大手飲料メーカーから教員、そして起業へ
ビール会社から教壇に立った
私は最初、ビールメーカーに勤めていました。新卒で大手飲料メーカーに入社したんです。当時は別にお酒がすごく好きだったから入ったわけでもなくて、今とは全然違う道を歩んでいました。
その後、縁があって高校の教員になりました。現場で高校生の就職支援に携わる中で、いろいろな課題が見えてきたんです。
教員時代に見えた課題
高校生の就職活動には、独特の難しさがあります。「一人一社制」といって、応募できる企業が一社に限られてしまうこと。ハローワークを通じた就職活動の期間がかなり短いこと。そして、そもそも高校生自身が就職に関する情報を十分に持てていないこと。教員として現場を見ているうちに、こうした課題が大きな壁になっていると感じるようになりました。
自分でやってみようと決めた
当時、高校生の就職支援をメインでやっている会社は、あまりありませんでした。であれば、自分で考えてやってみようと思ったのが、弊社を立ち上げたきっかけです。高校生にもっと選択肢と可能性を持ってもらえるような場をつくれたらいいなという思いが、一番の出発点でした。
主要メンバーの退職から学んだこと
4年目に訪れた転機
創業して3〜4年目のころ、創業近くから入ってくれていて売り上げをつくってくれていた社員数名が、続けて退職していく出来事がありました。会社としての危機というより、経営を考え直す大きな転機だったと感じています。
事業をひとつに絞らない選択
この経験から、売り上げをひとつの事業に依存させるリスクを強く意識するようになりました。そこで、複数の事業を並行して育てていくことを大切にするようになったんです。弊社が現在5つの事業を展開しているのは、この考え方が根っこにあります。
幅広い年代と内製化が強み
採用市場そのものが大きい
今、多くの企業が人材不足に悩んでいます。AI化がこれだけ進んでいる中でも、やはり主要な担い手は社員であるという構図は変わらないと思っていて、採用という市場自体がまず大きいんです。
とくにスタートアップや中小企業は、採用体制そのものが整っていないケースが多くあります。弊社は、その採用体制の構築を代行し、採用強化の実務を担う事業を展開しています。
高校生から外国人材まで対応
企業によって、高校生を採用したい会社もあれば、大学生を求める会社もあり、即戦力の中途がほしい会社もあれば、外国人材を迎えたい会社もあって、ニーズはさまざまです。弊社は5つの事業を持っているからこそ、高校生・大学生・中途・外国人材まで幅広く対応できるのが強みだと考えています。
クリエイティブを自社で内製化
弊社にはSparkブランディングという、動画やSNSを活用したブランディング事業部もあります。とくに若い層は当たり前のようにネットを通じて情報を得るので、企業の魅力がネット上にきちんと届けられているかどうかが、採用市場でも大きなポイントになります。
他社の多くは、クリエイティブの制作部門を外部に委託する仕組みが中心ですが、弊社はすべて自社で内製化しています。採用のプロとクリエイターが同じ会社にいることで、お客さまが本当に困っていることに応える成果物を、質とリアリティの両方を担保してつくれる。コストも抑えられます。5つの事業がすべてつながっていて、相乗効果でお客さまに付加価値を提供できることが、弊社の強みだと思っています。
採用の枠を超えた挑戦へ
誰もがキャリアを選べる社会に
今後のビジョンとしてまず明確なのは、高校生も大学生も中途も外国人材も、すべての人が自分自身でキャリアを選択できるようにすることです。自社に合う人をしっかりと採用して、成長できるような事業支援を続けていきたいと思っています。
採用市場の外にも挑みたい
もうひとつ、漠然とではありますが、数年後には採用ではないまったく別の市場にもチャレンジしてみたいという思いがあります。今、弊社は9期目を迎えていますが、まだ採用という市場にしか参入していません。違う市場にもうひとつ挑戦することで、会社としての成長も早まると思っていて、10期目以降のどこかのタイミングで、という考えはずっと頭の中にあります。
学生に伝えたい「覚悟」の話
悩みは情報不足から生まれる
今の大学生に向けてアドバイスをするのは、正直難しいところがあります。ただ、経験が豊富な学生を除けば、ほとんどの人は情報や経験がない中で迷っているだけなんです。あまり悩みすぎる必要はないんじゃないかと思っています。
覚悟を持つ人ほど評価される
自分自身を振り返っても、最初に入った大手飲料メーカーは、お酒が好きだったから選んだわけではありませんでした。それでも、1社目で覚悟をもって働いて長く成果を出していた人ほど、今後のキャリアの幅は拡がると感じています。
今は転職が当たり前の時代で、3年働いたら次へ、という思考の学生が多いと思います。だからこそ、たとえば面接で「この会社で骨を埋めるつもりで、何でも泥臭くやります」と本気で伝えてくる若い人がいたら、その熱量は伝わりますし、差別化にもなります。結果的に転職するとしても、そういう人のほうが、ビジネスをむちゃくちゃ楽しんでいるんじゃないかと思いますね。
自分の価値観で決断する
ワークライフバランスを優先したいなら、それが叶う会社を選べばいい。稼ぎたいなら、給料がいいところを選べばいい。将来自分でビジネスをやりたいなら、新規事業の経験を積める会社に飛び込めばいいと思います。何を優先するかは人それぞれなので、自分がいいと思ったところに決断することが、一番大切なんじゃないかと思います。
編集後記
今回、株式会社Sparkの永田様にお話をうかがい、高校生の就職支援という原体験から、5つの事業へと広がっていった経緯がとても印象的でした。なかでも「事業をひとつに絞らない」という考え方や、クリエイティブを内製化する強みは、学生である私にとっても新しい視点でした。就職活動で悩みがちな私たちに向けた「覚悟を持つことの大切さ」というメッセージも、実感を持って受け止めることができました。貴重なお話をありがとうございました。