インタビュー

バックパック一つで訪れたベトナムが、人生を変えた

更新: 2026年9月17日
バックパック一つで訪れたベトナムが、人生を変えた
PROFILE
株式会社InfoBase 代表取締役
三浦賢弥

株式会社InfoBaseで代表取締役をしている三浦賢弥です。ベトナムに特化した経済情報プラットを手がけ、日本とベトナムの経済をつなぐ情報基盤づくりに取り組んでいます。

大学3年、はじめてのベトナムで心を動かされた

バックパッカーとして訪れた

大学3年生のとき、バックパッカーとしてはじめてベトナムという国を訪れました。街のエネルギッシュな雰囲気が、当時の私にはとても印象的でした。

そこから大学院でベトナム研究を専攻し、ホーチミン留学も経験しました。ベトナムをずっと自分のキャリアにしていきたいと思い、まずは日本の政府機関に入りました。その後はベトナムへの進出を支援する会社へも身を置き、長くベトナムに関わり続けています。

情報の少なさが、起業のきっかけになった

いまの日本市場はなかなか思うように動けない一方で、海外へ出るチャンスは非常に大きいと考えています。ただ、現地のビジネスの状況がわからないと、なかなか一歩を踏み出せません。そうした情報を安く得られるサービスがあればと考えて立ち上げたのが、いまの会社です。ベトナムと日本の経済関係に貢献したいという思いが、根っこにあるのです。

目指すのは、ベトナムの「経済プラットフォーム」

信頼できる情報を圧倒的に競争力のある価格で販売

事業としては、ベトナムの経済プラットフォームになることを目指しています。経済情報の配信のほか、進出支援会社やベトナムの企業が一挙に集まる場をつくることが事業内容です。現在は情報発信に注力していますが、企業同士のマッチングも将来的には見据えています。ただ、プラットフォームとして最初からすべてを実現するのは難しいので、いまはまず多くの方に見てもらえる「メディア」としての形を大事にしています。

ベトナム経済情報プラットフォーム https://infobank-vn.com/

ベトナムは経済全体が発展を続けており、毎年成長を続けています。横ばいの状況にある日本とは、やはり違った躍動感やエネルギーを感じます。

経営者になって気づいた、苦労とやりがい

会社員であれば毎月給料が保証されていますが、経営という立場になると、状況次第で収入(売上)が安定的にはならない場面が起こります。その点は、苦労している部分です。それでも、若いうちにやれることはやっておきたいという思いのほうが強くあります。

目指す先は、日本とベトナムの経済発展

より安く、より良い情報にたどり着けるように

レビューのような形で情報の精度を高め、企業がより安く、より良い情報へたどり着けるようにすることを大切にしています。そうすることによってベトナムと日本の経済がともに発展していくことが最終的な到達点です。

いま伸びているのは、飲食やサービス業

ベトナムに進出する日本企業というと、ベトナムで製造し日本や欧米に輸出するビジネスを思い浮かべるかもしれません。ただ、いまは物価も給与も上がっている状況なので、むしろベトナム国内で売れるものにこそ大きな可能性があります。飲食やサービス業の分野は、とくにポテンシャルが高いと感じています。

AIを武器に、時代についていく

デジタルの力を情報の精度へ活かす

現代における時代についていくことが大事だと思っており、とくに近年ではAIの力を意識しています。情報発信においても、より正確な状況を収集したり、確認したりする場面でデジタルの力を活用しています。以前とは違うやり方だと思います。

まだ、あまり見たことのないビジネスモデル

AI×海外進出支援は前例が少ない

海外展開という視点では、中国や韓国、台湾、さらに東南アジアでも同じようなプラットフォームを目指す動きはあります。ただ、海外進出の支援をAIやデジタルを使ったプラットフォームにて行っている会社は、あまり見当たりません。参考にしている会社はありますが、データベースのような情報基盤を目指すという点は、自分たちなりに追求しているところです。

実は、半分以上がデジタルの会社

ベトナムの会社だと思われることも多いのですが、実際には半分以上が情報・デジタルの会社という側面を持っています。売上もベトナムだけに限らない部分が、この会社の特徴です。

学生へのメッセージ

新しい環境は、怖くていい

自分が訪れたことのない場所や、居心地の悪さを感じる環境へ踏み出すのは、怖いと思うこともあると思います。ただ、そうした新しい環境こそが、人生や仕事のきっかけになることも少なくはないと思うのです。

一歩踏み出す旅行や、学校のプログラム、短期留学など、きっかけはどんな形でもよいと思います。誰かと一緒に訪れるよりも、一人で訪れてみるほうが、いろいろなことに気づきやすいのではないかとも感じています。

自分の「わがまま」を大事にする

周りに合わせてしまうと、自分が描いたことからどんどん遠ざかってしまいます。他の国では、私自身もどちらかというとマイナーなことをやっているほうです。将来困るのではないかと思うこともありますが、それでも自分がこう思う、という気持ちを大事にすることが、新しい年を迎えるうえでも大切だと感じています。

編集後記

早稲田大学3年生です。バックパッカーとしての原体験から起業に至る三浦さんのお話は、情報の少なさという課題をそのまま事業化してしまう発想力に驚かされました。ベトナムの成長率の話や、飲食・サービス業への着目など、現地目線での分析にも説得力があり、学生の私たちにも海外に目を向けるきっかけになりました。「わがままを大事にする」という言葉は、就職やキャリアに悩む学生にとっても、心に残るメッセージだと感じます。