「食」への興味は、不健康なダイエットから始まった
管理栄養士を目指した大学時代
学生時代は、世界一周のバックパック旅に一人で出かけるなど、好奇心旺盛な学生でした。大学では、管理栄養士の資格取得を目指す4年制の学科に進学し、栄養について専門的に学びました。
管理栄養士を目指したきっかけは、もともと「食べるもの」にとても敏感なタイプだったことです。体の内側から健康をつくっていくことに興味があり、「何を食べるか」というところから、次第に栄養そのものへの関心が深まっていきました。
その背景には、10代の頃に無理なダイエットをしていた経験もあったと思います。当時は「痩せること」を優先するあまり、決して健康的とはいえない方法でダイエットを続け、心の状態にも影響が出ていました。
その経験を通して、少しずつ「もっと健康的に自分の体を大切にするにはどうしたらいいんだろう」と考えるようになりました。そして、間違った食の知識によって健康や美を手に入れようとしている人たちをサポートしたい。そんな思いから、管理栄養士を目指したのだと思います。
実際に大学で学んでみると、管理栄養士の勉強は病気を抱える方への栄養管理などが中心で、私が当初イメージしていたダイエットや美容とは少し異なるものでした。それでも「食」への興味は変わらず、そのまま学び続けました。
社会に出て感じた、はじめての違和感
管理栄養士ではなく、デジタルマーケティングの道へ
大学卒業後は、管理栄養士ではなく、デジタルマーケティング会社に就職しました。
管理栄養士の主な就職先である学校や病院へ研修に行った際、組織の雰囲気に触れ、「この環境は自分には合わないかもしれない」と感じたことがきっかけです。年齢や経験によって発言できる範囲が決まっているような空気感に、窮屈さを感じてしまったんです。
そこで見つけたのが、デジタルマーケティングの世界でした。管理栄養士の資格や知識を活かしながら、食品分野のクライアントを担当する営業として約1年間働きました。
厳しい会社文化に心が疲れて
その会社を辞めたきっかけは、厳しい社風のなかで精神的に疲れてしまったことでした。
いわゆる昔ながらの体育会系の会社で、「厳しい環境のなかで精神を鍛える」というような価値観が根づいていました。そこで働き続けるよりも、一度環境を大きく変えてみようと思ったことが、その後の海外生活につながっていきます。
海外での5年間
短期留学のはずが、コロナ禍でシドニーに残ることに
会社を辞めたあと、転職はせずにシドニーへ渡りました。
大学時代からずっと英語を話せるようになりたいと思っていて、海外の友人をつくるなど、自分なりに環境を変える努力もしていました。それでもなかなか話せるようにならず、英語に対するコンプレックスがずっと残っていたんです。
「半年くらい海外で英語を学んでみよう」
そんな気持ちで渡航したのですが、その約3か月後にコロナ禍が始まりました。結果的に、そのままシドニーに残ることを選び、当初半年の予定だった海外生活は約5年間に及ぶことになります。
ダンススクール経営と保育の仕事
現地では、サーフィンスクールや飲食店などさまざまな仕事を経験しました。そしてコロナ禍をきっかけに、プライベートで続けていたダンスを人に教えるようになりました。
最初は、外出や人との交流が制限されるなかで「少しでもみんなが元気になれば」という思いから、無料で教えていました。そこから口コミで少しずつ人が集まり、活動が広がっていきました。
やがてダンススクールとして運営するようになり、ウェディングや市のイベントなどでパフォーマンスを行う事業にも発展。帰国するまでの約5年間、ダンスを教えながらスクールの運営を続けました。
同時に、現地で保育についても学びました。もともと子どもが好きで、「次の世代に何かを残せる仕事がしたい」という思いがあり、自分の価値観にも合っていると感じたからです。
ダンススクールの運営と保育の仕事を両立しながらシドニーで過ごし、日本に帰国したのは約2年前です。
母のブランドを引き継いで
帰国後、「自分に何ができるのか」と迷った日々
帰国した当初は、日本でのキャリアに自信がなく、「自分は何を提供できる人間なんだろう」と迷っていた時期でした。
