大学を中退し、フリーターになった
就職活動をする予定だった
大学時代は、正直なところ、あまり深く考えていなかったんですよね。なんとなく大学に行って、就職活動をして、卒業したらどこかの企業に勤めるのかな、くらいのゆるい感じで考えていました。ただ、あいにく卒業はできず、中退しました。
そこから、ふわふわと思い描いていた予定が全部狂ってしまって、フリーターになりました。だいたい5年くらい、そんな生活をしていたと思います。
薬局のホームページ作りが、すべての始まりだった
パソコンを買った、という一言から
1998年に、当時アトピーの治療で通っていた薬局の店長さんから、「よかったらうちのホームページを作ってくれないか」と声を掛けられたのが、きっかけです。「君、暇でしょ?」みたいな感じでした。実際、その時は派遣の期限が切れて暇にしていたんですけれど。
そもそもの発端をたどると、その少し前に、自慢げに「パソコンを買いました」という話をしたんですよね。「パソコンあるなら、ホームページ作ってよ」と言われたのが最初でした。
薬局のホームページを作って、そのまま管理できる人が誰もいなかったので、私が成り行きでホームページと、さらにネット通販の管理も始めることになりました。それなりに売り上げは上がったんです。
いい加減な理由で、方向転換した
ただ、他に事業をしている人たちと交流するうちに、自分もネット通販以外にも何かしようかなと思うようになりました。そして最初は、ネット通販のクレーム対応という切り口でメルマガを書いて、関係するサービスをいろいろ扱っていたんですが、どうも筋がよくなくて。結局、ネット通販と両立もできなさそうだったのでやめたんですが、これもかなりいい加減な話だと自分では思っています。
整体師向けのサポートから、「地元密着なび」が生まれた
異業種交流会での、偶然の出会い
異業種交流会に参加した時に、派遣登録会社から依頼を受けてホテルなどに施術に行くマッサージの方と話をする機会がありました。そういった仕事は、派遣元側の派遣手数料がかなり多く取られてしまうそうで、できれば直接仕事をもらいたいという話を聞いたんです。それなら、ホームページを作ったらどうですか、とお伝えしました。
そこから、整体や施術をしている方向けにホームページを作ったり、ホームページからお客さんを呼べるようにサポートしたりする仕事を始めました。だいたい20年ほど前のことだったと思います。
お客様の依頼のたびに、扱えるサービスを広げてきた
そこからは、お客様から「携帯用のホームページを作りたい」「スマホでも見やすいホームページがよい」「Googleマップ対策、MEOをしてほしい」といったご依頼をいただくたびに、だいたい私が自分で手を動かして取り扱いサービスを広げてきました。それが今につながっています。
「地元密着なび」という名前は、私が地元に密着して近所の方に何かをする、というふうに受け取られがちなんですけれど、実際には、地元密着でお仕事をしている方たちに「こうしたらいいですよ」とナビゲーションする仕事、という自負でつけています。
お客様が一番多いのは首都圏で、次に関西圏です。奈良県はそれほど多くはいらっしゃらないんですが、いらっしゃることはいらっしゃいます。
お客様に喜ばれることが、一番の原動力
感謝されたい、という気持ち
基本的には、お客様に喜ばれないと、ちょっとしんどいですね。お金は当然いただかないといけませんが、どうせなら感謝もされたいですよね。
お客様は間違えることがあるので、間違えている時にいかに角を立てずに軌道修正していただくか、というところは大切にしています。
お仕事は継続的というより、スポットでのご依頼が多いです。会社は、ずっと私一人でやっていて、今後もこの規模を大きく増やす予定はありません。
生成AI時代に、地元のお店をどう紹介するか
この5年ほどで、取り組みたいこと
今はちょうど生成AIがどんどん普及してきていて、それをどう扱えばよいか分からない方も多いと感じています。逆に、AIの回答をなんでも鵜呑みにしてしまって、ハルシネーションなどの間違った情報でひどい目に遭う、というケースもあります。Google検索でもAIによる要約が普通に出てくるようになり、ゼロクリック検索も増えました。
そうした中で、自分のお店をどう紹介すればいいのか困っている方に、「じゃあこうしましょう」とアドバイスできるようにしていきたいと思っています。だいたい、これから5年ほどの間にやっていきたいことですね。
学生へ伝えたいこと ― きっかけは、本当にわからない
頼まれごとは、とりあえず聞いてみる
自分自身、そもそも成り行き任せ、風任せのような生き方をしてきたので、これに再現性があるのかどうかも、正直分かりません。ただ、こういう生き方もあるんだ、ということは、学生の方にも知ってほしいなと思います。
ありきたりな言い方になりますが、頼まれごとは、よほど無理でない限りは、とりあえず聞いてみてもいいんじゃないかと思っています。何がきっかけになるかは、本当に分かりませんから。
最初の薬局の店長に頼まれたのも、少し前に「パソコンを買った」という話をしたのがきっかけでしたし、異業種交流会でマッサージの方に出会って話をしたのも、はっきり言えば偶然です。それがなかったら、まったく違う方向に進んでいたかもしれません。
あまり欲張ってガツガツいくのがいいというわけではありませんが、人と話をしたり、提案や悩みごとを聞いたりする機会を持っていると、何かしらきっかけが生まれるのかなと思います。
一人でやっているからこその、融通の利く仕事
大掛かりな仕事も、一人で対応する
うちの魅力、メリットとしては、私一人でやっているので、基本的には融通が利くというところです。「こんなこと頼んでもいいんだろうか」「しょうもないことを聞いてもいいかしら」といった、ちょっとしたことにも対応できます。
大掛かりな仕事で言うと、LMS(学習管理システム)という、ネット経由でいろいろ勉強できる仕組みを作ってほしい、というご依頼をいただいたこともあります。WordPressのプラグインで、なんとか私の手に負えそうなものがあったので、それを使ってシステムを組み上げました。導入先は、予備校・塾でした。
いろいろな業種のお客様から、いろいろなご相談をいただきながら、今日までやってきています。
編集後記
新谷さんのお話を伺って、一番印象に残ったのは「頼まれごとは、とりあえず聞いてみる」という姿勢です。大学中退やフリーター時代を経て、偶然の出会いを積み重ねながらキャリアを築いてこられた歩みは、将来の道筋をきっちり決めなければ、と気負いがちな学生にとって、大きなヒントになるのではないでしょうか。生成AI時代の地元密着なびのあり方を模索されている今後の展望も、とても興味深いお話でした。