心豊かな暮らしを、手に届く価格で
ライフスタイルそのものを提案する独自のビジネスモデル
弊社はもともとアパレルメーカーとしてスタートしたのですが、今は服だけを売っているわけではないんです。現在は「ケイット」「ノーザントラック」「リラシク」という3つの自社ブランドを展開していて、それぞれのブランドが持つ「理想の暮らし」を具現化するような事業をおこなっています。
アパレルだけでなく、ベーカリーやカフェ、雑貨、さらには今後住宅まで手がけていきたいと考えているのは、お客様にその世界観をトータルで体験していただきたいからなんですね。単にモノを売るのではなく、その先にある「豊かな日常」を提案するというのが、弊社の大きな特徴になっています。
子育て世代のママが自分のために過ごせる場所をつくりたい
なぜそこまでやるのかというと、私自身の経験も大きいんです。アパレル業界に長く身を置いてきましたが、バブル崩壊後のデフレ期に、ただ安いだけの服が溢れる状況に違和感を覚えました。もっと暮らしを彩るような、物語のある提案ができないかと考えたのが創業のきっかけです。
ターゲットにしているのは、とくに子育て世代のお母さんたちです。なぜ、命を育てる大切な仕事をしている人達なのに、窮屈な思いをしながら生活しなければいけないのかと感じ、そんな彼女たちが、弊社のカフェで一息ついたり、ワークショップで何かを作ったりすることで、日々の暮らしにちょっとした楽しみを見つけてもらえたら。そんな「暮らしの学校」のような場所でありたいと思っているんです。
「人」の想いがブランドの血を通わせる
手仕事の温もりとストーリーへのこだわり
弊社のモノづくりで大切にしているのは、手仕事の要素を取り入れることです。今の時代、何でもデジタルで効率よくできますが、あえてデザイナーが手書きしたイラストをプリントにしたり、刺繍(ししゅう)の図案を考えたりしています。ちょっとした不均一さが、着る人の心に温かみとして伝わると思うんですよね。
それぞれのブランドには具体的な「暮らしのシーン」が設定されていて、それに合わせて商品開発をおこなっています。たとえば「北欧の暮らし」や「DIYを楽しむ生活」といったテーマを深掘りすることで、お客様に共感していただけるストーリーが生まれます。この一貫したこだわりが、他社にはない強みになっていると感じています。
理念に共感するメンバーが自走する組織
組織づくりにおいて一番重視しているのは、弊社のフィロソフィーへの共感です。スキルももちろん大切ですが、それ以上に「お母さんたちの暮らしを豊かにしたい」という想いに心から賛同してくれる人と一緒に働きたいと思っています。
理念に共感しているからこそ、社員が自ら考えて行動するシーンが見受けられます。例えば、店舗でのイベント企画や新しいメニューの開発なども、現場のスタッフがブランドの世界観を理解したうえで提案してくれます。私が細かく指示を出すのではなく、共通の価値観を持った仲間がそれぞれの持ち場で個性を発揮してくれる。そんな組織になってきているのが、本当に心強いです。
リアルな体験を通じて届ける、これからの展望
大阪・大東市「morinekiプロジェクト」での新たな挑戦
今、注力しているプロジェクトの一つが、大阪府大東市のmorinekiプロジェクトでのまちづくり事業です。ここでは「子育てママたちの学び場」をテーマに、弊社が培ってきたライフスタイル提案を注ぎ込んでいます。
公園の中にカフェやライブラリー、ワークショップスペースを設けることで、地域の方々が自然と集まり、交流が生まれる仕掛けを作っています。ここでの取り組みは、単なるビジネスを超えて、地域課題の解決にもつながると信じています。リアルな場所があるからこそ伝えられる感動を、もっと広げていきたいですね。
暮らしの質を高める、究極の「手に届く幸せ」
今後の展望としては、やはり住宅事業を展開していきたいと考えています。服や食事も大切ですが、暮らしの基盤となるのは「住まい」です。弊社の世界観を反映した家で、家族が楽しく過ごす。そんな風景をたくさん作っていきたい。
もちろん、それを高価なものとして提供するつもりはありません。あくまで「手に届く価格」で、いかに豊かな体験を提供できるか。日本のお母さんたちが、もっと自分らしく、笑顔でいられる社会。そんな未来を、ノースオブジェクトの提案を通じて実現していくことが、私の使命だと思っています。
編集後記
今回、南代表のお話を伺って、ビジネスの本質は誰かの幸せを作ることにあるのだと強く感じました。単にアパレルや飲食を展開するのではなく、その根底に「子育て中のお母さんを元気づけたい」という一貫した想いがあるからこそ、多角的な事業がバラバラにならず、一つの大きな物語として成立しているのだと学びました。
大学での講義では「差別化」や「セグメンテーション」といった言葉で片付けられがちな戦略も、実際は「誰のために、どんな温度感で届けるか」という熱量が重要なんですね。私も将来、単なる数字や効率だけでなく、南代表のように誰かの日常に彩りを添えられるような、温かい視点を持った仕事に携わりたいと思いました。