就職することも考えましたが、さまざまな可能性を模索するなかで、母が長年営んできたビタミンCサプリメントのブランドに改めて目を向けるようになりました。
オンラインを中心に販売していた小さなブランドでしたが、母自身も将来的な引退を考えており、会社を手放すことも選択肢に入れていました。
当時の私は、とにかく「自分を必要としてもらえる場所で、もう一度キャリアの基盤をつくりたい」と思っていました。
そこで、まずは母の会社を手伝うことから始めました。それが約2年前です。
その後、母の引退の意向もあり、事業を引き継ぐことになりました。現在は、配送作業などをサポートしてくださる方々と少人数でブランドを運営しています。
いわば、私はこのブランドの「2代目」です。
「2代目」として、ゼロから学び直す
事業を引き継いだからといって、完成された仕組みやマニュアルが用意されていたわけではありません。
むしろ最初は、「やりたいなら、自分でやるべきことを見つけて」というくらいの状態でした。
何から始めればいいのかも分からず、すべてが手探りでした。それでも一つひとつ取り組んでいくうちに、少しずつブランドの課題や、これからやるべきことが見えるようになっていきました。
今は、SNS発信、マーケティング、広報、商品企画、デザイン、EC運営など、本来であれば複数の人で分担するような仕事を幅広く担当しています。
やりたいことも、やらなければならないこともたくさんあります。その一方で、一人の人間としての体力や思考には限界がある。その現実と向き合いながら、毎日ブランドを育てています。
もちろん、すべてを一人で抱え続けるつもりはありません。
ただ、最初からすべてを誰かに任せるのではなく、まずは自分自身が一通り経験したいと思っています。独学でもできる限り知識を身につけたうえで、自分だけではできない部分や、より専門性が必要な部分から少しずつ人の力を借りていく。
今の私にとっては、その順番が一番合っていると感じています。
SNS、マーケティング、広報など、正解が分からないなかでもトライアンドエラーを繰り返してきました。その経験を振り返ると、日本に帰国したばかりの頃の自分より、今はずっと自信がついたと思います。
そして今後は、このブランドを私一人だけでつくるのではなく、同じように「何かに挑戦してみたい」と思っている若い世代とも一緒に育てていけたらと思っています。
私自身、まだブランドをつくっている途中です。だからこそ、完成された会社に入るのではなく、一緒に試行錯誤しながらブランドを育ててみたいという学生の方がいれば、ぜひ声をかけてほしいと思っています。インターンやアルバイトという形で関わっていただくことも歓迎しています。
小さな会社だからこそ、企画からマーケティング、商品づくり、経営まで、一般的な会社ではなかなか見えにくい部分にも近い距離で関われる環境だと思っています。
リポナノCが届ける価値
毎日の健康を支えるビタミンC
現在の主力商品である「リポナノC(LiponanoC)」は、粉末タイプのリポソーム型ビタミンCサプリメントです。
ビタミンCは、人間の体内ではつくることができないため、食事などから摂取する必要がある栄養素の一つです。また、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、高い抗酸化作用を持つ栄養素として知られています。
私自身、もともと「体の内側から健康と美をつくる」という考え方に興味を持ったことが、管理栄養士を目指すきっかけでした。
だからこそ今も、特別なことをたまにするより、毎日の生活のなかで自分の体をケアする「小さな習慣」を続けることに価値があると思っています。
母から引き継いだ商品ではありますが、自分自身がもともと「体の内側から健康や美をつくる」という考え方に関心を持っていたこともあり、今ではこの商品を届けることに自分なりの意味を感じています。
リポソーム技術を取り入れたビタミンC
リポナノCの特徴の一つが、「リポソーム」という技術を採用していることです。
リポソームとは、リン脂質(油)によって栄養成分を包み込む、微小なカプセルのようなイメージです。これによってビタミンCが胃の消化液などの影響を受けづらく、普通のビタミンCに比べて体に長く滞在してくれる。だから吸収率が高いと言われています。
