解しようと努めることで、少しずつ組織が安定していきました。

5年で10施設を目指す

今後は、川崎エリアと横浜市内で施設を拡大し、5年以内に合計10施設体制を目指しています。あわせて、医療的ケアが必要な子どもの受け入れも全施設に拡大していきたいと考えています。来年度からは、運営年数が最も長く保育運営事業部の基幹施設でもある立場園を皮切りに看護師を複数配置し、5年以内には全施設で医療的ケアに対応できる体制を整える予定です。

柔軟な働き方で定着を高める

現在、積極的な採用活動をしていなくても離職が少ないのは、職員一人ひとりのライフイベントに柔軟に対応してきたからだと思います。若い世代であれば結婚や出産、年配の世代であれば親の介護など、それぞれのタイミングに合わせて働き方を調整できる制度や環境を整えてきました。それが定着率の高さに繋がっているのかなと感じています。従業員規模が拡大していくなかで、産業医の選任や従業員のメンタルケア体制の整備も、経営上大事なテーマになってきました。

やりたいことは急がなくていい

学生のみなさんには、やりたいことがまだ明確でなくても焦らなくていいと伝えたいです。大学の4年間でいろいろな経験、人脈を得て自分の方向性がぼんやりとでも見えてくれば、それだけで十分価値のある時間だと思います。

編集後記

小澤さんのお話を伺って、一見畑違いに見える不動産と保育が、暮らしという軸で自然に繋がっていることが印象的でした。高校で野球部を自ら創設したエピソードからも、環境がなければ作ってしまう行動力が一貫しているのだと感じます。組織づくりにおいても、面談を通じて相手の背景を理解しようとする姿勢が、現場の安定に繋がっているのだと思いました。