インタビュー

楽天を飛び出しベトナムへ。フリーペーパーの広告営業から始まった、私のWebマーケ挑戦記

楽天を飛び出しベトナムへ。フリーペーパーの広告営業から始まった、私のWebマーケ挑戦記
PROFILE
株式会社VWCジャパン CEO
髙林 凌

楽天からベトナムへ

海外を見たくて転職

弊社(株式会社VWCジャパン)はベトナムと日本、それぞれの拠点でWebマーケティングの支援事業をおこなっています。私はホーチミンに常駐しながら、ベトナムを始めとする海外市場に進出する日系企業様の集客を、広告運用やSEO記事の制作、YouTube動画の撮影・制作、SNSの運用代行などを通じてサポートしています。

私はもともと、2016年に楽天株式会社へ新卒入社しました。学生時代から若いうちに力をつけたいという思いが強く、リクルートや楽天のようなメガベンチャーを見ていました。楽天は当時グローバルカンパニーだったことも魅力の1つでしたが、機会に恵まれない人たちをインターネットの力でエンパワメントするというミッションに特に惹かれ、ファーストキャリアとして選びました。

ただ、楽天の中で海外を見られるチャンスは駐在員として早くても5年後と言われていて、もう少し早く挑戦したいという思いから海外への転職活動を始めました。

ベトナムを選んだ理由

学生時代にバックパックで東南アジアを回っていたこともあり、日本との距離や宗教観の違い、親日国であることなどを踏まえて候補を絞っていきました。タイはすでに日本人が多く希少性が薄いと感じ、フィリピンは治安の面で不安が残り、シンガポールは町の雰囲気が日本とあまり変わらず海外感が薄いと感じました。消去法のようなかたちで、当時の私にはベトナムが一番しっくりくる選択肢になりました。

とはいえ、楽天から卒業して海外で一気に独立起業するのは難易度が高いと考え、まずは現地のフリーペーパー会社に転職するかたちで、2019年にベトナムへ移住しました。

フリーペーパー時代に学んだこと

広告営業から新規事業へ

転職先では、楽天でECコンサルタントとして培った経験を生かして、日系企業様への広告営業と、それを使った売上アップの2つのミッションを担当していました。当時その会社はWebメディアを新しく立ち上げたいというタイミングで、Web広告やSEOメディアに強い人材が社内にいなかったため、私が広告営業をしながらWebメディアも新規事業として育てていくことになりました。

その中で、日本語のフリーペーパーだけでなく、ベトナム人向けのオンライン集客に関する相談を数多くいただくようになりました。プラットフォームも言語も異なるベトナム人向けのオンライン集客には、はっきりとしたニーズがあると実感し、これが独立を考える大きなきっかけになりました。

独立、そして創業

フリーランスから会社へ

コロナが明けた2022年4月にフリーランスとして独立し、その約1年後に会社を設立しました。今は創業から3年が経ち、累計50社のWebマーケティング支援をおこなってきました。日本から遡り、広告営業と集客サポートまで含めると、支援した会社は累計600社までのぼります。現在のチームは私のほか、ベトナム人の社員が3名、業務委託のベトナム人メンバーが3名、日本側は動画制作やライティングも含めてフリーランスの業務委託が8名ほどという体制です。私自身もプレイヤーとして手を動かしながら、マネジメントと営業も担っています。

VWCが手がける事業

Web集客を一気通貫で支援

弊社のクライアント様は、ベトナムを始めとする海外市場に進出する日本企業様が中心です。広告の運用やSEO記事の制作、YouTubeの動画撮影・制作、SNSの運用代行に加えて、進出に先立つ市場調査や、勝ち筋があるかどうかを外部パートナーと一緒に見極めるところから伴走しています。展示会やイベントへの出展支援は、今後広げていきたい領域です。

他社にはない3つの強み

現地に根を張る

1つ目の強みは、創業社長である私自身がベトナムに常駐し続けている点です。日本の大きな代理店様の現地法人には、日本からの出向という形で複数拠点を掛け持ちされている方も多く、腰を据えて向き合っている会社は多くありません。私はベトナムに住んで8年ほどになり、フリーペーパー時代からの繋がりも多いため、現地のタイムリーな情報をすぐにお伝えできることが強みになっています。

コンサルと実行を両立

2つ目は、戦略の立案から実行支援までを一気通貫で担っている点です。大手代理店様は年間数百万から数千万円規模の予算がないと動きにくい一方、弊社がご支援するのは日本人の代表と数名の営業体制といった、五名から十名規模の会社様が多いです。予算の状況やお客様のリソースに合わせて、コンサルティングのみか、実行部隊も弊社で持つかを柔軟に選んでいただけます。

結果にこだわる実行力

3つ目は、戦略を絵に描いて終わらせず、実行までやりきる力です。海外でのマーケティングは、言語の壁や離職率の高さから、計画があっても現場で止まってしまうことがよくあります。楽天時代に学んだ「GET THINGS DONE」、つまり結果を出さなければ意味がないという姿勢を、弊社でも徹底しています。

目指す未来

信頼されるパートナーへ

弊社が掲げているのは、ベトナムでもっとも信頼されるマーケティングパートナーになるということです。海外で挑戦する企業様が勝てる確率を、少しでも上げたいという思いがあります。市場調査の段階で勝ち筋が見えなければ、それを正直にお伝えすることも大切にしています。楽天やフリーペーパー時代は、会社が持つ広告枠という決まったアセットの中でしか提案ができず、もどかしさを感じていました。今は、お客様のゴールから逆算して柔軟に提案できることを大事にしています。

学生へのメッセージ

挑戦のコストは安い

学生の皆さんには、ぜひ海外への挑戦を臆せずやってほしいと思っています。とくに東南アジアは物価が安く、挑戦のコストがとても低いです。日本でカフェを一軒開くのに一千万円、二千万円とかかるところが、こちらでは十分の一ほどの規模で挑戦できることもあります。一回で成功するのは難しくても、たくさん失敗できる環境があることは、大きな経験になります。

ベトナムは経済が年6〜7%前後で成長を続けていて、街の風景も配車アプリのような新しいサービスも、日々変わっていくのを肌で感じられます。今日より明日のほうがよくなると信じられる感覚は、日本にいるとなかなか味わえません。旅行でもかまわないので、一度海外に出てみることで、日本の外の空気を知ってほしいと思っています。

編集後記

高林様のお話から強く伝わってきたのは、「勝ち筋のない提案はしない」という誠実さでした。楽天での経験を土台に、フリーペーパー営業からWebマーケティングへとキャリアを重ね、ベトナムに根を張って挑戦を続ける姿は、海外で働くイメージが漠然としていた私にとって、とても刺激的でした。挑戦のコストが低いという視点は、学生である私にも新しい発見でした。この夏、私自身も一度海外に出てみようと思います。