また、毎日の生活に取り入れやすいよう、粉末タイプで持ち運びやすく、飲みやすく、続けやすい形にしていることも特徴です。
サプリメントは、一度飲めばすべてが変わる魔法ではありません。
だからこそ私たちは、「何を選び、どう毎日を積み重ねていくか」を大切にしています。
商品そのものをただ使うだけではなく、それを手に取ることが「今日も自分を大切にしよう」と思い出す、小さなきっかけになってほしい。
そんな思いで、リポナノCというブランドを育てています。
これからのビジョン
女性が「自分を一番に大切にする」ためのブランドへ
これからブランドとして特に届けていきたいのは、女性たちです。
もちろん現在も男性のお客さまにも多くご利用いただいています。ただ、ブランドを通して伝えていきたいのは、「女性がまず自分自身を大切にすること」の重要性です。
仕事、家事、子育て、パートナーとの関係。
女性はさまざまな役割を担うなかで、気づかないうちに自分自身のことを後回しにしてしまうことがあります。
私自身も一人の女性として、仕事もプライベートも含めて「できることなら全部手に入れたい」と思う反面、すべてを完璧にすることの難しさを日々感じています。
だからこそ、まずは自分自身をケアする。
自分を大切にできる女性が増え、その人が幸せでいることで、子どもやパートナー、家族、友人など、周りの人にも笑顔が少しずつ広がっていく。
その積み重ねが、社会全体を明るくしていくのではないかと思っています。
振り返ってみると、10代の頃の私は「きれいになりたい」という気持ちから、むしろ自分の体を大切にできていませんでした。そこから栄養学を学び、海外でさまざまな経験をし、今は「自分自身を大切にすること」を伝えるブランド作りに励んでいます。
一見バラバラに見える経験ですが、今振り返ると、すべてがつながっているように感じます。最初から「これがやりたい」と明確に決まっていなくてもいい。目の前の興味や挑戦を大切にして、あとから自分なりに点と点をつないでいくことが大切なのだと思っています。
将来的には商品を販売するだけではなく、コミュニティなども含めて、女性たちが自分自身の心と体を整え、「私はどう生きたいんだろう」と考えるきっかけをつくれるブランドにしていきたいです。
物を届けるだけではなく、「自分を大切にする」という想いを届ける。
それが、母からブランドを引き継いだ私が、これからつくっていきたいブランドの姿です。
学生へのメッセージ
とにかく、多くの面白い大人に会ってほしい
キャリアに悩んでいる学生の方には、とにかくいろいろな人に会ってほしいと思います。
イベントに足を運んで、さまざまな仕事をしている大人と話して、自分の知らなかった生き方や考え方に触れてみてください。
もちろん、同級生と旅行に行ったり、学生時代にしかできない思い出をつくったりすることも大切です。
でも、将来のキャリアを考えるという意味では、自分がこれまで出会ったことのない大人たちの世界を見てみることも、大きな価値があると思っています。
そして、「こんなことをやってみたい」と思うことがあれば、まだ具体的でなくても、とにかく言葉にして人に伝えてみてほしいです。
自分から行動して、思いを伝えることで、思いがけない人が夢を後押ししてくれることがあります。
私自身もそうですが、世の中には、次の世代の「何かやってみたい」という熱い思いを応援したい大人がたくさんいます。
ただ、その人たちと出会うためには、自分自身が動かなければ始まりません。
何が正解か分からなくても、まず行動してみる。
私自身もまだその途中ですが、その積み重ねが、自分らしい人生につながっていくのだと思います。
編集後記
今回、ヘルシーグリーン株式会社の半澤様にお話をうかがいました。管理栄養士を目指した学生時代から、海外での5年間、そして母から受け継いだブランドを切り盛りする現在まで、一貫して感じられたのは、迷いながらもまず行動してみる姿勢でした。
「まずは自分でやってみる」という半澤様の姿勢は、私自身の学生生活にも通じるものがあり、これから社会に出る学生にとっても、大きなヒントになるのではないでしょうか。
貴重なお話をありがとうございました。