医学部で覚えた強い違和感
現場より仕組みに惹かれた
医学部に入って、医師になるってどういうことなんだろうと考える機会が何度もあったんですよね。臨床の現場に立って、目の前の患者さん一人ひとりを診ていく。それはもちろん尊い仕事なんですけど、私は、一人を診ることより、仕組みをつくって課題解決の規模を広げていくことのほうに強く惹かれてました。医師として個別の診療をするより、システムをつくって、より多くの人の課題を一度に解決できる方法はないかって、ずっと考えていたんです。
5年生で休学を決めた
医学部の勉強を続けながら経営もやっていて、アクセラレータープログラムを活用して資金調達をしたりもしていました。しかし、両立には限界があって、5年生を終えたタイミングで1年間休学することにしたんです。その期間で資金調達やサービス開発に本腰を入れて取り組みました。
会社を「売却」するという選択
売却と、次なるステージへの挑戦
2023年10月、自身がゼロから立ち上げ、育ててきた事業をM&Aという形で他社へ売却いたしました。 自らの手で創り上げた経営資源を、信頼できる買い手企業へと引き継ぎ、さらに発展させてもらう。この「事業を託す」という決断を選んだことは、私のキャリアにおける大きな転機のひとつとなりました。
予防医療とメンタルヘルスを届ける
産業医サービスから始める
現在取り組んでいるのは、メンタルヘルスに特化したオンライン産業医サービスです。メンタル不調による休職や復職への対応を中心に事業を展開しています。もともと私が一番興味を持っていたのが予防医療とメンタルヘルスの領域だったので、そこにまっすぐ向き合えているという感覚があります。
目指すのは全ての人への予防医療
産業医サービスは、入り口だと考えています。将来的には、働くすべての人に予防医療を届けたいです。そのために、産業医サービスにとどまらず、多様なヘルスケアサービスを従業員のみなさんに提供できる会社にしていきたいと思っています。
学生に伝えたいこと
若さの熱狂を大事にしてほしい
現在はAIの進化がすごいスピードで進んでいて、将来に不安を感じている学生さんも多いと思います。私自身、挑戦者のメンタルヘルスに向き合う事業をやっているからこそ感じるのは、過度に自分を客観視しすぎるより、若さならではの熱狂を大事にしてほしいということなんですよね。悩みすぎず、まずは挑戦を続けてみてほしいです。
わからないと言えることは強み
キャリアの選び方についてもよく聞かれるんですけど、起業したいならベンチャー企業、就職だけを考えているなら大手企業のほうが向いていると思います。それと、知識がないことを素直に「わからない」と言えるのって、実は若い人の強みなんです。学生起業を見下すような人たちの声に惑わされず、自分の道を突き進んでほしいなと思っています。
インターン生と作る0から1
展示会や問い合わせ対応に挑戦
インターン生には、問い合わせ対応や展示会への出展など、0から1を生み出す事業開発の現場に関わってもらっています。ヘルスケアやメンタルヘルスの領域に興味がある学生さんにとっては、同世代のメンバーと交流しながら学べる環境だと思うので、興味があればぜひのぞいてみてほしいです。
編集後記
今回、前田さんのお話をうかがって印象的だったのは、医学部という王道のキャリアを歩みながらも、「目の前の一人」より「仕組みで多くの人を救う」ことを選んだ視点です。学生起業というと華やかに見えがちですが、休学してまで資金調達に走った覚悟の重さを感じました。私自身もいつか挑戦する側に立ったとき、この熱量を思い出したいと感じるインタビューでした。